サックス記事

サックス名曲!アンサンブル道場 │第4回

THE SAX vol.105

7回アドルフ・サックス国際コンクール第1位を受賞し、国内外で活躍の場を広げているサクソフォニスト 齊藤健太氏と、室内楽奏者として絶大な信頼を得ているAKI マツモト氏による新連載「サックス名曲! アンサンブル道場」がTHE SAX vol.102より始まりました。

この連載の特徴は、サックス奏者からの目線にプラスしてピアニストからのアドバイスも掲載していること。またこの連載を動画で、演奏を交えながらYouTubeで配信してくれることです。
クラシックの楽曲の中で超定番と言われる楽曲を取り上げていきます。

そして、THE SAX vol.104からの特典として本誌をご購入いただいた皆様は、
ピアノ伴奏音源がダウンロード可能に
(一部定期会員のみダウンロード可)
しかもこの連載で担当してくれている、AKIマツモトさんが伴奏を収録してくれました。
vol.105では本連載第1回に掲載したイベール『コンチェルティーノ・ダ・カメラ』のピアノ伴奏が、定期会員限定でダウンロードできます。

★【THE SAX105号連動】音源ダウンロードはこちらから
音源ダウンロードのご案内

さて、第4回はクロード・パスカルの『ソナチネ』です。
比較的短く聴きやすいのですが、構成感をきちんと表現してこの曲の魅力を最大限引き出すのはかなり難しいですよね。

齊藤さん、AKIマツモトさんは今回も丁寧にわかりやすく解説してくれました。

例えば……

齊藤   この曲では、付点と3連符の2 つの違ったリズムが交互に出てきます。ここで大切にしたいのが、それぞれのリズムのキャラクターをしっかり出すこと。リズムそのものが持っている性格として、付点のリズムはカッチリと、3連符のリズムは少しルーズでふわっとしたキャラクター、ということが多いのですが、この曲においてそれは逆だと思っています。この曲の付点のリズムは少し浮遊感があり(もちろん付点のリズムの範囲内で、です)、そして3連符のリズムはキッチリ硬めに取る。そういったキャラクターの対比に気を付けると、付点のリズムもしっかり捉えられるのではないかなと思います

● AKI    このユニゾンの部分は、リズム感だけでなく、音楽の方向性もぴったり合わせて演奏したい所です。練習番号1は低い音域で少し落ち着いたテンションで始まって、3、4小節目で cresc.を一緒にする。4小節目では2拍目にテヌートがついている ので、cresc.した頂点が4小節目の2拍目に来ると良いと思います。
その流れがもう一度続き、9小節目か らピアノが初めてメロディを担います。サックスは対旋律ですね。ピアノパートにはpの指示がありますが、メロディを際立たせるために少し発音をクリアにす る意識で演奏するとよいでしょう。
先ほどから浮遊感というワードが出てきていますが、ここの部分で浮遊感を出すためにはピアノのベースラインの弾き方が大切になってきます。3拍子の1拍目にあるバス、というと無意識に少し重め、しっかりめに弾いてしまうと思いますが、重みをかけるのではなく前に進むエネルギー、推進力を持って弾いてもらいたいですね

(練習番号1の解説より)

このように、1曲を通してサックス、ピアノの両者の目線で解説してくれています。
憧れの曲にじっくり取り組んでみてください。

本誌では動画にはない「健太とAKIのよもやま話」で、パスカルの楽曲のエピソードやコンクールの心構えも掲載しています!

 
 
【執筆者】
齊藤健太(Sax)
第7回アドルフ・サックス国際コンクール第1位、及び新曲賞受賞。2002年の故・原博巳氏以来、日本人2人目となる快挙を成し遂げる。洗足学園音楽大学を卒業、同時に優秀賞を受賞。東京藝術大学別科修了。第31回及び第34回日本管打楽器コンクールサクソフォーン部門第3位。第9回国際サクソフォンコンクールノヴァゴリツァ(スロベニア)第2位。2020年6月、CAFUAレコードよりデビューアルバム「凱旋-GAISEN-」リリース。これまでにサクソフォーンを金井宏光、二宮和弘、須川展也、池上政人、林田祐和の各氏に、室内楽を池上政人、有村純親の各氏に、ジャズサクソフォーンを佐藤達哉、MALTAの各氏に師事。洗足学園音楽大学講師。

AKIマツモト(Piano)
東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、東京藝術大学器楽科卒業。アンサンブルピアニストとして須川展也、齊藤健太、上野耕平、住谷美帆を 始めとする日本を代表するサクソフォン奏者と共演多数。2018年「第9回 スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」優勝の住谷美帆氏、2019年「第7回アドルフサックス国際コンクール」優勝の齊藤健太氏の伴奏を務める。「第9回スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」公式伴奏者。TV朝日「題名のない音楽会」、BS日テレ「恋するクラシック」、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」等メディア出演。2020年5月オリジナル 曲による1stアルバム「Back to the Moon」リリース。