サックス記事

小林香織 レーベル移籍 第1弾「Be myself!」を語る

THE SAX vol.91 cover story

いまや女性プレイヤーという枠を超えて、また日本国内だけにとどまらない、幅広い人気を獲得している小林香織。デビューから13年を迎え、長年在籍してきたレーベルを移籍して2年ぶり通算12枚目のアルバムが届けられた。前作「MELODY」が全編カバーだったのに対して、今作は全曲オリジナル。さらにバックトラックは打ち込みを駆使したという心機一転の意欲作だ。完成の手応えを満面のカオリ・スマイルで語ってくれた。(文:山本美芽/協力:キングレコード株式会社)


 

サックスのような生楽器は、トラックを打ち込みにしたら、いい意味で非現実的でオシャレに聞こえる

――
2年ぶり、12枚目のアルバム「Be myself!」が完成しました。今回のコンセプトは?
小林
これまでは毎回チャレンジをしたり、何かに反抗しながら作ったりしていたんです。極力アドリブを入れないようにしようとか、既成のイメージを打ち破りたいとか。もともと私はマインドがロックなので(笑)。でも今回は、自然体で作ってみました。結果、打ち込み(プログラミング・サウンド)をあえて全面的に打ち出す方向になりました。
――
打ち込みについてはどんなスタンスなんですか?
小林
自宅の部屋で聴く音楽は「室内楽」で、ライブのように広い空間で聴く音楽とは別物なんじゃないかと最近特に感じています。仕事柄、ホテルに泊まることが多くて、ホテルの部屋で自分のアルバムで打ち込みを取り入れた曲を聴いたら、すごく馴染むんです。以前は生楽器に越したことはないと思っていた時期もあったのですが、サックスのような生楽器はトラックを打ち込みにしたら、いい意味で非現実的というかオシャレに聞こえるのでは? と思いまして。私はトラックメイカーではないのですが、自分で作るトラックが好きなのでトラックメイクにも積極的に取り組みました。打ち込みだけれど触ったら温かそうなイメージで。
――
全曲がオリジナルなんですね。
小林
前作がカバーアルバムでしたので、そこはこだわりました。曲作りをしてからリリースまで期間があったので、ライブで新曲をお披露目してからレコーディングしたものがいくつかあります。これまでライブでは、リリースしてから本格的に演奏ということが多かったので、私にとってはいつもと違う流れでしたが、そのおかげで、ライブを通してアレンジに反映できた部分もありますし、それはとてもいい流れでした。
――
作曲はどんなふうにしていますか?
小林
キーボードがつながったパソコンで、鍵盤を弾きながら曲づくりをしています。サックスで曲を作ると手癖が出てしまうので、アドリブとの区別がつかなくなってしまいそうな気がして、サックスではほとんど作ったことがありません。母がピアノの先生だったので、すごく小さいころからピアノにはご縁があり、鍵盤で弾くのは苦にならないんです。ただ、鍵盤だとシャープやフラットの多いキーは私にとって難しいので、CやGなどピアノの白鍵が多いキーで作ることが多いですね。そして打ち込んで、最後にサックスに合わせてキーを直します。いまは打ち込みで、キーの変更も簡単にできるので便利です。
――
最初からパソコンで曲作りをしているのですか?
小林
いえ、デビューしたころは手書きで譜面を書いていました。でも、レコード会社のプロデューサーに譜面だけお見せしてもどんな曲なのか全体像はつかめないし、デモ用に音源は作れたほうがいいねということになって、打ち込みを始めたんです。そこからずっと試行錯誤を重ねて今に至りますね。いまはライブのオープニングとエンディングのSEなども自分で作っています。
小林香織

プロフィール
小林香織
(こばやしかおり)
1981年、神奈川県生まれ東京育ち、母はピアノ教師、父は写真家。中学1年から吹奏楽部でフルートを、高校2年でアルトサックスを始め、原ひとみ氏に師事。2000年に洗足学園音楽大学ジャズコースに入学し、ボブ・ザング氏に師事。在学中より都内のライブハウス等で活動し、卒業後の2005年2月、ビクターエンタテインメントより「Solar」でメジャーデビュー。現在までにベストアルバムを含む12枚のアルバム、ライブDVD、譜面集2冊を発表。YouTubeにアップされた『Nothing's Gonna Change My Love For You』が世界中で多大なアクセス数を記録し新聞テレビで話題になり、アジアでの公演を行なう。2013年には台湾のサックスメーカーTK Melodyとの共同開発による小林香織モデルのサックスが発売される。2016年8月に発表した洋楽カバーアルバム「MELODY」では、魚類学者でタレントのさかなクンが参加したことで話題となる。現在、泉谷しげる、タケカワユキヒデらのライブサポートに加え、ジャンルを問わず様々なレコーディングにも参加する他、母校である洗足学園音楽大学ジャズコースの講師として後進の育成にも力を入れている。2018年9月26日キングレコードに移籍、その第一弾として全曲オリジナルのニューアルバム「Be myself!」を発表。
オフィシャルサイトhttp://kaorikobayashi.com/

 


Live Information

小林香織ニューアルバム「Be myself!」 リリースツアー
10月20日(土) 松山二番町LIVE & BAR風来坊(問合せ tel.089-934-6009 LIVE & BAR風来坊)
10月22日(月) 名古屋ボトムラインBL cafe( 問合せ tel.052-741-1620ボトムライン)
10月23日(火) 大阪Billboardlive Osaka(問合せ tel.06-6342-7722ビルボードライブ大阪)
11月2日(金) 東京 マウントレーニアホール(問合せ tel.03-3478-9999キャピタルヴィレッジ)
 

CD Information
7月25日(水)発売

「Be myself!」小林香織
初回限定盤(CD+DVD)【KICJ-90809】 ¥3,500(税抜)
通常盤(CD)【KICJ-809】 ¥3,000(税抜)

[曲目]Opening、Sky、Make Up、Sakura、Apartment、Seasons、Midnight Laundry、Woody、Smoke、Seaside Memories、Butterfly、Cosmic Love、Caribbean Rhythm、Ending
[演奏]小林香織(As,Ts,Fl,Prog)、内藤慎也/泉川貴広/大迫杏子/Satsy/野崎心平/TAZZ/松井優(Prog)、河野充生/高橋友輝(Bass)、江渡大悟(Guit)、海老原諒(El-Ds)

 

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次ページにインタビュー続く
・ニューヨークのゴスペルの香りがするトラックから、2018先端サウンドまで
・曲のイメージに合わせて3本のアルトサックスを吹き分けたレコーディング
・母校で教える生徒がきっかけになり、テナーと向き合う時間が増えた

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