「シーナリー」山﨑俊樹

千葉大学工学部在学中より自己のカルテットを率いて演奏活動を開始したジャズサックス奏者 山崎俊樹。都内のライブハウスを中心に精力的に活動していたが、2003年ごろを境に一旦休止、2015年から新しい自己カルテットにて本格的な活動を再開した。先に発表したアルバム「リトルトレイン」においても、自然の情景から得たインスピレーションを元に描き出したメロディの美しさと表現力の豊かさで高評価を得たが、今作ではピアニスト 中澤健とのデュオによるバラード中心のオリジナル曲12曲を収録。自身の人生における思い出や心に残った自然の風景を音楽に乗せ、叙情的なサウンドでその移ろいゆく様を歌い上げていく。残響が少なく、間近で演奏されているような息遣いも感じられ、ピアニストと呼吸でコンタクトを取りながらアンサンブルしているライブ感も楽しめる。