サックス記事

サックス名曲!アンサンブル道場 │第6回

THE SAX vol.107

7回アドルフ・サックス国際コンクール第1位を受賞し、国内外で活躍の場を広げているサクソフォニスト 齊藤健太氏と、室内楽奏者として絶大な信頼を得ているAKI マツモト氏による新連載「サックス名曲! アンサンブル道場」がTHE SAX vol.102より始まりました。

この連載の特徴は、サックス奏者からの目線にプラスしてピアニストからのアドバイスも掲載していること。またこの連載を動画で、演奏を交えながらYouTubeで配信してくれることです。
クラシックの楽曲の中で超定番と言われる楽曲を取り上げていきます。

第6回はロベール・プラネルの『プレリュードとサルタレロ』です。
今は中高生のコンクールで取り上げられることの多い曲ですが、齊藤さんがこの曲に取り組んだのは実は2021年になってからなのだそうです。

齊藤さん、AKIマツモトさんは今回も丁寧にわかりやすく解説してくれました。

例えば……

●AKI 12小節目にはen animantとあり、ここからこの曲の最高潮に向かっていきます。ここの en animant は、1小節前(11小節目)から始めたくなってしまいがちです。しかし1小節目からテンポを速めてしまうと、13小節目の Plus animéに入った時、すでにテンポがすごく速くねってしまう。Plus animéからもだんだんと盛り上がるにつれテンポは上がっていくので、それを考えて en animant は Plus animéのきっかけとして少しテンポを前向きにする程度にしましょう。
ここはPlus animéからTempo Primo(28小節目)までの長いフレーズですね。

●健太 盛り上がりまでにどういう道のりを立てていくのか。まずは細かいフレーズ分けをすることが大事。ここは Plus animéから、3小節、3小節、3 小節、6小節と細かく分けられますね。この4つに分けられたものをそれぞれ同じに吹いても面白くないので、段階を考えましょう。3小節のフレーズが、 1回目→2回目→3回目とだんだん膨らんでいき、4回目は6小節なのでもっと幅広くなる。そういった計画を立てて吹くことが、長いフレーズではより必要になってきます。
そして、3小節フレーズが 3 回続くところは、フレーズの始まり方が違います。1回目は8分音符のアウフタクト、2 回目はアウフタクトなしで小節の頭から、3回目は3連符のアウフタクト。そのフレーズの始まりの違いをしっかり見せるようにすると、自然に Plus animé、だんだんと前向きにテンポを持っていけると思います。
(12〜28小節の解説より)

このように、1曲を通してサックス、ピアノの両者の目線で解説してくれています。
憧れの曲にじっくり取り組んでみてください。

本誌では動画にはない「健太とAKIのよもやま話」も人気コーナーです。今回は、2曲のコンチェルトをコンサートで演奏した話や、今号で取り上げたプラネルのように舞曲がテーマになっている作品の取り組み方などを掲載しています。

 
 
【執筆者】
齊藤健太(Sax)
第7回アドルフ・サックス国際コンクール第1位、及び新曲賞受賞。2002年の故・原博巳氏以来、日本人2人目となる快挙を成し遂げる。洗足学園音楽大学を卒業、同時に優秀賞を受賞。東京藝術大学別科修了。第31回及び第34回日本管打楽器コンクールサクソフォーン部門第3位。第9回国際サクソフォンコンクールノヴァゴリツァ(スロベニア)第2位。2020年6月、CAFUAレコードよりデビューアルバム「凱旋-GAISEN-」リリース。これまでにサクソフォーンを金井宏光、二宮和弘、須川展也、池上政人、林田祐和の各氏に、室内楽を池上政人、有村純親の各氏に、ジャズサクソフォーンを佐藤達哉、MALTAの各氏に師事。洗足学園音楽大学講師。

AKIマツモト(Piano)
東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、東京藝術大学器楽科卒業。アンサンブルピアニストとして須川展也、齊藤健太、上野耕平、住谷美帆を 始めとする日本を代表するサクソフォン奏者と共演多数。2018年「第9回 スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」優勝の住谷美帆氏、2019年「第7回アドルフサックス国際コンクール」優勝の齊藤健太氏の伴奏を務める。「第9回スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」公式伴奏者。TV朝日「題名のない音楽会」、BS日テレ「恋するクラシック」、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」等メディア出演。2020年5月オリジナル 曲による1stアルバム「Back to the Moon」リリース。