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教えて! 楽器のこと アルトサックス編

Wind-i mini 30号

楽器初心者のための基礎知識を吹奏楽の第一線で活躍中のプレイヤーに聞いちゃうというこのコーナー。第3回目はアルトサックス編です。

 

田端直美

教えてくれたのは・・・
田端直美 Naomi Tabata

東京藝術大学を経て、同大学大学院を修了。第51回ジュネーヴ国際音楽コンクール、第2回アドルフ・サックス国際コンクール、セミファイナリスト。第16回日本管打楽器コンクール第4位。第12回大阪国際音楽コンクール、優秀指導者賞受賞。マイスターミュージックよりソロアルバムを2枚リリース。現在、Osaka Shion Wind Orchestra サクソフォン奏者。京都市立京都堀川音楽高等学校、徳島文理大学、同志社女子大学、各校非常勤講師。http://naomisax.exblog.jp/

 

初めて楽器に触れる人に伝えたいこと

1 楽器の組み立て方

初めて楽器に触れる人に伝えたいこと

マウスピース→ネック→本体→リード&リガチャー、の順番でつけると楽チンです。最初にリード&リガチャーを付けると、割ってしまったり曲げてしまったりすることがあるので注意! リードはマウスピースの先端とほぼ同じ高さにつけて、リガチャーはリードの削られてない部分に当たる位置で留めます。

2 お手入れ方法

練習後の水分を拭き取る作業は大事です。リードはマウスピースから外して水分を拭き取って、リードケースなど平らな面に押し当てて片付けます。そうしないと、先端が波々になって音が鳴りにくくなります。楽器本体にはスワブという紐のついた掃除布を通しますが、ネックにはSサイズ、本体にはサックス用のスワブを必ず“ 広げて”から通すことが大切です。広げずに縮こまったスワブを通すと、管内に詰まらせる危険大!
万が一詰まらせたら、スワブを紐状になるまでねじり上げ、引っこ抜きます。それでも抜けない場合は無理せず楽器店へ修理に出しましょう。孔をふさぐタンポは皮なので、水分を吸うと硬くなり息漏れして音が出にくくなりますから、クリーニングペーパーで水分を拭き取るのをお忘れなく。

3 構え方

構え方

まず左手親指をオクターブキィの下に置き、右手親指を下方フックに引っ掛けて楽器を支え、ストラップを本体へ引っ掛けて、マウスピースが無理せずくわえられる高さに調整します。
座奏での構え方はサイドとセンターどちらでもいいですが、私の場合、学生時代は制服がスカートだったのでサイドで構えていましたが、今は体に負担の少ないセンターで構えています。

 

音を出してみよう!

音を出してみよう!

1 アンブシュア=口周辺の使い方

マウスピース先端から1cm くらいのところに前歯を乗せて、下唇は軽く巻き込みます。マウスピースを包み込むイメージで、よく響くポイントを探してみましょう。マウスピースだけでA、B♭(ピアノでラ、シ♭)の鳴る噛み加減がちょうどよく、それより高い音しか出せないと音程が上ずりやすくなり、ヴィブラートが下向きにしかかからず音が緩む原因になります。いろんな音程が出せると便利なので、ピアノで出した音を真似して吹いてみて、どこまで出せるかチャレンジしてみましょう!

2 ブレスコントロール=息の使い方

深くブレスをとり、長い息をネックにまとめて通すイメージで吐きます。しっかりとまとまった息が必要ですが、息を吐こうと頑張ると、アンブシュアを締め付けやすいので注意が必要です。

3 音を出してみよう!

まずは出しやすい真ん中解放のド#、ド、シ、ラ、あたりから出してみましょう。

 

先輩と一緒にできる! 初心者にもやってほしい基礎練習

サックスは全音域34音(フラジオ除く)しかないので、週5日の練習なら1日2つ覚えれば1カ月ですべての運指をマスターできます!音によっては何種類か指使いがあるので、教則本やネットで調べて試してみましょう。以下、必須の基礎トレーニングです。

①音を長く伸ばす練習=ロングトーン:運動部でいう走り込みに匹敵する基礎体力づくりです。この練習の目的は、美しい音を流れに乗って立ち上げ、音楽的に持続できるようになることです。

②音階練習=スケール練習:運動部でいえば、ボールを使っての実践的なトレーニングに相当します。この練習の目的は、ロングトーンで養った美しい音で滑らかに、リズムに乗って、機械的でなく音楽的に演奏することです。

③舌つき練習=タンギング練習:リードの先のほうへ、舌先を“ トゥ” という感じでつきます。息をしっかり吐き続け、舌をついたときに、息の流れが舌によって妨げられないように注意することが大事です。舌は熱いものに触れたときのように、素早く動かしましょう。

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