サックス記事 渡辺貞夫、音楽活動60周年。
─Talking about my sax story │日本のジャズシーン、その軌跡─

渡辺貞夫、音楽活動60周年。

記念すべきTHE SAX vol.50の表紙、そして巻頭特集でも取り上げているのが、日本のジャズシーンが生んだ最大のスターであり、世界にその名を轟かせる渡辺貞夫だ。音楽活動60周年を迎え、その記念としてニューアルバム「カム・トゥディ」をリリースしたばかり。今年はリーダーアルバム発表から50周年のメモリアルイヤーでもある。本誌にとっては創刊号、vol.6に次いで3度目のカヴァー、50thを迎える記念すべき号としての登場となった。

今回の特集のため、2度に渡って行なった異例のロングインタビューでは、”今”を詰め込んだニューアルバムのことはもちろん、自身のこれまでの音楽活動を振り返えりながら、氏が見てきた世界に迫る。さらに愛用したサックスの変遷と、CDアルバムのすべてを紹介するなど、これまでにないほど充実した渡辺貞夫大特集というカタチになった。

1stインタビューの「Talk About New Release」では新譜「カム・トゥディ」を語り、2ndインタビューの「Talk About Own History」ではサックスとの出会いから今日までの歩みを聞いた。その中で渡辺貞夫は、秋吉敏子(pf)から勧められてバークリー音楽院に留学したこと、留学先のアメリカでゲイリー・マクファーランド(Vib,Mrb)に出会えたこと、さらにはアフリカ音楽を体験したことが、その後の音楽人生に大きな影響を与えたと言う。

さらに、3rdインタビューの「Talk About My Sax」では、少年時代にサックスを買うため、父親の仕事場から余った銅線を拾い集めて売り歩いたことや、10代後半のときに4万円もするキングのゼファーを購入したことで警視庁に呼ばれたことなど、貴重なエピソードが数多く語られている。

ほかにも “世界のナベサダ”が長きにわたり日本のジャズ界、音楽界、そしてエンターテインメント界を牽引してきた証しとなる、「Album Discography全集」や「業界関係者からのお祝いメッセージ・エピソード」も掲載。この特集を読み進めると、渡辺貞夫が誰からも愛されていること、サックスやジャズを越えた世界観がわかるだろう。貞夫氏の現在見ているジャズを堪能いただきたい。

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