

元晴 テナーが大活躍した 2年ぶりのアルバムを 唯一無二の個性派サックス奏者が語る
ジャズと現代ポップミュージックとの間、豊かな技量や知識とワイルドな実践の間、国内マーケットと海外マーケットの間、送り手と受け手の間……。自由な音楽には踏み込めないタブーはないんだよと言うかのように、様々な狭間や壁に体当たりするような胸のすく活動をミレニアム以降、鋭意続けている6人組がSOIL &“ PIMP” SESSIONSだ。彼らは、オリジナルのスタジオ録音作としては2年ぶりとなる『MAGNETIC SOIL』をリリース。そこで、サックス奏者の元晴はこれまでになくテナーを多用している。そんな彼に、新作のことやテナーサックスとの関わりについて聞いてみた。
TEXT:佐藤英輔 PHOTO:草野 裕 協力:ビュッフェ・クランポン株式会社
初めてのテナーサックス、カイルヴェルトとの運命的な出会い

インタビューにも熱く応える元晴氏
音楽も楽器も主張を持ってどこまでも個性的に自分らしく

元晴
Motoharu
1973年、北海道名寄市生まれ。サックスを初めて吹いたのは小学校6年生のとき。そして、ジャズと出会ったのは、高校2年生。“バークリー・サマー・セミナー・イン・ジャパン”に行ったのがきっかけで、その後ジャズに大いに惹かれるようになる。そして、洗足学園音楽大学に入学後、米国ボストンにあるバークリー音楽大学に進み、4年間学んだ。帰国後の2001年にSOIL &“PIMP”SESSIONS に加入、同バンドの弾けた路線は大きく像を結ぶようになる。03年にはアルバム未発売ながらフジ・ロック・フェスティヴァルにも出演。04年にデビュー・アルバム『PIMPIN’』をリリース、現在までビクターから数々のアルバムやDVD 作品をリリースしている。また、彼らの大ファンである英国の国際的DJ、ジャイルス・ピーターソンの後押しもあり、05年以降は欧州ほか海外に大々的に進出。現在、トップ級に国際競争力を持つバンドとしても知られている。現在、(仮)ALBATRUS のメンバーでもある。