THE SAX vol.101

How to play LEE KONITZ 奏法解説

モダンジャズ黎明期から70年以上に渡る長いキャリアの中で、独自の演奏スタイルで数々の巨匠との共演や、名盤を世に送り出してきたリー・コニッツ。リック(定型フレーズ)を排し、瞬く間のインプロヴィゼーションに全神経を集中させるかの氏の演奏は、サックス奏者のみならず多くのジャズ演奏家に影響を与えた。
ここでは、真のインプロバイザーとしてコニッツを最も好きなプレイヤーとリスペクトする新進気鋭のアルトプレイヤー中山拓海と、プロサックス奏者としてNYでの演奏活動中にコニッツに師事し、コニッツの演奏に深く探求を行なって来たベテランアルトプレイヤー大森明の両氏にリー・コニッツの演奏解説を行なってもらった。
鋭く瞬くようなインプロで迫る初期時代のコニッツを、ジャズ評論家として高名なヨアヒム・E.ベーレント氏は「アブストラック・コニッツ」と評していたが、まさにそんなコニッツの神がかった演奏を堪能できるアルバム「conception」より、1951年録音の『Ezz-Thetic』のテーマと、1コーラスのアドリブ部分を大森氏に。マーシャル・ブラウン(Tb)、エルヴィン・ジョーンズ(Ds)といった面子で、鍵盤楽器のコード伴奏から解放され全編デュエットでインプロを追求。
アドリブも音色も柔軟かつウォームになった1960年代のアルバム「Duets」より『バーベキュー料理で踊ろう』の演奏を中山氏にそれぞれ解説いただいた。

登場するアーティスト
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中山拓海
Takumi Nakayama

1992年 静岡県富士市に生まれる。5歳よりピアノを学び、12歳の時サックスとジャズに出会う。13歳より石森管楽器店にて山中良之氏に師事。'11年 国立音楽大学ジャズ専修1期生として入学。大学にて池田篤氏、クラシックサックスを雲井雅人氏に師事。 12年度〜14年度、早稲田大学ハイソサエティーオーケストラにてリードアルトサックスを務める。第44回山野ビッグバンドジャズコンテストにて最優秀を受賞、第18回太田市大学ジャズフェスティバルにて優勝、同大会2連覇を達成'14年 飛鳥Ⅱクルーズコンサートにて小曽根真氏と共演。第45回山野ビッグバンドコンテストにて最優秀を受賞。同大会にて個人として最優秀ソリスト賞を受賞。第19回太田市大学ジャズフェスティバルにて優勝、3連覇を達成'15年 3月 国立音楽大学を主席卒業、矢田部賞を受賞。日本と東南アジア各国でのオーディション審査を経て「日本、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、マレーシア」から選ばれた28名の意欲に溢れた。若手ミュージシャンたちにより編成された多国籍ジャズ・オーケストラ”Asian Youth Jazz Orchestra”(AYJO)のコンサートマスターを務め、ASEAN5ヶ国と日本にてコンサートツアーを行なう。また1990年代生まれのジャズミュージシャンを中心とした音楽ムーブメントJAZZ SUMMIT TOKYOのディレクターを務め若手ジャズシーンを牽引する。'17年ジャズ雑誌"JAZZ JAPAN"の"2010年代に頭角を現した新鋭アーティスト60"に選出される。現在は学習院大学スカイサウンズ・オーケストラの講師も務めている。2019年「たくみの悪巧み」でメジャー・デビュー。

登場するアーティスト
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大森明
Akira Omori

1949年生まれ、福岡県出身。高校時代よりプロ活動を開始。その後、国立音楽大学、バークリー音楽院に学び、在学中からソロイストとして活躍。卒業後8年間のニューヨーク滞在中チャーリー・ミンガスのレコーディング「Me Myself An Eye」「Somethin’ Like A Bird」に参加。1979年、1982年のニューポートジャズフェスティバルへの出演を初め、数多くのミュージシャンとの共演を通して本格派ジャズメンとしてのスピリットを学ぶ。83年バリー・ハリス、ロン・カーター、リロイ・ウイリアムスをバックに初リーダー作「To Be Young And Foolish」を発表。84年帰国後「Back To The Wood」ではレイ・ブライアントを、「Trust In Blue」では、エルヴィン・ジョーンズをフィーチャー、2001年発表の中牟礼貞則氏をフィーチャーした「PRIMEMOMENTS」は「スイングジャーナル」誌のジャズディスク大賞にノミネートされる等、専門家筋の間でも高い評価を受けている。2006年、New York 録音作「Recurrence」、2009年、前田憲男氏との「Matin’ Time」、2015年、Hod O’Brien との「ManhattanSuite」と、常にハイクオリティーなストレートJazz を追求し続ける。教則本の制作も手がけ2005年、新刊著書「実践、Jazz Adlibシリーズ」が出版され、現在もThe Sax誌に自己の連載コーナーを持ち若手の育成にも力を注いでいる。

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