THE SAX vol.84

住友紀人 × Wood Stone "New Vintage" E♭Alto Saxophone

作曲家・編曲家としてドラマやアニメの音楽を手がける住友紀人氏の、サックス奏者としての顔をご存じだろうか? THE SAX 84号では、多才な住友氏のバックグランドに迫るとともに、作編曲とサックス演奏活動のバランス、最近購入したばかりのアルトサックス、Wood Stone“New Vintage”のことについて、話を伺った。


—奏者として、サックスにはどんな音を求めていますか?
住友 僕は基本的に“ヴィンテージ”の楽器が持つ響きが好きです。最初はソプラノからバリトンまで、すべてマークⅥでそろえていたほどです。ただ、やはり古い楽器がゆえに、音程や操作性に問題もあるので、新しいものでそういった“ヴィンテージの響き”が出せるものがあればと、ずっと探していました。

—最近、アルトサックスを新調されたそうですね?
住友 新しい楽器のほうが、技術も進歩していて良くなっているのだろうと思い、いろいろ試してみました。でも想像を反して、なかなかマークⅥを超えるものには出会えなかった。そんなときに、普段から修理やリード選びなどでお世話になっていた石森管楽器のスタッフの方から、「Wood Stone“New Vintage”のアルトをリリースしますよ」と情報をいただいたのです。それで早速試奏してみたら、今持っている楽器にも勝る起動力と深みを感じて「あ、これだ!」と、吹いた瞬間からすぐに気に入りました。

—“New Vintage”はどのモデルを選んだのですか?
住友 アンティークフィニッシュ(ノーラッカー)です。 吹き込んだ時の振動が肌にひしと伝わる感じが、マークⅥを吹いていた感覚に近いと思いました。マークⅥのメカニカルな部分にストレスを感じていた自分としては、いいところは残しつつ、悪いところはクリアできているという点で、僕にとってはノーラッカーの“New Vintage”が一番理想に近いモデルです。

<使用中のセッティング>
楽器:Wood Stone New Vintage E♭ Alto Saxophone
マウスピース、リガチャーはフランソワ・ルイ。リードはWood Stone。
Profile
住友紀人(すみとものりひと)
  1964年生まれ、徳島県出身の作曲家・サックス・EWI奏者。バークリー音楽大学卒業。マイケル・ブレッカーと共にEWI(ウインドシンセサイザー)の第一人者として名を広める。作曲家としては「アンフェア」、NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」、「沈まぬ太陽」、「テルマエ・ロマエ」「ドラゴンボール」シリーズなどの音楽を担当。アレンジ、サウンドプロデュースで参加した、いきものがかり「ハジマリノウタ」は日本レコード大賞最優秀アルバム賞を受賞。サックス奏者としてはスタジオワークの他、都内や故郷・徳島でのライブ活動をはじめ、2014年よりNATHAN EAST HIS ALL STAR BANDにサックス、キーボード奏者として招かれ、作曲活動の傍ら世界各国を歴訪している。
■住友紀人プロデュース
Tokushima Musician’s Fes. 2017
徳島のミュージシャンのさらなるレベルアップを目指していく「Tokushima Musicians’ Fes. Project」。プロジェクトの一環であるセミナー、クリニックの受講を重ねてきた出演者たちの、本番当日のパフォーマンスに期待が高まる。

[日時]2017年9月3日(日)
[会場]徳島あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)
[出演]徳島のミュージシャンたち
[問合せ]徳島あわぎんホール(TEL: 088-622-8121)

■ドラゴンボールZ・ザ・リアル4-D at超天下一武道会
住友紀人が音楽監督を務める人気アニメーション「ドラゴンボールZ」がUSJのアトラクションになって登場。
[上映期間]2017年6月30日(金)〜10月30日(日)いずれも午前中のみ
[会場]ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
[問合せ]ユニバーサル・スタジオ・ジャパン インフォメーションセンター(TEL: 0570-20-0606)

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the sax 84号

 

Wood Stone "New Vintage"E♭ Alto Saxophone
写真左より、ゴールドラッカー(F#キィあり)、ヴィンテージ・ラッカー(F#キィあり・なし)、アンティーク・フィニッシュ(F#キィあり・なし)。

<商品問合せ> 石森管楽器
〒169-0073 東京都新宿区百人町1-20-23
TEL:03-3360-4970 FAX:03-3360-4590
http://www.ishimori-online.jp/
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