サックス記事 第五回|音大卒の先輩に聞く!一般企業への就職について
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第五回|音大卒の先輩に聞く!一般企業への就職について

在学中について

第5回目となる今回は就職編!

インタビューに答えてくださるのは…
尚美ミュージックカレッジ専門学校(2年制)卒業の市毛沙季(いちげさき)さんです!

現在社会人2年目で、ITベンチャー企業で営業事務をされています。
さて、どんなお話が聞けるでしょうか。

平井
本日はよろしくお願いします!
市毛
よろしくお願いします!
平井
さっそくですが、まずは専門学校入学当時のことからお聞きしていこうと思います!
尚美ミュージックカレッジ入学時、卒業後などの将来設計はありましたか?
市毛
入学当初は、勉強したい・学びたいということと、音楽で食べていけるようになりたいという2つが大きくて、正直将来設計はあまり具体的にはしていませんでしたね…
でも卒業後の進路に関しては、色んな選択肢を見つけたいという好奇心はありました!

 
平井
では入学した時点で就職しようということまでは思ってなかったんですね。
市毛
そうですね、一つの選択肢としてくらいでした。
平井
では、どのようにして就職という選択に至ったんでしょう?ほかに迷った選択肢はありましたか?
市毛
進路のことに直面して、まず音楽をしながら稼げるものって何だろうって考えた時に、はじめは音楽隊という選択肢に辿り着きました。 情報集めや演奏会に行ったり、8~9月の試験に向けてマーチングの先生のもとへカラーガード (※) のレッスンに行ったりして対策をしていました。
(※:マーチング・バンドのセクションのひとつ。フラッグやライフル、セーバー等の手具を使いながら音楽を体全体で表現する。)
平井
最初は音楽隊を志していたんですね!
そこから一般企業の就職の道へ変更したのには何か経緯が…?
市毛
大きく二つあって、一つは採用試験の合間に現場のリアルな姿を見て、自分の考えていた姿とのギャップを感じたこと。二つ目は、ビジネスを知りたいという気持ちが現れたことですね。
もちろん、音楽は続けたかったのですが、今の自分を見つめ直して「やりたいこと(サックス)」と「稼げること」を分けて考えてみたら、一般企業で稼ぐのもありかなと思いまして。ほら、企業を学べば今後のプラスアルファにもなるじゃないですか。 それで、一般企業に就職する決心が固まって、一次試験には合格していたんですけど、8月頃に辞退しました。
平井
そんな過程があったんですね。
そうなると、就活のタイミングとしては遅いスタートだと思うのですが、時期的にも結構焦ったんじゃないですか?
市毛
そうですね、正直焦りました(笑)。右も左も分からないし、とりあえず学校の進路相談窓口へ行って、そこで教えてもらった学校主催の合同説明会に行きました。
その合同説明会の中では、企業ではなく"企業と就活生を繋ぐ「エージェント」"と出会うことができて、音大出身の方のお話を聞いたり、無料で面談などをしていただきました。
平井
なるほど、音大生向けのエージェントもあるのですね。
市毛
そうなんです。音大生事情をよく理解してくださっているので心強かったですよ。
特に、音楽をやりたい+生活していきたいのバランスをとるためにはどうしたら良いか、という具体的な悩みを汲み取って頂きましたし、就活の壁である一般大学と音大生の就職に対するコンプレックスを解消しようというコンセプトやシステムがすごく私にあっていました。 そこでは、Officeソフト(Excel、PowerPoint等)の講座、名刺交換、電話対応などのビジネス研修も受けたりしました。
平井
そんな研修まであるなんて、心強い上に自信がつきそうですね!
市毛
そうですね!その研修後に企業さんの紹介を受けて、気になる企業に応募する流れでしたが、音大卒業だけど最低限のスキルはありますよってアピールにもなりましたし、"音楽を通して得てきたもの"を活かせられるよう様々なアプローチ方法を学ぶこともできました。

 
平井
それはとても良い出会いでしたね!
音大生は音楽を通して得たものや経験してきたことをどんどんアピールできるようになれば印象も強い気がします! 他に学校以外の説明会などは行きましたか?
市毛
学校の合同説明会以外は行ってないんですよね。
平井
そうなんですね! 最終的に入社面接はどれくらい受けましたか?
市毛
実は今お世話になっている一社のみなんです。 でもそれくらいエージェントの皆さんが私に合った将来性のある企業をピックアップしてくださった証拠だと思います。私も納得して受けた一社でした。
平井
一社のみだと逆にプレッシャーがあったんじゃないですか?
市毛
もちろん全くなかったわけではないですが、たくさん面倒を見ていただいていたのでそこまで感じませんでした。落ちたらその時また考えよう!といった感じで。
平井
思い切りましたね!
他に迷った企業はありましたか?
市毛
いくつかありましたが、頂いた候補先のなかでその会社が一番いいなと強く感じていたことと、一次面談をしていただいた人事の方も会社のコンセプトもあらためて良いと感じて「ここだな!」って確信を持っていました。
私自身、義務教育のときから吹奏楽に所属していて、やっぱりどこかに所属しみんなで一つの目標に向かって頑張るのが好きだなって思っていたので、そういったところが会社のコンセプトとリンクしていて決めました!
平井
それまで音楽で得てきた経験が判断材料になったわけですね…! 就活中は音大出身で気にかかることはありませんでしたか?
市毛
そうですね、今まで音大でやってきた経験は活かせられるんだろうか?通用するだろうか?という不安はありました。

 
平井
不安ももちろんありますよね。 実際はどうでしたか?通用しないと感じたことはありましたか?
市毛
構えていたほど音大出身で不利に感じたことはなかったですね!
平井
では逆に音大生ならではの強みや得したことはありましたか?
市毛
面接=本番って思うと、本番慣れしてるのは音大生の強みだなって思いました。演奏と話すのは違うかもしれないけど、コンサートなんて何十人何百人を相手にするわけですし。 それから上下関係や目上の人に対する礼儀が自然と身についていたのも良かったなって思います。 他の友人たちを見ても、一般大学出身の人たちはわりと同期など横の繋がりが多いように感じますが、音大生は目上の人とも話し慣れているのか縦の繋がりも多い気がしますね。
平井
目上の方と接する機会の多い、音大の環境ならではかもしれませんね…!
市毛
そうですね。他にも、音大生は授業以外の時間も練習したり合わせをしたりアナリーゼしたり・・・かけている時間や内容がかなり膨大だと思うんです。 だから、大学で何してきましたか?って聞かれてもたくさん答えられるし、取り組んできた内容も自分が思っている以上に濃いものになってたりするんですよね。 冷静になれば音大生って全然不利じゃない!ってとても思いました!
平井
たしかに、音大の中にいるとなかなか強みであることに気付かないかもしれないですが、一歩外に出てみると音楽や音大の中でだからこそ得られたことってたくさんありそう…!
実技の先生やそのほか周りの人にはアドバイスを求めたりしましたか?
市毛
先生方何人かに相談はしました! 「就職するんですけど、私の強みって第三者から見て何だと思いますか?」って意見を求めたり…
平井
きっとそれも音大ならではかもしれないですね! 毎週1対1でレッスンをしてくださる先生だけじゃなく、室内楽や吹奏楽などもありますし、普段から関わって一人ひとりを見てくださっている先生方が多いですよね。
市毛
そうそう!特に実技科目やソルフェージュなどは先生一人に対して学生数も少ない分、顔と名前を憶えてくださったり会話を交わすことも多いですよね。
今振り返ってみると、普段の様子をよく見てくださっていたり関わっていた大人の方々ってものすごく多かったなって思います!
平井
他にはなかなか無い貴重な環境ですね…!!
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