THE SAX vol.77-79

人気ナンバー完全攻略レッスン Part2 『テイク・ファイブ』Aメロ〜Bメロ〜アドリブ

サックス吹きなら誰もが吹きたい!」と思う人気曲に、3回の連載でじっくり取り組む集中講義企画第2弾が THE SAX77号よりスタート! Part.2の課題曲は、サックス奏者にとって永遠の憧れとも言えるジャズ・スタンダード・ナンバー『テイク・ファイブ』。Part.2でレクチャーしてくれるのは、島村楽器ラゾーナ川崎店のサックス・インストラクター、尾中先生。初心者の生徒さんも多く持つ経験豊富な人気インストラクターなので、気軽にトライしてみよう。ここでは誌面と連動して、尾中先生に実演レクチャーしていただいたものを、動画でアップ!
今までなかなかカッコ良く決まらなかったアナタも、本誌の譜例&詳細な演奏解説と合わせて練習すれば、劇的に進化すること間違いなし!


【課題曲】『テイク・ファイブ』Aメロ
5拍子を感じて、タンギングはやわらかく!

この連載のために、いろいろな『テイク・ファイブ』のバージョンを聴いてみたのですが、やはりオリジナル、デイヴ・ブルーベック・カルテットのアルバム「タイム・アウト」に収録されている『テイク・ファイブ』に勝るものはないように思います。ここでは、そのアルバムで素晴らしい演奏を聴かせるアルトサックス奏者、ポール・デスモンドによるテーマをもとに、レクチャーしていきたいと思います。 ポール・デスモンドのようなニュアンスを出すには、全体的にタンギングをやわらかく(敢えて舌をあいまいに突く)、そしてハーフタンギングを覚えて拍は後ろ(もたり気味)で、ゆったり吹くということでしょうか。音色に関しては、人によって吹き方や好みも異なり、そう簡単に変えられるものではないので、まずはタンギングやリズムの取り方から雰囲気を真似てみるのが良いと思います。 この曲は、ジャズの様々なエッセンスを含んでいるので、ぜひチャレンジしてみてください。譜面はTHE SAX77号に掲載しています。(解説:尾中勇太)

 


【課題曲】『テイク・ファイブ』Bメロ
テーマBは、息をたっぷり入れてハキハキと!

第2回目では、メロディの後半部分、テーマB〜後半テーマAに取り組んでいきます。リズム・パターンはテーマAと一緒ですが、テーマBではAmからE♭メジャーに転調するので気分を明るく切り替えましょう。音域も高くなりますので、息をたっぷり入れて音を張って、タンギングを入れてはっきりと吹いてみましょう。テーマAのちょっぴり暗い感じと対比的に吹くことで、メリハリがつきます。譜面はTHE SAX 78号に掲載していますので合わせて練習してみてください。(解説:尾中勇太)

 


【課題曲】『テイク・ファイブ』アドリブ
アドリブ部分はフレーズの中で細かい強弱を!

5拍子のリズムにもう慣れましたか?『TAKE FIVE』最終回はアドリブ部分に取り組んでいきます。
一つのスケールで、音数も多くないので、初心者の方にもチャレンジしやすいのではないかと思います。フレーズの特徴としては、音の始まりはあえてノータンギングでジワ〜っと曖昧に、でもフレーズの最後はタンギングでしっかり止めるところでしょうか。あと、2つのコードの繰り返しなので、一つひとつのフレーズの中で細かい強弱を付けることによって、単調にならないようにします。 タンギングできれいに音を止めるには、アンブシュアを安定させること。タンギングのたびに力んでアンブシュアが動いてしまっては、音程にも影響が出てしまいます。力まないように、気をつけましょう。 譜面はTHE SAX 79号に掲載していますので合わせて練習してみてください。(解説:尾中勇太)


島村楽器 インストラクター紹介
尾中勇太(おなかゆうた)
洗足学園音楽大学器楽科サクソフォーン専攻卒業。クラシックを冨岡和男、大和田雅洋の各氏に師事。JAZZを小池 修、藤陵雅裕の各氏に師事。

島村楽器 ラゾーナ川崎店(TEL:044-520-8148) http://www.shimamura.co.jp/l-kawasaki/
インストラクター紹介ページ http://www.shimamura.co.jp/l-kawasaki/index.php

サックス