サックス記事
サックス名曲!アンサンブル道場 │第5回_THE SAX vol.106

第05回 ロジャー・ブートリー『ディヴェルティメント』

7回アドルフ・サックス国際コンクール第1位を受賞し、国内外で活躍の場を広げているサクソフォニスト 齊藤健太氏と、室内楽奏者として絶大な信頼を得ているAKI マツモト氏による新連載「サックス名曲! アンサンブル道場」がTHE SAX vol.102より始まりました。

この連載の特徴は、サックス奏者からの目線にプラスしてピアニストからのアドバイスも掲載していること。またこの連載を動画で、演奏を交えながらYouTubeで配信してくれることです。
クラシックの楽曲の中で超定番と言われる楽曲を取り上げていきます。

第5回はロジャー・ブートリーの『ディヴェルティメント』です。
今は中高生のコンクールで取り上げられることの多い曲ですが、齊藤さんがこの曲に取り組んだのは実は2021年になってからなのだそうです。

齊藤さん、AKIマツモトさんは今回も丁寧にわかりやすく解説してくれました。

例えば……

齊藤 練習番号1の2、4小節目。64分音符が出てきて遅れがちになってしまう部分でもあります。1つ目の16分音符が長くなってしまうのと、64分連符を丁寧に吹こうとして一つ一つの音が伸びてしまうことが原因です。そのため、まずは16分音符から64分音符にいく時に延びないようにする。ここの 16 分音符は意外とすぐにいかないとテンポから遅れてしまいます。そして次の 6 4 分音符、これはすべて正確にとらえるのはほぼ不可能なので、1拍目裏の8分音符を意識します。この8分音符を遅れないように気を付けると、64分音符が伸びてテンポから乗り遅れることはなくなると思います。

●AKI  練習番号1の6、8小節目。ここの2拍目裏はサックスとピアノが同じタイミングですよね。ここにもアンサンブルのポイントがあります。
タイミングをそろえることは当然ですが、8 分音符の長さやスタッカートの感じもなるべくそろえるようにしましょう。これは音が切れた後の余韻の残し方をそろえるということです。音やフレーズの入りを気を付けるのと同じくらい、音やフレーズの終わり方までお互いに気を配ることができると、緻密なアンサンブルになってくると思います。

(練習番号1の解説より)

このように、1曲を通してサックス、ピアノの両者の目線で解説してくれています。
憧れの曲にじっくり取り組んでみてください。

本誌では動画にはない「健太とAKIのよもやま話」で、ブートリーのエピソードやジャズ要素の多いこの作品の取り組み方も掲載しています!

 
 
【執筆者】
齊藤健太(Sax)
第7回アドルフ・サックス国際コンクール第1位、及び新曲賞受賞。2002年の故・原博巳氏以来、日本人2人目となる快挙を成し遂げる。洗足学園音楽大学を卒業、同時に優秀賞を受賞。東京藝術大学別科修了。第31回及び第34回日本管打楽器コンクールサクソフォーン部門第3位。第9回国際サクソフォンコンクールノヴァゴリツァ(スロベニア)第2位。2020年6月、CAFUAレコードよりデビューアルバム「凱旋-GAISEN-」リリース。これまでにサクソフォーンを金井宏光、二宮和弘、須川展也、池上政人、林田祐和の各氏に、室内楽を池上政人、有村純親の各氏に、ジャズサクソフォーンを佐藤達哉、MALTAの各氏に師事。洗足学園音楽大学講師。

AKIマツモト(Piano)
東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、東京藝術大学器楽科卒業。アンサンブルピアニストとして須川展也、齊藤健太、上野耕平、住谷美帆を 始めとする日本を代表するサクソフォン奏者と共演多数。2018年「第9回 スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」優勝の住谷美帆氏、2019年「第7回アドルフサックス国際コンクール」優勝の齊藤健太氏の伴奏を務める。「第9回スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」公式伴奏者。TV朝日「題名のない音楽会」、BS日テレ「恋するクラシック」、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」等メディア出演。2020年5月オリジナル 曲による1stアルバム「Back to the Moon」リリース。