サックス記事 初の来日リーダー公演が実現した 21世紀ジャズ・サックスの旗頭
  サックス記事 初の来日リーダー公演が実現した 21世紀ジャズ・サックスの旗頭
[1ページ目│記事トップ]
THE SAX vol.126 Interview┃WalterSmithⅢ ウォルター・スミス3世

初の来日リーダー公演が実現した 21世紀ジャズ・サックスの旗頭

ARTIST
「Twio Vol.2」
(Blue Note 881-3796)

2006年のデビュー以降、マリア・シュナイダーやロバート・グラスパー、ジェイソン・モランら数多くのアーティストと共演。21世紀ジャズ・サックスの旗頭と目されているウォルター・スミス3世が、今年3月に発表した最新アルバム「TwioVol.2」を携え、そのコア・メンバーであるジョー・サンダース (Bass)&ケンドリック・スコット(Ds)とともに7月に来日。ピアノレス・トリオによるスタンダード演奏の表現領域を拡大したアルバムの世界を存分に披露した。公演中のコットンクラブでインタビューが実現。同アルバムのコンセプトや音楽的バックグラウンドなどについて聞いてみた。
(インタビュー・文:早田和音/取材協力:丸の内コットンクラブ)

 

スタンダード曲は演奏するたびに新たな発見をすることができる

―
今年3月に、最新作「TwioⅡ」をリリースされました。2018年発表の「Twio」というアルバムと対を成す作品だと思うのですが、この両作品のコンセプトについてお話しいただけますか?
ウォルター・スミス3世(以下WS)
シンプルな答えになってしまいますが、スタンダードを演奏することです。私たちジャズ・ミュージシャンにとって、自分たちを培ってくれたスタンダード曲を演奏することは大きな意味を持っています。ですが近年、私たちが行なう演奏の多くはオリジナル曲が主流となっており、それは私自身も例外ではありません。時には12ページにも及ぶ長尺の譜面。そこには多くの場合、拍子や調の変化も盛り込まれています。それは、新たな音楽を生み出すことでもありますし、私も大好きです。ですが、スタンダード曲には、非常にたくさんの楽曲があり、演奏するたびに新たな発見をすることができます。複雑な打ち合わせや綿密なサウンドチェックという日々から解放された世界の中で、互いの音を聴き合いながらただ演奏する。そういう音楽の発表の場を作りたいというのがTwioプロジェクトのコンセプトです。
―
両作とも、ベースとドラムだけを伴ったピアノレス・トリオを中心とした演奏が収められていますが、この編成の魅力は?
WS
演奏の自由度が高いという点です。人数が少なければ少ないほど演奏に対する制約が減りますし、またハーモニーに関する支配力の強いピアノを外すことによって自由度が高まります。特にスタンダード曲の場合は、ピアノのようなコード楽器を外しても、コードの存在を感じ取ることができますから、その中で互いの音を聴き合い流れを感じ取っていけば、自由に演奏を進めることができます。そこから新しい何かを生み出そうと思ったのです。
 

次ページにインタビュー続く
・ブランフォード、ジョシュア、ギャレット、ターナーの4人がビッグ4
・時間で区切る練習を辞めて、とにかく自分のものにするまでやろう

 
 
登場するアーティスト
画像

ウォルター・スミス3世
Walter SmithⅢ

1980年テキサス州ヒューストン生まれ。ヒューストン芸術高校〜バークリー音楽大学卒。2006年、ロバート・グラスパー(Pf)、アンブローズ・アキンムシーレ(Tp)、アーロン・パークス(Pf)、ケンドリック・スコット(Ds)、グレッチェン・パーラト(Vo)他、当時は新進気鋭の若手メンバーたちが参加したFresh Soundからのデビューアルバム「Casually Introducing」をリリース。その後も「Live in Paris」(2009)、翌年クリスクロスからリリースした「Ⅲ」(2010)はiTunesでベストセラートップ10入りを果たす。2014年には「still casual」をリリース。その続編とも言える「return to casual」(2023)でブルーノート・レーベルへ移籍。最新作はブルーノート3作目となる「Twio Vol.2」。

[CLUB MEMBER ACCESS]

この記事の続きはCLUB会員限定です。
メンバーの方はログインしてください。
有料会員になるとすべてお読みいただけます。

1   |   2      次へ>      


サックス