THE SAX 71号 特集1

国内サックス人物相関図

戦後70年という節目の年にあたる今年2015年。本誌は前号で記念すべき70号めを迎えた。 そこに不思議な縁を感じて企画したのが、前号と今号2回に亘ってお届けする特集「躍動するサックス史70年」。 前編であるvol.70では黎明期の国内サックス事情を中心に振り返ってみたが、後編vol.71では1980年代以降のスター奏者や楽器の発展にフォーカスして、 日本のサックス界が歩んだ70年の道のりを辿った。

 

国内クラシック・サックス人物相関図

現在では各世代で花形スター奏者がひしめき合い、強固なシーンを形成している国内クラシック・サックス界。 まずは、今に至るまでの奏者の系統を辿った。そして、そこには意外な師弟関係や知られざる横のつながりなどが実は隠れている。

■師弟関係と四重奏団でみた日本のクラシック・サックス樹形図
日本のクラシック・サクソフォン史上、主要と思われる教育者、四重奏団(アカデミアSQ、キャトル・ロゾー、東京SE、トルヴェールQ、アルモSQ、クローバーSQ)のメンバー、日本管打楽器コンクール・サクソフォン部門の優勝者、主要国際コンクールの入賞者を中心とするサクソフォン奏者を、図中に盛り込んでいる。ここには阪口新、大室勇一、冨岡和男、須川展也の四者を中心とした師弟関係が構成されている。

 

国内ジャズ・サックス人物相関図

太平洋戦争の最中には「敵性音楽」として演奏することも鑑賞することも禁じられていたジャズ。 戦後、それが解放されると日本のジャズ文化は一気に花開いていった。vol.71ではジャズから派生してポップスにまで広がる 様々なジャンルで活躍してきた人気サックス奏者の変遷を系統図で辿った。

■時代とサウンド・スタイルでみた日本のジャズ・サックス系統図
第2次世界大戦後、日本にアメリカ文化がなだれ込んできた頃、スターになったサックス奏者、松本英彦、原信夫らを起点に、1961年にソロ・デビューを果たした渡辺貞夫、それに続く次世代のサックス奏者たち、また1970年代後半に大ブームとなった「フュージョン」シーンから登場してきた清水靖晃、本多俊之など。一方で1960年代後半に大きな支特を得たフリージャズで活躍した阿部薫、中村誠一、坂田明、林栄一や、Rock,Popsシーン、CLUBジャズシーンまで、日本ジャズサックス史の大きな流れを掴むことが出来る。

 

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