サックス記事 昭和歌謡はリズムの“待ち”が大事です
  サックス記事 昭和歌謡はリズムの“待ち”が大事です
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模範演奏プレイヤー 山﨑ユリエインタビュー

昭和歌謡はリズムの“待ち”が大事です

MUSIC

今回もダウンロード形式でお届けする誌面連動の付録音源。本号では時代を超えて愛される昭和の名曲を集めてみた。模範演奏とカラオケ音源もダウンロードで配布しているので、次のページから始まる楽譜とアナリーゼを使ってぜひマスターしてさまざまな機会に披露してほしい。
模範演奏、演奏解説、そして採譜をしてくれたのは、日本人離れしたグルーヴ感と歌心溢れるサックス・プレイでファンを魅了する人気サックスプレイヤー山﨑ユリエさん。本誌114号以来2回目の登場で、今回のレコーディングについてやプロ奏者としてのこれまでの歩みについて語ってもらった。
(インタビュー・文:ねじ助/写真:安田まどか)


 

●PROFILE
山﨑ユリエ(やまざき ゆりえ)

静岡県袋井市出身。4歳からクラシックピアノを始め、名古屋芸術大学にピアノで入学するも、入学後目にしたビッグバンドに魅了され翌年ジャズ・ポップス・コースに転科。サックスを本格的に始める。2012年単身渡米。ロサンゼルスの数々のライブハウスや教会、セッションを回り武者修行に励む。2014年 東京へ拠点を移しプロとしてのキャリアをスタート。SAX Magazineの「歌モノサックスコンテスト」で準グランプリ受賞。2018年1stミニ・アルバム『Spirit』をリリース。自身のライブや楽曲制作、ライブ・サポート、レコーディング、レッスン業等幅広く活動中。ブラック・ミュージックを自らの核に、グルーブと歌心で熱くアプローチするサックス・プレイヤー。

 

ピアノからサックスへ転向。そしてプロ奏者に

先日投稿された『Nothing's Gonna Change My Love for You』が、すでに1万回再生を超えるなど、YouTubeチャンネルの反響が大きいですね。
山﨑ユリエ
ありがとうございます。チャンネルは昨年9月に始めましたが、『Nothing's Gonna Change My Love for You』は8ヶ月ぶりの投稿です。本当はもっとアップしたいのですが、なかなか定期的にできなくて。もともとPanasonicのLUMIXのWeb広告でご一緒した撮影チームの方々と、「音も映像もこだわって一本ずつ楽しもう」と始めた企画なので、作品ごとに丁寧に取り組んでいます。
ライブではあまり演奏しない洋楽や邦楽のカバーにも挑戦し、観てくださる方に楽しんでいただける内容にしていきたいと思っています。
山﨑さんはもともとクラシックピアノで名古屋芸術大学に入学されたとのことですが、サックスとの出会いと奏者の道を歩まれたきっかけを教えてください。
山﨑
高校では吹奏楽部でテナーサックスを担当していましたが、自分の楽器ではなかったこともあり、あまり熱心には取り組めませんでした。
ピアノで名古屋芸大に進学し、新歓でビッグバンドやコンボの演奏を聴いたときに、「なんてかっこいいんだ! 自分もあんなふうに吹いてみたい」と強く惹かれ、副科でサックスを履修してビッグバンドサークルに入りました。入学した年の4年生の代からジャズ科が新設されていたこともあって、野々田万照先生に学べる環境にも恵まれました。先輩から譲ってもらったヤマハのサックスでレッスンに通ううちに、ますますサックスにのめり込み、ピアノの練習が手につかなくなりました。
ピアノの先生はとても厳しい方でしたが、1年の終わりに「サックスに進みたいので、ピアノをやめます」と伝えると、「頑張りなさい」と背中を押してくださいました。
その言葉をきっかけに、大学2年からジャズ・ポップ科に編入し、本格的にサックスの道へ進みました。
名古屋芸大を卒業後、サックスの修行で渡米され、アメリカで出会った憧れのミュージシャン方と2ndアルバム「Sunshine on You」(2023年)を制作されたそうですね。渡米に至るまでのことやアルバム制作に至るまでの経緯について聞かせてください。
山﨑
大学4年のとき本間将人さんのライブを見て憧れ、その場でレッスンを申し込み、東京へ通いレッスンを受けていました。本間さんがドリカムのツアーでニューヨークへ行かれるタイミングに合わせて、アメリカ留学を考えておられた他の生徒さん方に同行させていただく形で、アメリカへ行くことになったんです。初の海外経験でもあったので音楽はもちろん何もかもが刺激的でした。その後改めてもう少し長期でアメリカへ行きたいという考えが膨らみ「自分の好きなテイストはロサンゼルスにある」と感じて、3ヶ月ほど滞在しました。ジャムセッションやライブハウス、チャーチなどを周り、朝から晩まで音楽に没頭できたのは貴重な時間でした。
ロサンゼルスではジャムセッションを通して多くの世界的ミュージシャンの方々と出会い、「いつか彼らに参加していただき、作品を作りたい」と強く思い帰国しました。
コロナ禍でライブ演奏のすべてが止まってしまった中で、“挑戦するなら今だ!”という気持ちが込み上げてきてクラウドファンディングで多くの方のお力をお借りして形に出来たのが「Sunshine on You」です。
現地でお世話になった、スティーヴィー・ワンダーのツアーギタリストなどでも活躍される中村陽平さんにプロデュースをお願いし、ピアノのドミニクさんを除くメンバーは、当時通っていたセッションのホストメンバーでもあるスーパースター達です。録音は各奏者がデータをリレー形式でつなぐ方法で進めましたが、丁寧に作り込めました。いつか全員で集まって、ライブ感のあるアルバムを作りたいと思っています。

>>次のページへ続く
・ロングトーンは毎日のルーティン
・波のような感覚を感じ取る


【収録楽曲・掲載楽譜】
[E♭譜]『渚のシンドバッド』[1977年](ピンク・レディー)
[E♭譜]『大空と大地の中で』[1977年](松山千春)
[E♭譜]『SWEET MEMORIES』[1983年](松田聖子)
[E♭譜]『つぐない』[1984年](テレサ・テン)
[E♭譜]『輝きながら…』[1987年](徳永英明)※定期購読者特典ボーナストラック


 
 

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山﨑ユリエさんが演奏する『渚のシンドバッド』『大空と大地の中で』『SWEET MEMORIES』『つぐない』演奏とカラオケ音源がダウンロードできる
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