サックス記事 第五回|音大卒の先輩に聞く!一般企業への就職について
就職活動や日常を聞いてみました!

第五回|音大卒の先輩に聞く!一般企業への就職について

仕事と音楽の両立は可能…!?

平井
それでは、ここからは学校を卒業し就職した現在のお話を伺っていきたいと思います! 市毛さんは今年で社会人2年目になりますが、これまで普段のお仕事の場面で音大出身が活きた場面ってありますか?
市毛
普段は、音大出身ってだけで珍しがられたり印象に残って認知してくれることが多くて助かってます! 興味を持っていただけるのでそこから話題を広げて盛り上がったりすることも。これは面接の時もそうでしたね。 色んな人とコミュニケーションが取れるし、結果的に業務もしやすく良いことが多いですよ!
平井
なるほど、業務にも良い影響があるなんて…!すぐに顔や名前を覚えてもらえるのも嬉しいですよね。
では逆に音大出身で周りとギャップを感じる瞬間はありますか?音大では通用してたのに…とか。
市毛
えー、あまり思いつかないですね……
あ、でも、最初堅すぎるって言われたことはありましたね(笑)。
もちろん目上の人への礼儀は必要だけどもっと緩んでいい場面は緩んでいいんだよ!なんて言われたりして。
平井
会社の雰囲気や場面によって臨機応変に対応していく必要はあるのかもしれないですね。
市毛
そうですね。特に礼儀は染みついていたので最初はなかなか緩めることが難しかったのですが、基本的に悪いことではないですし時間をかけて徐々に緩めていきました(笑)
平井
それくらい真面目に取り組んできたってことですよね!
市毛
そうですね!
平井
では、音楽や楽器との関係についてですが、現在どのように関わっていますか?
市毛
楽器は仕事終わりや休日に吹いたりしていて、ボランティアやおさらい会を通して人前で吹く機会を得ています! 会社に入ったら十分な練習時間が取れるか不安でしたが、意外と吹けています。もちろん多くはないですが、むしろ学生時代以上に効率よく練習できるようになったりして充実していますよ!会社がフレックスタイム制だったのも大きいですね!

 
平井
それは良いですね…! 会社終わりでは疲れていたりしませんか?
市毛
それが、やっぱり楽器が恋しくなるんですよね…! 多少疲れがあっても楽器を吹きたい気持ちが勝ることのほうが多いです!!
平井
とても良いライフワークバランスですね!それに人前で吹く機会があるのも良い刺激になるんじゃないですか?
市毛
そうなんですよ! 去年はカルテットで自主企画をやったこともありました!学生時代に一度経験していたこともあって、あまり気負いせずにできました。学生のうちに一度やっておくと運営する時のコツなんかも掴めますし、社会人になってからでも取り組みやすいと思います。

 
平井
確かに仕事も抱えているなかで新しいことやるのって少し勇気が必要だったりしますよね。
市毛
そうそう、卒業してからやればいっか!ってなかなか実現しづらい気がします…… それに卒業した今だからこそ思うんですけど、音大の環境って本当に充実していて、先生方や先輩後輩などたくさん意見が聞けたり人前で失敗できるのは学生の特権だったなって思います。
平井
失敗できるのも学生のうち、って本当にその通りですよね。失敗を恐れずに色んなことに取り組んでおけば、後からでもまた挑戦できるかもしれませんね!
市毛
そう思います!学生の皆さんはぜひぜひ色んなことへ挑戦してほしいなって思います!
平井
貴重なアドバイスですね…! それでは最後に音大生の皆さんにメッセージをお願いします!
市毛
はい! 自分もそうでしたが、進路を考える時にやはりどこかで"音大に行ったからこそ音楽を続けなきゃ"って考えがあったりするかもしれません。 でも音楽はどんな形でも付き合っていけるし、一度我に返ってみて、大好きな音楽だからこそ続けるためにはどんな方法があるのか柔軟に考えてみるのも良いと思います。
私の場合、高校卒業後は浪人するくらい行きたい大学に入ってプロになりたいって思っていたし、当時は両極端な考えで正直就活したら負けくらいに思っていました。でもそうすると自分の可能性も視野もどんどん狭まってしまい、自分の良い部分を見失ってしまうこともあると思うんです。音楽が充分に出来て、会社員として企業でビジネスを学べる…音楽とプラスアルファで何か出来たらもっとかっこいいし、自分の強みになると思って今の道を歩んでいます。今後どう進むのかまだまだ模索中ですが、今後ももっと視野を広げて沢山吸収し、やりたいことを思う存分やりたいと思っています!
今回、お話をさせて頂いた通り、私は音楽を続けていくために就職という道を選びましたが、今は進路選択も働き方も多様化しているし、気持ちさえあればいつだって方向転換もできると思います。 だからこそ、自分が納得する道や今やりたいことを思う存分にやってみるのが良いのではないかなと思います! ぜひ学生生活色んなことに挑戦して、様々な経験値を増やして充実させていってください!
平井
市毛さん、貴重なお話ありがとうございました!
市毛
ありがとうございました!
 

プロフィール

市毛沙季
市毛沙季 Saki Ichige
茨城県水戸市出身。茨城県立水戸第三高等学校音楽科卒業、及び尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科卒業。
第14回ジュニア全管打楽器コンクール銅賞、第8回日本管打楽器ソロコンテスト金賞及び埼玉県教育長賞受賞、2016年須川展也マスタークラス受講、2019年茨城県クラシック音楽の響演に出演、及び特賞受賞。
これまでにサクソフォンを有村純親、貝沼拓実、横山美優、箱﨑理沙の各氏に師事。室内楽を中村均一、波多江史朗の各氏に師事。
学生時代には楽器指導、自主企画コンサート、ライブ演奏、挙式や披露宴の演奏、幼稚園でのコンサートなどを経験。
現在Pissenlit SaxophoneQuartet及び、始動予定の藍 SaxophoneQuartetそれぞれテナー担当。
次のページ: インタビューを終えて
<前へ      1   |   2   |   3      次へ>      
サックス