後輩たちへ|秋山璃帆

第2回 秋山璃帆

第2回
秋山璃帆 Riho Akiyama

プロ奏者として挑戦し続けている20 代の若手奏者にスポットをあて、夢を追って生きること、その過程、そして今プロになって感じることを語ってもらう本コーナー。第2回目となる今回は秋山璃帆さんです。

 

秋山璃帆

プロを目指そうと決めたのはいつ?

わたしは2歳でエレクトーン、3歳でピアノを始めて、トランペットは中学1年生のときに吹奏楽部で始めました。プロになりたいと思ったのは、おそらく小学5年生くらい。そのころから「音楽は自分にとってかけがえのないものなんだ」と思っていたんです。
そして、中学2年生のとき両親に「わたしは音楽の学校に行く!」と話したら猛反対されました。その後、両親が吹奏楽コンクールを見に来てくれたのですが、そのとき「この子は本気で音楽がやりたいんだな」と感じたようで、それからは応援してくれるようになりました。
当時、もし音楽を職業にするならと考えたとき、わたしは、演奏しているときに色が見えたり、ストーリーが浮かんだり、共感覚(ひとつの刺激に対して別の感覚を引き起こす)のようなものがあったので、音楽と映像などをリンクさせて、自分にしかできない何かをやりたいなと思うことがありました。日本でもできることはたくさんあったと思いますが、もっといろんなものを見てみたいという気持ちから高校卒業後にヨーロッパへ行ったんです。

 

プロとしての苦労は?

体調管理ですかね。わたしはここ3 ~ 4年風邪を引いてないです。もちろん体調が悪くなることはありますが、薬に頼らない、風邪を引かない予防を心がけています。そういった部分はプロなのでしっかり管理しないといけないと思います。風邪を引いたからといってリハーサルやライブを休むことはできないですし、代わりのいない職業なので気が抜けません。

 

モチベーションを保つ秘訣は?

プロとして音楽活動をしていると、楽しいことばかりではなく辛い部分や大変な部分もあります。でも、そんな時は好きな音楽を聴いたり、ライブに行ったり、初めて自分がトランペットの音を出せた時のことを思い出したりしてモチベーションを上げています。音楽が好き!という気持ちさえあればどんな困難も乗り越えられます。

 

カルメラ

今後やっていきたいことは?

私たちの世代やもっと若い世代は、自分らしくあること、明確な目標や夢を持つことに対して消極的な人が多いような気がします。理由は様々だとは思いますが、学生時代のことを振り返ると「夢を見ても叶わない」「頑張っても無駄」というような漠然とした不安感が社会全 体にあったように感じます。でも、やはり夢は見ないと叶わないし、想いは強くあればあるほど周りを動かすほどの力になっていき不可能も可能になっていくと思うので、本気でやりたいと思うことがあるなら迷わず挑戦してほしいと思います。わたしはヨーロッパに行った経験を経て、私たち日本人にしかできないことがあると強く感じたので、若い世代の人たちにはもっと自信を持ってもらいたいんです。あなたにしかできないこと、あなたにしか伝えられないことが必ずあるはずです。だからわたしは音楽を通じて、たくさんの人に夢や希望を与えられるような人になりたいです。
わたしも以前は投げやりになったり、できる範囲のことをこなそうとしてしまう時がありました。でも、師匠であるYOKANさん(トランペッター、作・編曲家、音楽プロデューサー)に出会って考え方が変わりました。YOKANさんに「めんどくさいこと、やりたいと思わないことを率先してやりなさい。自分で選んだ道なんだからどんなことも楽しまなくちゃ損!」と言われて、今ではどんなことにも全身全霊をかけ、楽しみを見つけながら取り組むようになりました。

 

夢を叶えるためには何が重要?

やめないことです。ミュージシャンってやめたら終わりだと思うんです。続けてさえいれば夢が叶う可能性はありますが、やめてしまったら可能性はとたんに0%です。とにかくやめないことです。

 

音楽家として生きていきたい若者にメッセージをお願いします。

残念ながら楽器が上手いだけではミュージシャンという仕事は簡単に認められません。認められるためには、個性的であり、精神的に強くならなければいけないですし、まずは自分で自分のことを好きになることが大切だと思います。楽器の上達のための努力はもちろんですが、コミュニケーション能力を上げて、人として魅力的であることがとても重要な職業だと思います。女性は特に見た目や発言なども含めて自分を客観視してセルフプロデュースができないと難しい世界だと感じています。精神的に強く、外見にもより磨きをかけて美しくありたいですね。
若者よ、強くあれ☆ 音楽、楽しみましょう♪

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