THE SAX vol.108 │ Gear Report

話題のSEIKOメトロノームウオッチを田中靖人さんが試着&実用

一見おしゃれな時計にみえて、楽器奏者お役立ちのメトロノーム&基準音機能を搭載した「SEIKOメトロノームウオッチ」。今回の取材にあたり、前もって実際に田中靖人さんに試着&実用してもらった。様々なミュージックシーンでの使用や活用を通してその感想を訊いてみた。

視覚的にリズムを認識できる振り子式メトロノーム

今回の取材の前にSEIKOメトロノームウオッチのラインアップからお選びいただき、試着&実用いただきましたが、周囲の奏者、生徒さんなどの反応はどうでしたか?
田中
今回の取材前にスタンダードライン「SMW001A」をリクエストしていて、それとは別に人気のモデルということで「SMW006A」の2種類のモデルを送ってもらい、そのうちの「SMW001A」をずっと着けていたんですが、大学のレッスンで生徒が「どこの時計ですか?」と興味を持って質問してきたりと注目を惹きましたね。
メトロノームの機能を使われていかがでしたか?
田中
普段はSEIKOのSTH200というメトロノームを使っているのですが、はっきり音が鳴り音量の大きなサックスの練習にこれは最適です。一方メトロノームウオッチは音を鳴らしながらの練習もいいですし、なにより振り子を見ながら練習できることに魅力を感じました。指揮者が振るタクトに合わせて演奏する際、スピード感とか振り幅によって次の拍を予測しますが、視覚的にリズムを認識できる振り子の動きは、そんな指揮者が振るタクトに通じるものがあると思います。光でリズムを刻む電子式のメトロノームの場合、音の鳴る感覚でスピードを認識するということになりますが、メトロノームウオッチは逆に吹いているときに音を出していなくても、振り子の動きに合わせて練習できることは良い発見でした。
テンポも幅広く設定されていますね。
田中
そうなんです、見てびっくりでした。毎分304(BPM(※)=304)までテンポが設定できるんです。
振り子式のメトロノームだと208/分、電子式でも250/分前後のものが多いのではないかと思いますが、これだけ速いテンポに対応して、しかも細かく速度設定ができるということは、例えば304/分だと、4分音符=152の曲を倍のテンポの8分音符で取れるので、リズムを正確にカッチリ練習するにはありがたいですね。
「こんなシチュエーションで役立つ・使いたい」といったことについてはどうでしょう。
田中
メトロノームを使うのは練習するときが主ですが、あとは大学で行なっているレッスンで、生徒が吹いているテンポに対して正しいテンポを教えてあげるのに良いですね。
実は音大のレッスンでもすでに使っていて、サクソフォンの生徒とピアニストとの伴奏合わせのレッスンを行なったとき、演奏しているうちにテンポが重くなってきたので「このテンポだよ」といって、自慢気にメトロノームウオッチでテンポを聞かせたんです(笑)。その場ですぐにテンポを聞かせられるのがとても便利だと感じました。
また、電車の中では音は出せないですが、振り子でテンポを確認できるので、スコアなど読んでテンポの感覚を知りたいときなど重宝しますね。腕に着けているので、わざわざメトロノームを取り出さなくてもパッと使える。いつでもどこでも使えるメトロノームですね(笑)。楽譜を勉強するときのテンポ確認にはとても便利だと思います。

 分針が振り子の動きでテンポを表す 

60/分では10時と2時の間を往復運動
120/分では11時と1時の間を往復運動
このようにテンポによって振り幅は変化し、速いテンポでも高い視認性を再現している
 

時計とメトロノームの一体式ならではの活用術

田中靖人さんご自身の練習や本番での活用についてはどうでしょうか?
田中
本番でメトロノームも基準音も使うことはないですが(笑)、アンサンブルの合わせを行なっていて、テンポの確認を行なうときは、「もう少しテンポを速く・遅くしよう」と感覚的になりがちなんです。そんなときにこれがあれば、その場で正しいテンポを把握できます。その他、いよいよ「ステージに出るぞ」というときなどもステージ袖でテンポの最終確認ができますね。
それと、これは余談ですが、ある楽器店さんでメトロノームウオッチを見せて話題に及んだんですが、最近メトロノームを買いに来られる年配のお客さんがチラホラいらっしゃって、その方は楽器は演奏しないんだけど、一定のテンポを設定して歩くと、それが体にいいらしく「ウォーキングの際に使う」と言ってメトロノームを購入されるそうです。このメトロノームウオッチだと、時計として身につけながらテンポの音を出して歩けるし、時計を見れば何分歩いたかもわかります。「これは良い機能だよね」という話になったんです。
メトロノームのそんな活用法もあるんですね。
田中
そうですね。メトロノーム音もはっきりした音が鳴りますからね(田中氏、その場でメトロノーム音を鳴らす)。

4つのボタンで簡単操作

もう完全に使いこなしていらっしゃいますね。メトロノームや基準音を鳴らす際の操作性についてはどうですか?
田中
操作はとても簡単でわかりやすいです。メトロノームウオッチが届いてから、説明書を読まなくてもすぐに使えるようになりました。例えばちょっと薄暗いところでも、こっちを押すとテンポが速くなる、こっちは遅くなるといった操作や、電子音を鳴らしたい・消したいときはこのボタン、メトロノームから時計のモードに切り替えたいときはこっちというように4つのボタンに機能が振り分けられているので、とても扱いやすいですね。ボタンの位置さえ覚えれば見なくても操作できます。
もう一つの機能、基準音についてはどうでしょうか?
田中
440Hz、442Hz、443HzでA音が鳴ります。442Hzは調律の際に良く使うチューニングだと思いますが、スタジオでは440Hzなので、録音の際の音程確認に使えますね。
また、ティンパニストが音叉を聴いてチューニングする姿をよく見ます。そんなとき、このメトロノームウオッチが電子音叉として使えるのではないかと思いました。音叉以上に電子音がはっきりしていてわかりやすいかもしれません。本番中に使うのは難しいかもしれませんが、練習中はティンパニストもあまり気を使わずにドンドンドンとチューニングしているので、そんなシチュエーションで使えるのではないかと思います。
もちろん、管楽器もこのA音を鳴らして、自分の音が高い・低いを判断するのに便利だと思います。
豊富なラインナップのメトロノームウオッチですが、選ばれたStandard Line「SMW001A」の他にも気になったモデルはありますか?
田中
実物を見ると、やはり一番人気と訊いているStandard Line「SMW006A」もいいですね。「SMW003A」も良いです。値段もお手頃ですし、明るい色合いのCasual Lineは吹奏楽部の中・高校生にいいのではないでしょうか。白い文字盤が映える「SMW002A」やピンクゴールドっぽい「SMW002B」も女性の方に好まれそうですね。これだけの種類があるので選ぶのも楽しいのではないでしょうか。
中・高校生の吹奏楽部の方から趣味で楽器を演奏される幅広い年齢層に話題になりそうですね。
田中
もうすでにSNSで話題になっているようですよ。Facebookのニュースフィードでいろいろコメントが流れて来て、やはり振り子のメトロノームのことに触れている人がいました。デジタル式のメトロノームでも液晶で振り子が再現されているタイプはテンポが感じやすいですよね。実際にアナログで針が動くのはもっとわかりやすくて良いですね。
ありがとうございました。

 4つのボタンに設定が振り分けられシンプルに操作が可能 

 
 

全ラインナップ
スタンダードとカジュアルの2つのライン全10種類のラインナップ

メトロノームウオッチの購入はこちら➡︎「みらい奏楽舎

 
 
─ Standard Line ─
  • SMW001A
    SMW001A
    (ダークブラウン)
  • SMW002A
    SMW002A
    (ホワイト)
  • SMW001A
    SMW003A
    (キャメル)
  • SMW004A
    SMW004A
    (ネイビー)
  • SMW005A
    SMW005A
    (ターコイズ)
  • SMW006A
    SMW006A
    (モノトーン)
 
─ Casual Line ─
  • SMW001B
    SMW001B
    (ブラック)
  • SMW002B
    SMW002B
    (ピンク)
  • SMW003B
    SMW003B
    (パープル)
  • SMW004B
    SMW004B
    (ブルー)
サックス