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教えて! 楽器のこと ホルン編

Wind-i mini 32号

楽器初心者のための練習法や基礎知識などを、吹奏楽界の第一線で活躍するプレイヤーに訊くこのコーナー。今回はホルン奏者、堀 風翔さんに教えていただきました!

堀 風翔

教えてくれたのは・・・
堀 風翔 Fuka Hori

巣鴨高等学校卒業。武蔵野音楽大学器楽学科卒業。第1回日本ホルンコンクール第5位入賞。ホルンを須山芳博、丸山勉、室内楽をK. ベルケシュの各氏に師事。シュテファン・ドール、ブルーノ・シュナイダーの両氏のマスタークラスを受講。東京佼成ウインドオーケストラ楽団員。

 

例えば今あなたはロングトーンの練習をしています。ただ数秒間、音を出すだけならカンタンにできるはずです。しかし、自分がキレイだと思う発音でしたか? たまたま汚くなっただけですか?たまたまブレスが浅かっただけですか?
他にもたくさんの“たまたま”を見過ごしてしまってはいないでしょうか。常に今の自分ができる最高のパフォーマンスを目指しましょう!納得いかないなら、もう一度トライすればいいのです。

楽器初心者にやってほしい基礎練習

楽器を始めたばかりという人に、音域を広げるためのオススメマウスピース練習をご紹介します。

● マウスピースの先のほうを軽く持って口にあて、自分が一番楽に出せる基準の音を息が続く限り平坦に伸ばす。
● 基準の音からゆっくり滑らかに音程を上げていき、もうこれ以上音程が上がらないと思ったらまた基準の音にゆっくり戻る。

楽器初心者にやってほしい基礎練習

※ 必ず一息で行なえる速さで練習
※ 音程を変えている最中に息がピタッと止まったり、プスーっと息の音しかしなくなったら、基準の音に戻ってやり直し
初めは狭い幅でも良いので、しっかり音を鳴らしながら音程を変えられるようにしましょう。また、力任せにせず、息の太さを【高い音は細く、低い音は太くのイメージ】で意識しましょう。

たまにはマウスピースを持たずに練習するのも良いかもしれません。

● まず「お」の発声をします。次に「い」を発声します。
● 次は声を出さずに「お」と「い」です。口パクで「おい」です。
● 最後にゆっくり細く息を出しながら「お」から「い」にゆっくり滑らかに変化させてください。
そのときに口の中やアゴがどういった動きをしているか注目すると面白い発見があるかもしれませんね。

個人のレベルアップのための基礎練習

譜例2を1セットとして半音ずつ上げていき、最終的に開始音が第3間のF(ド)となります。
(C-dur(ハ長調)→ Des-dur(変ニ長調)→ D-dur(二長調)……E-dur(ホ長調)→ F-dur(ヘ長調))

個人のレベルアップのための基礎練習

この練習は無理に連続でやろうとせず、次の調性に移るときには必ず唇と頭の中をリフレッシュしてから始めてください。
レバーの操作、口の中の動き、アゴの動き、頭で歌っている音の切り替えなどのすべての動作をうまく連動させて、タイミングよく滑らかに次の音に移動することが重要です。

パート内でレベルアップを図るための基礎練習

とにかく一緒に同じことをやること、よく真似すること、音楽に興味を持ってよく観察することが大切です。

個人のレベルアップのための基礎練習
構え方

譜例3をご覧ください。バルブを使用しない練習方法です。この4つの山をまずはスラーで練習しましょう。
開始音を半音ずつ下げていき、最後はH-dur(ロ長調)になります。(運指は2、1、1,2、2,3、1,3、1,2,3と変えていきます)
音を変える時に息をフーフーと入れ直さないようにし、ロングトーンするときと同じように、息を出しっぱなしにする感覚で演奏するように心がけてください。

少し中間の音が入ってもいいのでポルタメントのように滑らかにスラーができるようにしましょう。このメニューは初心者でも運指が簡単なので、スタッカートなどでもぜひ練習してみてくださいね。また自分のレベルに合わせて難易度を調節できるので、積極的にチャレンジしてみましょう。

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