サックス記事 グローヴァーの系譜を継ぐポップ·インストゥルメンタルの雄 ボニー・ジェイムス
THE SAX vol.98 Interview

グローヴァーの系譜を継ぐポップ·インストゥルメンタルの雄 ボニー・ジェイムス

Boney James ボニー・ジェイムス

全米ジャズ・アルバム・チャートを6度制覇し、R&Bアルバム・チャートにも2度ランクイン、さらにグラミー賞にも4度ノミネートという輝かしい実績を持つポップ・インストゥルメンタルの雄ボニー・ジェイムス。スムース・ジャズの代名詞的アーティストとしてもお馴染みの彼が、ビルボードライブ東京とビルボードライブ大阪に初登場した。本誌では意外にも初インタビューとなる彼に、じっくりと話を聞いた。
(インタビュー・文:熊谷美広 / 協力:ビルボードライブ東京)

Boney James ボニー・ジェイムス
 

R&Bスタイルによるサックスの伝統を僕はいま引き継いでいる

まず、ボニーさんがサックスを始めたきっかけを聞かせてください。
ボニー・ジェイムス
(以下 BJ)
僕が入学した小学校が音楽教育にも熱心で、みんないろいろな楽器をやっていたんだ。最初はトランペットがやりたかったんだけど、楽器屋さんに買いに行ったらクラリネットしか売ってなくて、しかたなくクラリネットを買って帰った(笑)。でも学校でクラリネットを吹いている人がいっぱいいたので、先生に「サックスをやってみないか」って言われたんだ。でもサックスって楽器ケースが大きくて、家に持って帰るのがたいへんだから、やりたくないなって思っていたんだけど......。10歳の頃に学校で “ステージ・バンド” というハイスクールのバンドのライブがあったんだ。エレクトリック・ギターを弾いたりして、すごくカッコいいと思ったんだけど、先生が「サックスを演奏したら、このステージ・バンドみたいなライブができるよ」って言われて、やる気になった(笑)
当時いちばん聴いたサックス奏者って、誰でしたか?
BJ
グローヴァー・ワシントンJr. だね。14歳の頃に彼の「ミスター・マジック」というアルバムが出て、それが初めて聴いた R&B スタイルによるサックスの音楽だった。だから僕は今その伝統を引き継いでいるのかなって思う。
あなたがテナー、アルト、ソプラノと3種類のサックスを使っているのも、グローヴァーの影響ですか?
BJ
そうだね。彼みたいに、サックスを自分の声として歌いたかったんだ。でも自分のメインの楽器はテナーだと思っている。

 

プロフィール
Boney Jmaes(ボニー・ジェイムス)

1961年9月1日マサチューセッツ州ローウェル出身。大学卒業後にプロとしての活動を開始し、ボビー・コールドウェルのサポート・メンバーとして注目を集める。1992年にリリースした初リーダー作「Trust」がビルボード誌のコンテンポラリー・ジャズ・チャートで8位を記録して一気にブレイク。その後もファンキーなライブとポップなサウンドが人気を呼び、アルバムがすべてヒットを記録、押しも押されもせぬトップ・サックス奏者となった。

CD Information

ボニー・ジェイムス「Honestly」


「Honestly」
【CRE-00560】輸入盤
Concord

[収録曲]Kicks、Tick Tock、On the Prowl、Low and Slow、Honestly、We Came to Party、Speak Easy、Skylark、If I Can'tHold You、Up All Night

[演奏]ボニー・ジェイムス(Ts,Ss,Key,Prog)、ダレル・スミス(Key)、スミティ・スミス(Bass)、オマリー・ウィリアムス(Ds)、レニー・カストロ(Perc)、ゲイリー・グラント(Tp)、ビル・レイチェンバッハ(Tb)他

 


次ページにインタビュー続く
・タイトルどおり純粋でハッピーになれる曲が多い「Honestly」
・最近よく聴くのは1930~40年代のビッグバンド系のスタンダード

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