THE FLUTE 156号 Special Contents

タンギング&フィンガリング レベル・テクニック別練習法

フィンガリングのための基礎練習
~初級・中級・上級編~

野崎和宏

タンギング・フィンガリングに分け、それぞれの上達に役立つ教則本を紹介します。誌面では、初級~上級のレベル別に、練習したいテクニックごとのメソードとそれが掲載されている教則本が“まるわかり”な一覧表を見ることができます。

♪フィンガリング♪

我々がフルートで演奏する調性音楽の大半のメロディが、音階とアルペジオから成り立ち、それに飾りが付けられています。ですから、フィンガリングの練習はまず様々なパターンの全調スケール、半音階、全音音階、アルペジオを訓練しておくことが不可欠ということになります。そのうえに、それらを飾るトリル、ターン等の装飾音形を練習します。
フィンガリングの練習は、最終的に指の上げ下げの動きがきちんとなされているかどうかのチェックは、レガートによって確認されます。どのようなアーティキュレーションの課題でも、少なくとも一度はレガートで練習されることをお勧めします。

♪タンギング♪

例えば、同じ"e"の文字でも書いた著者の話すフランス語やドイツ語、英語等の言語によって発音は異なります。また、タンギングのTaでは明るく明瞭な響きの発音が得られ、Ti ではやや響きが抑えられたバロック音楽のエコーの時に適したような発音になり、Toでは重々しく強くて豊かなドイツ音楽に相応しい発 音が得られます。 このような多様な発音を練習しておくことは、いろんな表情の音楽を表現しようとするときに役に立つことでしょう。

THE FLUTE156号誌面“自分にピッタリのメソードがわかる!一覧表”をちょっとだけご紹介

おすすめ◆◇タンギングの上達にはこのメソード!初級

  タファネル&ゴーベール アンデルセン モイーズ ケーラー
シングル・タンギング 1巻 第1部 P20〜21 op.41 No.2,11,16 フルートのための24の旋律的小練習曲と変奏 No.3, 5 Erste Übungen,op.33/1 No.9
ダブル・タンギング     フルートのための24の旋律的小練習曲と変奏 No.18  
トリプル・タンギング   op.41 No.18 フルートのための24の旋律的小練習曲と変奏 No.15,18  
野崎和宏

野崎和宏 Kazuhiro Nozaki
桐朋学園大学音楽学部を卒業後渡仏。林リリ子、小出信也、クリスチャン・ラルデ、ジャック・カスタニエの諸氏に師事。ヴェルサイユ・コンセルヴァトワール、パリ・エコー ルノルマル音楽院で学び、Diplôme Supérieur de Concertisteを全審査員一致の首席で取得して卒業。渡仏中は、Festival de Il de Franceに招かれ、フォンテーヌブロー城でのリサイタルや、フランス国営放送のラジオリサイタル、エコール・ノルマル・オーケストラとのコンチェルトなど多数のコンサートに出演。1986年に帰国直後からの、ムラマツフルートレッスンセンター、尚美学園講師としての後進の指導も、まもなく30年になる。その間、全日本学生音楽コンクール(主催:毎日新聞社)などの審査員も務め、著書には、「これから始めるフルート」(自由現代社)がある。また、リサイタル、師クリスチャン・ラルデ氏とのデュオコンサートなど、ソロや室内楽の演奏活動も続けている。

<前へ      1   |   2   |   3   |   4   


フルート奏者カバーストーリー