
ラテンジャズ・サックス! スティーブ・サックス&加塩人嗣 初対談!
日本のラテン音楽シーンを牽引するベテランサックス奏者スティーブ・サックスと、東京キューバンボーイズのメンバーでもある加塩人嗣による初対談が実現!

ティト・プエンテやパキート・デリヴェラなど、本場ラテン・ミュージシャンとの共演歴を持つベテランサックス奏者スティーブ・サックスと、日本のラテン音楽ブームに貢献した東京キューバンボーイズのメンバーでもある加塩人嗣との初対談が実現!
同じシーンにいながら初対面
- ――
- まずはお二人の現在の活動状況を教えてください。
- Steve
- 現在ラテンジャズ・サックス奏者として一番メインでやっているのは、リーダーをやっているマンボ・イン(Mambo Inn)というバンドです。そしてもうひとつ、バンダ・マンダカリーニョ(Banda Mandacarinho)というブラジル系のビッグバンドでリードアルトを吹いています。
- 加塩
- スティーブさんが“マンボ・イン”なら、というわけではないですが(笑)、私は“Don De Don(ドン・デ・ドン)”というラテンジャズバンドをもう8年くらいやっています。あとフルバンドでは東京キューバンボーイズという歴史のあるバンドを15年くらいやっています。そしてブラジル系では、昔、小野リサさんのプロデュースをやっていた吉田和雄さんによく呼ばれて仕事をさせていただいています。リオに行くと若手ミュージシャンが「吉田がきたぞ」とテープを持ってきてプロデュースしてくれと言われるような立ち位置の方です。
- Steve
- あー! はいはい。吉田さんね。知っています。
- 加塩
- あと、ブラス・ブラジルというユニットもありまして、池田雅明、鈴木正晃、僕の3人がフロントで、吉田さんがドラムを叩きブラジル系のボサノヴァやサンバをやっています。さらにオルケスタサンバドールオリエンチというブラジルものばっかりやっているバンドがあります。スティーブさんも一度参加されたことがあるそうですね。
- Steve
- あー、そうですね! 参加しました。 ブラジル音楽のフルバンドは、日本では私が参加しているバンドと加塩さんが参加しているバンドの2つぐらいしかないですよね。
- 加塩
- だからスティーブさんとは本当に似たような所にいるんだけれど、微妙にバンドが違うという(笑)。
- Steve
- 今までなかなか会えなかったのが不思議ですよね。
【訂正とお詫び】
・本誌、 40ページの『サマー・サンバ』の譜例に誤りがございました。 ここに訂正しお詫びを申し上げます。
【『サマー・サンバ』30小節目の音符】

プロフィール
Steve Sacks(スティーブ・サックス)
ジャズのサックス・プレイヤー、またハーバード大卒音楽理論学者としてスタートしたスティーブ・サックスは、ラテンやブラジル音楽そしてジャズの豊かさと多様さを音楽活動の中心に置いて、40年以上になる。スペイン語とポルトガル語が流暢で、20年に及んでニューヨークのラテン音楽シーンで活躍してきた。共に演奏、録音または編曲を担当したアーティストには、ティト・プエンテ、モンゴ・サンタマリア、パキート・デリヴェラ、NORA、熱帯ジャズ楽団、小野リサなどがいる。1999年から東京に移り、2008年から自己リーダーバンドMambo Innで東京や日本全国をツアーしたり、3枚のCD「Mambo Around The World」「Five Brothers」「Good News」を発売した。更に、ブラジル系オリジナル曲をフィーチャーしたニューヨーク収録のアルバム「初夢 First Dream」も発売中。

6月に3枚目のアルバム「Good News」をリリースした“マンボ・イン”(Mambo Inn)
プロフィール
加塩人嗣(かしおひとし)
鹿児島大学在学中より演奏活動を始める。小野満&スイングビーバーズなどのビッグバンドなどに参加の後、フリーの演奏家として、数々のアーティストのツアー、レコーディングなどに参加(Exile、矢沢永吉、Crazy Ken Band、サルバトーレアダモ Etc.)。キューバ系ラテン音楽に接し、キューバ、メキシコでの演奏の機会を得て、Omara Portuondo、Yumuri y sus Hermanos、NG La Banda など、数々の有名アーティストと共演の経験を持つ。またブラジル系音楽の演奏経験も多い。現在、自己のバンド、Don De Donをはじめ、東京キューバンボーイズ、オルケスタカリビアンブリーズ、オルケスタサンバドールオリエンチなどに所属し、精力的に活動中。現在までに、自身8枚のオリジナルCDを発表。MUSIC SCHOOL DA CAPOの講師として後進の指導の面でも手腕を発揮している。

8月に4枚目のアルバムをリリースする“ドン・デ・ドン”(Don De Don)
(次ページへ続く)
インタビュー続き
・ラテンジャズとの出会い
・日本とアメリカにおけるラテンジャズ
・影響を受けたラテンジャズ・サックス奏者
・ジャズはレイドバック、ラテンは前に前に
・スティーブ・サックス&加塩人嗣 オススメCDを大公開!

加塩人嗣
Hitoshi Kashio
鹿児島大学在学中より演奏活動を始める。小野満&スイングビーバーズなどのビッグバンドなどに参加の後、フリーの演奏家として、数々のアーティストのツアー、レコーディングなどに参加(Exile、矢沢永吉、Crazy Ken Band、サルバトーレアダモ Etc.)。キューバ系ラテン音楽に接し、キューバ、メキシコでの演奏の機会を得て、Omara Portuondo、Yumuri y sus Hermanos、NG La Banda など、数々の有名アーティストと共演の経験を持つ。またブラジル系音楽の演奏経験も多い。現在、自己のバンド、Don De Don をはじめ、東京キューバンボーイズ、オルケスタカリビアンブリーズ、オルケスタサンバドールオリエンチなどに所属し、精力的に活動中。現在までに、自身8枚のオリジナルCDを発表。MUSIC SCHOOL DA CAPO の講師として後進の指導の面でも手腕を発揮している。