サックス記事
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須川展也 聴いてくださる方々の心に届く音楽を

THE SAX vol.52 Cover Story

日本のクラシック・サックスを語る上で、なくてはならない特別な存在である須川展也氏。ソリストとして、またトルヴェール・クヮルテットのソプラノ奏者として、国内のみならず海外でも高い評価を獲得し、いまや日本のサキソフォニストの顔であることは言うまでもないだろう。氏に憧れてプロ奏者になったフォロワーたちも数多いが、サックスという楽器をメジャーに押し上げたその功績の裏には、須川氏が持ち続けたポリシーとたゆまぬ努力があった。
写真:土居政則/取材協力:東京藝術大学

天から降ってきたような美しい音色をみんなに伝えたい!

須川さんのCDには、サックス奏者だけでなく幅広い音楽ファンに向けた作品が多くありますね。
須川
「クラシックのソリスト」というのが僕の人生だけれど、サックスを聴く人がいなければ成り立ちませんよね。僕が大学を卒業するころは演奏活動をするには厳しい時代で、「まずは聴いてもらうこと」という思いがずっとありました。クラシック・サックスの美しさや楽器の良さを伝えたいという気持ちがあって、これまで歩んできたんです。僕は中学時代に音楽の授業で『アルルの女』を聴いて、サックスの音色の美しさに仰天しました。当時も吹奏楽部で吹いていたんですが、サム・テイラーなどのムード音楽が中心で、クラシックサックスがどんなものか知らなかったんです。 その音色は透き通るように美しく、天から降ってくるような気がしました。この素晴らしさを伝えたい、みんなに知ってほしいという思いは中学時代からぶれたことがなく、現在に至っています。

プロフィール
須川展也
東京藝術大学卒業。サクソフォンを故・大室勇一氏に師事。 数多くのコンクールで入賞を果たし、音楽賞の受賞も多数。 日本での年間コンサート数は約100公演。 海外での公演も多く、パリ音楽院やアメリカの音楽大学ではマスタークラスも行なっている。 レコーディングでは、これまでに約30に及ぶCDをリリースし、国内外で高い評価を得ている。 作曲家への委嘱も積極的に行なっており、西村朗氏や吉松隆氏、本多俊之氏、E.グレッグソン氏、P.スウェルツ氏などに委嘱作品を依頼し、サクソフォン音楽の発展に力を注いできた。 東京佼成ウインドオーケストラでは22年あまりコンサートマスターを務め、現在は同団協力アーティストとして活躍。 また、ヤマハ吹奏楽団では常任指揮者を務め、東京藝術大学で後進の指導にあたっている。 クラシック・サクソフォンの分野に脚光を浴びさせ、今もなお、サクソフォンを学ぶ多くの若者たちの目標的存在となっている。
http://www.sugawasax.com/


次ページにインタビュー続く
・自分の苦手なところをしっかり認識する
・「完璧病」から脱出し、本番の舞台に立てる喜びを噛み締めて

登場するアーティスト

須川展也
Nobuya Sugawa

日本が世界に誇るサクソフォン奏者。そのハイレベルな演奏と、自身が開拓してきた唯一無二のレパートリーが国際的に熱狂的な支持を集めている。デビュー以来、長年にわたり同時代の名だたる作曲家への作品委嘱を続けており、その多くが国際的に広まっている。近年では坂本龍一『Fantasia』、チック・コリア『Florida to Tokyo』、ファジル・サイ『組曲』『サクソフォン協奏曲』等。東京藝術大学卒業。第51回日本音楽コンクール、第1回日本管打楽器コンクール最高位受賞。出光音楽賞、村松賞を受賞。98年JTのTVCM、02年NHK連続テレビ小説「さくら」のテーマ演奏をはじめ、TV、ラジオへの出演も多い。89年から2010年まで東京佼成ウインドオーケストラのコンサートマスターを務めた。最新CDは16年発売の「マスターピーシーズ」(チック・コリア/ファジル・サイ/吉松隆)。トルヴェール・クヮルテットのメンバー、ヤマハ吹奏楽団常任指揮者、イイヅカ☆ブラスフェスティバル・ミュージックディレクター、静岡市清水文化会館音楽アドバイザー&マリナート・ウインズ音楽監督。東京藝術大学招聘教授、京都市立芸術大学客員教授。

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