フルート記事
THE FLUTE 154号 Special Contents

テンポ感・リズム感を身につけよう

演奏に欠かせない要素でありながら、つかみどころがなくて練習法もいまひとつわかりづらいのが、テンポとリズム。154号の特集では、テンポ感・リズム感を身につけるための練習法を、実際の曲を使って具体的にレッスンしていきます。
今号の「ちょっとおしゃれに、懐かしきJ-POP」に掲載の『糸』(中島みゆき作曲)をテンポとリズムにノリながら格好良く演奏するコツや、巻末楽譜「威風堂々」(エルガー作曲)を使ったレクチャーなど、ソロでも合奏でも役立つ内容をお送りします。

読者に聞きました
テンポとリズムの悩み

「テンポとリズム」をテーマに読者アンケートを実施しました。フルート奏者の皆さんはどんな悩みを抱えているのでしょう。早速見てみましょう!

Q
テンポどりやリズムどりが難しいと思う曲を教えてください。
(ソロ、合奏どちらでも/曲の一部分でもOK)
A-ソロ
『ハンガリー田園幻想曲』(ドップラー)
『情熱大陸』(葉加瀬太郎)
『「アルルの女」よりメヌエット』(ビゼー)
『シリンクス』(ドビュッシー)
『イパネマの娘』(ジョビン)
『タイスの瞑想曲』(マスネ)
A-合奏
『交響詩「ローマの祭り」』(レスピーギ)
『「ウエスト・サイド・ストーリー」から  シンフォニックダンス』(バーンスタイン)
『フルート吹きの休日』(カステレード)
『夏山の一日』(ボザ)
『「想い出は銀の笛」より エメラルドグリーンの風』(三浦真理)
Q
テンポやリズムに関して、工夫していることはありますか?
A
アンサンブルでメロディを吹くときは、気持ち前進する心構えで吹く。伴奏になったときにテンポが落ちる癖があるので、キープするようにする。

練習のときは、タイもスタッカートも取って、すべてタンギングにする。etc...

その他、雑誌では読者の「日頃の練習で実行している“メトロノーム活用法”」や、「テンポやリズムについて気をつけていること」なども聞いています。ぜひ参考にしてみてくださいね!

 

【 実践レッスン 】
こう取り組もう、テンポとリズム

テンポとリズムのとり方を身につけて、演奏に活かすための今回の特集。指南役の渡邉加奈さんが、初心者から理解できて中級以上の人にとっても基本的なことを確認するのに役立つ“テンポとリズムの練習法”を、レクチャーしてくれました。
雑誌に掲載していない特別編として、「付点のリズム」の感覚を上手に身につける方法をお送りします。

ここでは、付点のリズムについて解説します。
付点は、その音の長さに、その音の半分の長さを足した長さになります。簡単に言うと、“×1.5”ですね。
2分音符ならば2拍×1.5で3拍、4分音符ならば1×1.5なので、1.5の長さです。

有名な童謡で、『ぞうさん』という曲がありますね。
あの曲のリズムが4分音符の付点のリズムです。 

譜例
譜例

8分音符の付点のリズムは、それを2倍の速さにしたもの。これも、言葉にして覚えましょう。
気をつけなければならないのは、この付点のリズムが甘くなると、3連符のリズムに聞こえてしまいがち、ということです。
「『ミッキーマウスマーチ』のようなリズム」と言えば、わかりやすいでしょうか。
なるべく16分音符をするどく打てるように、練習しておきましょう。

譜例
譜例

ここからは総まとめです。雑誌のほうでご説明したリズムも含めて練習していきます。付点のリズムは、まずその基本となる細かいリズムを練習してから付点のリズムにすると、正しく演奏できますので、そのように書いてみました。

譜例
譜例

それから、8分の6拍子に代表される、8分音符3つ分が1拍となる拍子も、リズムパターンが決まっていますので、良く出てくるリズムパターンを載せてみます。こちらも単語だと思って覚えてしまいましょう。

譜例
譜例

雑誌でもご説明したように、音符のリズムと同じ文字数の単語を当てはめると、リズムをとらえやすくなります。付点のリズムも同じようにやってみるのがおすすめです。

 

渡邉加奈

渡邉加奈 Kana Watanabe
桐朋学園大学短期大学部、同専攻科修了後、渡仏。パリ・ポール・デュカス音楽院をフルート、室内楽共に1等賞で卒業。帰国後、室内楽、吹奏楽、オーケストラなどで演奏活動を行う他、作曲、編曲活動にも力を注ぐ。レ・スプレンデル音楽コンクール入選、パリUFAM国際コンクール審査員満場一致の1等賞受賞、フルートコンヴェンション2007TOKYOアンサンブル部門金賞(1位)を受賞、フルートコンヴェンション2013in高松アンサンブル部門金賞(1位)を受賞。2013年 8月、1stアルバム「Triptyque~フルートトリオコレクション」をリリース。

《 関連動画 》
THE FLUTE本誌154号特集内の、渡邉加奈さんによるコンテンツ「こう取り組もう、テンポとリズム」の連動動画を公開します! 誌面の内容がより理解しやすいレッスン動画を、渡邉さんが実際に解説と譜例の演奏で説明します。

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ほかにも、THE FLUTE154号誌面では、尾形誠さんによる『糸』の演奏アドバイス(連載「ちょっとおしゃれに、懐かしきJ-POP」特別編)や、テンポ・リズムをとるのが難しい名曲『タイスの瞑想曲』の誌上レッスンも掲載しています。立花雅和さんによる『タイスの瞑想曲』の連動レッスン動画が見られる会員限定ページも、ぜひご覧ください。

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