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みんなのキニナルを解決!? プロに聞く!Q&A

好評連載シリーズ \ 第7弾 /

大好評につき特集シリーズ第7弾をお送りします! 今回はダブルリードのファゴットです。
「また、ファゴットのことならおまかせ! の「日本ダブルリード株式会社」も紹介しています。

Contents

ファゴット
ファゴットのことならおまかせ! 日本ダブルリード

◆ファゴット:國府 利支恵 Toshie Kou

國府利支恵さん

岡山県出身。愛知県立芸術大学卒業、東京音楽大学研究生修了、ドイツ国立トロッシンゲン音楽大学大学院修了。ファゴットをこれまでに、菅原眸、中川良平、霧生吉秀、小山昭雄、五島研一の各氏に師事。2001年より大阪市音楽団(現Osaka Shion Wind Orchestra)ファゴット奏者。

Q.扱い方がわかりません!

ファゴットを始めたばかりで扱い方がよくわかりません。まず、覚えておいたほうがいいことを教えてください!

A.覚えてほしいことは3つ

覚えてほしいことが3つあります。
①たくさん練習した後は、必ずU 字管に溜まった水を抜いてから、楽器を置きましょう!
ファゴットはダブルジョイントの下のところにあるU 字管に水が溜まります。溜まったまま、楽器を横向きに置いてしまうと、ダブルジョイントの一番下のトーンホール(As キィ)から水が溢れ出てきてしまいます(写真1)。
これを繰り返していると木製のファゴットは徐々に水が侵食していき、数年後には腐ってしまうことに……! ファゴットは高価な楽器です。メンテナンスさえしっかりしていれば、かなり長く使えます。未来の後輩たちのためにも、気をつけましょう。溢れ出てしまった場合は、U 字管をはずして水分を拭き取りましょう。トーンホールとタンポの水分はクリーニングペーパーできっちり拭き取ってください。
②月に一度はテナージョイントとダブルジョイントの指で押さえるトーンホールを綿棒で掃除しましょう!
休憩時や楽器を片付けるときは、必ずテナージョイントとダブルジョイント、ボーカルにスワブを通していますよね。スワブを通していても、トーンホールの奥に汚れやホコリが溜まってしまい、それを放置していると音程や音の抜けに影響してきますので、掃除しましょう。
③組み立てた最後に、ダブルジョイントのE キィを右手親指で押さえて、ボーカルの穴を押さえるタンポがしっかり閉まるか確認しましょう。 この連結キィが機能していないと、低音が発音しづらかったり、鳴りにくくなります。もし、テナージョイントのピアニッシモキィのバネが曲がっていると、閉じる力が低下している可能性が大きいので、修理をお勧めいたします(写真2)。また、テナージョイントとダブルジョイントの連結部分が曲がっていたり、組み立てたときのテナージョイントを差し込む角度によっても、影響があるので気をつけましょう(写真3)。

ファゴット

左:写真1、中央:写真2、右:写真3





Q.リードの選び方

どんなリードを選んだらいいのか教えてください!

A.タンギングがしやすい

ファゴットを吹くには、リードは必要不可欠。しかもリードは消耗品で、吹いていくうちに変化していきます。さらに1本が高価! プレイヤー泣かせな部品ですから、できるだけ吹きやすいものを買いたいと思いますよね。
選別の目安としてまず先端の開きをチェックし ましょう。図1のような開きを選ぶと良いと思います。それ以外( 図2 )は材料の質や厚み、強度が左右均一ではなかったり、硬い、柔らかいなど、ストレスを抱えていることが多いです。また試奏させてもらえるならば、音色が変にこもっておらずタンギングがしやすい上、中音のCis(ド#)、E(ミ)が下がらない、A(ラ)、B(シb)、H(シ)がとりやすいリードを選ぶとよいと思います。
練習後はリードの中を小羽で掃除しましょう。汚れが溜まっているとだんだん重くなってきたり、発音しづらくなってきます。そして衛生的にも良くないです。もちろん表面も少し濡らして指でなでるように、汚れを落としましょう。

リード

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