リコーダー記事

世界の偉大なるリコーダー奏者たち

Legendary Recorderist in the World│特別全文掲載

 

ダン・ラウリン

ダン・ラウリン(スウェーデン 1960-)

1960年にスウェーデンで生まれる。デンマークでリコーダーを学んだ後、オランダでララ・ヴィクとワルター・ファン・ハウヴェに師事する。1980年代末にはロンドンとパリでデビューを飾り、以後、国際的な活躍を遂げる。ルネサンス期からバロック期のバッハ、テレマンまでと幅広いレパートリーを持ち、その大胆でダイナミックでな超絶技巧で高い評価を受ける。ソリストとしての活動と平行して、近年はブレーメン音楽アカデミーで教授を務め、オーデンセのフューネン音楽アカデミーでも教鞭をとる。また、リコーダー演奏の表現力で現代作曲家たちを刺激し、多くの作品を献呈されている。

 

ワルター・ファン・ハウヴェ

ワルター・ファン・ハウヴェ(オランダ 1948-)

1948年にオランダのデルフトオランダで生まれる。リコーダーはデン・ハーグ王立音楽院でフランス・ブリュッヘンに学んだ。ソリストとしてだけではなく「クワドロ・オットテール」(1969年〜)、「リトル・コンソート」(1979年〜)のメンバーとしても多彩な活動を行なってきた。その活動は古楽にとどまらず、現代の作品や即興演奏にもおよび、特にブリュッヘンやケース・ブッケと共に始めた実験的アンサンブル「サワー・クリーム」(1971年〜)は、その斬新な演奏により議論を巻き起こした。これらの演奏活動および1971年より在職したアムステルダム音楽院での教育活動は、3巻からなる「現代リコーダー教本」を生み出すことになる。

 

ケース・ブッケ

ケース・ブッケ(オランダ 1950-)

1950年にオランダのアムステルダムで生まれる。ハーグ王立音楽院でフランス・ブリュッヘンにリコーダーを、アンナー・ビルスマにチェロを学ぶ。卒業後にアンサンブル「クアドロ・オトテール」を創設する。長年にわたり「シンタグマ・ムジクム」で活動し、「サワークリーム」、「リトル・コンソート・アムステルダム」、「マーラ・プニカ」の創設にも携わる。1970年よりハーグ王立音楽院、1975年よりアムステルダム音楽院、1990年よりチューリヒ芸術大学、トロシゲン音楽大学で教鞭を執る。これまでに70タイトル以上のレコード・CDをリリースし、2003年には自身のレーベル、オリーブ・ミュージックを設立した。

 

ミハエル・シュナイダー

ミハエル・シュナイダー(ドイツ 1953-)

1953年にドイツのノードホルンで生まれる。ケルン国立音楽大学にて、リコーダー、フルートおよびチェロを学び卒業。並行してワルター・ファン・ハウヴェに師事して研鑽を積む。1978年ドイツARDのコンクールにてリコーダー部門で優勝を果たした。1980年に26歳でベルリン国立音楽大学のリコーダー科の教授に就任。1983年からフランクフルト国立音楽大学のリコーダー科の教授および学部長を務めた。1988年にはオーケストラ「ラ・スタジョーネ・フランクフルト」を設立。これまでにヴィヴァルディ、テレマン、ヘンデル、サマルティーニ、バルサンティ、デュパール等を100枚以上のCDに録音している。

 

エリック・ボスグラーフ

エリック・ボスグラーフ(オランダ 1980-)

1980年にオランダのドラハテンで生まれる。2006年にユトレヒト大学で修士号を取得。同年にヤーコプ・ファン・エイクの「笛の楽園」を収録した3枚のCDが国際的な飛躍に繋がった。ヘンデルとテレマンそれぞれのリコーダー・ソナタ全曲、テレマンとヴィヴァルディの協奏曲、自身によるバッハの協奏曲の編曲もCDとして発表している。ソリストとしては、ダラス交響楽団、ハーグ・レジデンティ管弦楽団、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団、オランダ室内管弦楽団、ヘルシンキ・バロック・オーケストラ、他と共演。アムステルダム音楽院のリコーダー教授、ポーランドのクラクフ音楽アカデミー客員教授も務めている。

 

ルーシー・ホルシュ

ルーシー・ホルシュ(オランダ 1999-)

1999年にオランダのアムステルダムで生まれる。5歳よりリコーダーを始め、12歳からスヴェーリンク音楽院でワルター・ファン・ハウヴェに師事する。多くのコンクールで優勝を飾り「天才リコーダー少女」と話題になり、2015年にはコンセルトヘボウ・ヤングタレント賞を受賞。17歳の時にデッカ・クラシックとリコーダー奏者としては初となる専属契約を結んだ。共演したオーケストラには、すでにオランダ放送フィル、ロサンゼルス室内管弦楽団、マニトバ室内管弦楽団、アーネム・フィルハーモニー管弦楽団などがある。2019年には権威ある音楽賞Opus Klassikをパーヴォ・ヤルヴィ(Cond)、エマニュエル・パユ(Fl)、ラン・ラン(Pf)らと並ぶ最年少で受賞。

 

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