THE FLUTEオンライン記事:第9回神戸国際フルートコンクール
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第9回神戸国際フルートコンクール

第1位入賞者 エレーヌ・ブレグさんインタビュー  ◆THE FLUTE ONLINE特別版◆

4年に一度開催される、神戸国際フルートコンクール。開催年である今年6月、世界中から多数の出場者が参加して華々しく幕を開け、盛況のうちに終了した。今年の開催にあたっては、財政事情から一時期危うい状況に置かれるも、多くのプロ奏者を含むフルート愛好家たちの熱意と働きかけにより、打破される結果となったのは周知のところである。ミュンヘン、ジュネーブと並び世界3大フルートコンクールの一つとされる「神戸国際」は、“フルートのワールドカップ”の名にふさわしく、例年以上の盛り上がりを見せた。
そんなメモリアルな意味を持つ大会の優勝者エレーヌ・ブレグさんのコメントを、THE FLUTE本誌159号に掲載した。ここでは、誌面とは別のオンライン特別版インタビューをお送りする。

エレーヌ・ブレグ

――
コンクールでのご自分の演奏をいまあらためて振り返ってみて、思うことはありますか?
ブレグ
自己評価というのはいつも難しいですね。今回は毎回のラウンド後にYouTubeで自分の演奏にひどいところがなかったか、いつもチェックしていました。でも自分がどう演奏したか、正直もうあまり覚えていません。ただ、3次予選の演奏は不満の残るものでした。舞台がとても暑くて、演奏中はずっと音程と闘っていました。2次予選の楽曲より準備が少なかったこともありますし、本選が近づいているというプレッシャーも相まっていたと思います。
――
プレッシャーとの闘い、という感じだったのでしょうか?
ブレグ
本選では、自分でも驚くほど落ち着いて静かな気持ちでいたことを覚えています。聴衆はたくさんいたし、開始が遅れるハプニングもあったので、本来の自分ならばとてもナーバスになるシチュエーションだったのに、です。私は本選で演奏することを本当に待ち望んでいたので、それが叶って演奏しているときは本当に幸せでした。
――
今回共に競い合ったほかの上位入賞者の皆さんの演奏は、聴いてみていかがでしたか?
ブレグ
私は本選で1番目に演奏したので、その後他のファイナリストの演奏を聴きました。でも、自分の演奏の直後でアドレナリンはすごく出ているし、皆の演奏に集中して聴き入ることはとても難しかったです。ですので、他のコンテスタントの演奏についてはあまり多く言えませんが、(3位入賞した韓国の)Han Yeo Jinさんのモーツァルトは印象的でした。とても自然でエレガントで、「私もこんな風にモーツァルトを演奏したい!」と思いました。もし私も聴衆賞に投票できたなら、彼女にしていたでしょう。そして彼女が15歳だなんて……!

エレーヌ・ブレグ

エレーヌ・ブレグ
フランスに生まれ、7歳でフルートを始める。地元の音楽院で基礎を学び、2年間パリ地方音楽院のヴァンサン・リュカの下で研鑽を積み、難関のパリ国立高等音楽院へ入学。ピエール=イヴ・アルトーとフローランス・スシャール=デルピヌのクラスで学び始めた6か月後、弱冠19歳でルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団へ入団。オーケストラ奏者として活躍しながらパリ国立高等音楽院の学士号を取得し学識と技術を身につけるも、さらに新しい視点と深い音楽への理解を得るため、ドイツ国立カールスルーエ音楽大学でレナーテ・グライス=アルミンの下で学び、2015年に修士課程を修了した。同年プラハの春国際音楽コンクールにおいて第2位を受賞。ベルリンフィルやロッテルダムフィル、ヨーロッパ室内管弦楽団、パリ管弦楽団など著名オーケストラより招かれ演奏、卓越した室内楽奏者としてILCODEMA Trioの一員として活動し、学校や子供たちのために定期的に指導もしている。


エレーヌ・ブレグさんは、8月に川崎市の昭和音楽大学で行なわれたフルートコンヴェンションでのコンサートにも出演されました。その「第18回日本フルートコンヴェンション 2017in川崎」の模様については、次号THE FLUTE160号にてレポートします。お楽しみに!

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