楽器の微細な振動を逃がさない、高い工作精度を実現

SaxサムフックReso Holder完成！

2016-10-21

従来のサムフック・ブッシュは、単に可動式サムフックを固定するための一部品として見られていました。そのため多くのメーカーでは量産品の安価なパーツが採用されていましたが、それは楽器の部品として十分な精度とは言えず、ブッシュとスクリューなどパーツ同士の隙間で生じるガタつきによって楽器の響きを損なっていました。サムフックReso Holderは、日本の職人が手作業でひとつひとつ削り出すことで、パーツ同士が吸い付くような高い精度（切削誤差5/100ミリ以内）を実現しています。これにより管体の振動を逃さず、響きがより豊かになるほか、音の立ち上がりが改善され、アーティキュレーションの反応がよくなります。

▼ヤマハ用

▼セルマー用

真鍮×洋銀の組み合わせは全部で８通り！
素材の組み合わせからアナタ好みで選べる音色の変化。

数ある素材の中からこのパーツのために選んだのは、管楽器の素材として最適な響きを持つ真鍮と洋銀でした。スクリューは“真鍮”と“洋銀”の２種をご用意。ブッシュは、開発テストの結果、真鍮と洋銀が占める割合やパーツの組み合わせにより音色の変化が生じることが確認されたため、“総真鍮”、“総洋銀”、“真鍮×small洋銀”、“洋銀×small真鍮”の４種をラインナップしました。また、スクリューとブッシュの組み合わせによって、８通りの音色が選べます。
※スクリュー単体での別売もございます。

あなたの好みはどっち？？

真鍮と洋銀の割合に伴って音色がグラデーションのように変わります。
取り付けるサムフックの素材や形状によっても音色は大きく変わります。

《ジャズサイド》

総真鍮

真鍮×small洋銀

洋銀×small真鍮

総洋銀

チャーリー・パーカー、キャノンボール・アダレイを彷彿とさせる野太い中低音

ジョン・コルトレーンを想起させるキラキラとした高次倍音豊かな中高音

《クラシックサイド》

総真鍮

真鍮×small洋銀

洋銀×small真鍮

総洋銀

響きに奥行きのある、内側から溢れ出すような密度ある中低音

スムーズに吹き抜ける、伸びのある中高音

編集部が試してみました！試奏Impression

【ブッシュ×スクリューの組み合わせ】

■■■ ブッシュ《総真鍮》、スクリュー《真鍮》
管体自体の反応がよくなり、中低音の太さが際立つ。真鍮らしい中低音のふくよかさと、自分の手前で踏ん張りが効くような適度な重さ、柔軟な手応えを感じる。ジャズ・セッティングで使用した場合は全音域にカラッとした上質なバズが乗り、オールドの楽器を試奏しているような感覚に近づく。クラシック・セッティングでは、中低音の輪郭がハッキリとし、弦楽器のようなサラッとした手触りの豊かな響きが感じられる。

■■■ ブッシュ《真鍮×small洋銀》、スクリュー《真鍮》
真鍮の中低音の豊かさに洋銀の持つ高音域の伸びを少し加えたような印象。キラキラとした成分は少ないが、真鍮の豊かな響きと洋白の伸びのあるマイルドな音が楽しめる。総真鍮製では少し野太いと感じる方や、中高音にマイルドな音の艶や伸びが欲しい人に向いている。

■■■ ブッシュ《洋銀×small真鍮》、スクリュー《洋銀》
よく通る洋銀の艶やかさと高次倍音のキラキラ感に、真鍮が少し響きの芯を作ってくれる印象。総洋銀製では響きすぎると感じる場合、または高音が強く感じる場合は、こちらが向くかもしれない。よく響くが音が開きすぎることなくまとまりも感じられる。澄んだ音でまとまりもあり、クラシックにも好適だろう。

■■■ ブッシュ《総洋銀》、スクリュー《洋銀》
スムーズな息の入りと、キラキラとした高次倍音に特徴のあるよく響く音。楽器の音が前に出るような感覚は真鍮とは異なる魅力を感じる。ジャズ・セッティングではメタルマウスピースを使ったような倍音が乗り、艶やかでよく通る音になる。クラシック・セッティングでは雑味の少ない透き通った音に感じる。リードは一段階軽くなった印象。低音域では総真鍮製と比べてボリューム感は少ないものの、よりクリアな音が楽しめる。

【取り付け方法】

SaxサムフックReso Holderを取り付けるときは、マイナスドライバーは使わず、1円や10円硬貨を使用するとより安全に取り付けることができます。ただし、セルマー用の純正パーツは溝が狭いため硬貨は入りません。取り外しの際には、サイズの合ったマイナスドライバーをお使いください。セルマー用Reso Holderの取り付けは硬貨の使用をオススメします。

ヤマハの楽器の純正ねじは、1円や10円硬貨で外せます。セルマーの楽器の純正ねじは、サイズの合ったドライバーを使って外しましょう。
サイズの小さいドライバーを使用すると溝に傷が付きやすいので止めましょう。ヤマハの楽器は、硬貨で取り外すのがオススメです。

現状取り付けられているサムフックを取り外す際、サイズの合わない（小さい）マイナスドライバーを使用すると、ねじ上部マイナスの溝を傷つける恐れがございますので、十分ご注意ください。また、力を入れすぎてドライバー先端で楽器を傷つけないよう十分ご注意ください
ねじ部分が錆や古くなったグリス等で固着している場合がございます。そういった場合、無理をして楽器本体を傷つけたり、ねじ山を潰してしまう等が考えられます。ご自身での取り外し、取り付けに自身がない場合は、リペアマンに依頼することをオススメいたします。