サックス記事 DIMENSION 35周年の軌跡と現在を語る
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THE SAX vol.125 Interview┃勝田一樹

DIMENSION 35周年の軌跡と現在を語る

ARTIST

90年代初頭にJ-FUSIONシーンの新たなる旗手として颯爽とデビューしたDIMENSIONが、今年デビュー35周年を迎える。70年代から活躍する老舗バンドも健在ながら、今や彼らも大ベテランの域に達しつつある。と同時に常に中堅としての立ち位置で新鮮さを失わず、現在も新たな魅力を発信し続ける稀有なグループとして、その人気は衰えることがない。そんなDIMENSIONがメモリアル・イヤーに放つのが、ちょうど35枚目となるニューアルバム「35」だ。この6月に発売となる新作の話題も気になるところだが、まず本号ではフロントマンとしてDIMENSIONを牽引してきたサックス勝田一樹に、この35周年をじっくりと振り返ってもらおう。
インタビュー・文:山本美芽/写真:達川範一(B Zone)/取材協力:B Zone

ユニットの誕生と「何でも作れた」初期の熱量

デビュー時には、4年ほどで8枚ものアルバムを出されています。当時はどのような状況でしたか?
勝田一樹
企画もののミニアルバムを出して、それからファーストアルバムがあって……、当時は半年に2枚出していたんですね。聴いてきた音楽を自分たちで再解釈、再構築してフュージョンにしていました。いろいろなものが蓄積していたから、何でも作れましたよ(笑)。「デヴィッド・サンボーンみたいにやりたい」「ブレッカー・ブラザーズをこうしたい」というのが、メンバーそれぞれに山ほどあった。曲の作り方も決まってたわけじゃない。「アイデアがあるから譜面を途中まで作った。それをキーボーディストがデータに打ち込んでいこう」みたいなね。6枚目から7枚目ぐらいまでは、そうやって影響を受けたアイデアを出していました。当時の曲……『Beat#5』『Breakout』『Lost in a Maze』『Se.le.ne』とか、今でもよくやっている曲が多いですよね。一番フュージョンらしかった時期かもしれません。
「ユニット」というグループ形式は、フュージョン・シーンでは革新的でした。
勝田
増崎さんのアルバム制作にスタジオミュージシャンとして呼ばれたのが出会いですね。小野塚さんはTUBEのバックバンドを一緒にやっていました。当時はバックバンドをたくさんやりました。自分の音楽をやるために、そうした仕事で資金や経験を得るのは重要だというのは、あとになって思ったことですが。
バンド形態のサウンドなんだけど、メンバーはサックスとギターと鍵盤だけ。「ドラムとかベース入れる?」なんて話には一切ならず、たまたまその3人でした。昔は、スタジオに入ってから初めて曲を聴いて演奏するのが当たり前でした。そのころの自分はドラマーに「もっとすごいことやってくださいよ」みたいにしか言えなくて、もどかしい思いもいろいろありました。今はレコーディングに来る前にみんな曲を予習してきてくれて、アイデアも豊富。昔があるから今があるというか。音楽を表現するための技術力も、この30年ですごく上がりましたね。
2010年のDIMENSION
スタジオミュージシャンとアーティストの違いについてはどうお考えですか?
勝田
本質的にやっていることは同じですよ。イメージとしては自分名義の作品を出していて、さらにワールドワイドに人気があったらアーティストで、人に呼ばれて仕事をするのがスタジオミュージシャン。デヴィッド・サンボーンだってマイケル・ブレッカーだってスタジオミュージシャンなわけで。「いつからアーティストになったんですか?」って質問しても、本人も答えに困るでしょうね。
僕は「ミュージシャン」でいいと思うけど、いまの若い世代は「バンドマン」って言いますね。「ずいぶん古い言葉を知ってるね、昭和のキャバレー時代の話だろうって(笑)」。僕もプロになってからしばらくはキャバレーで吹いていましたけど、当時はミュージシャンのことをバンドマンって言ってましたね。
 

次ページにインタビュー続く
・過渡期を経て「迷い」が消えるまで
・35年間で変遷してきた楽器とセッティングについて
・DIMENSION[DISCOGRAPHY]

CD information
 


「35」
DIMENSION
【ZACL-9149】¥3,300(税込) ZAIN RECORDS
6月24日発売
[演奏] 勝田一樹(As,Ss)、増崎孝司(Guit)、安部潤/友田ジュン(Key,Prog)、二家本亮介(Bass)、則竹裕之/川口千里/山本真央樹(Ds)
[曲目] ZENITH/RIO/HORIZON/VOGUE/LONG/QUEST/GO WILD/CROSS THE WORLD/IN TIME/SOMETHING NEW/IN BITTERSWEET  

Live information

DIMENSION 35周年アニバーサリーライブ
【DIMENSION Live Dimensional-2026 ~35th Anniversary Special Live~】
[日時] 2026年7月19日(日) 開場16:00/開演17:00 [会場] 大手町三井ホール(東京)
[出演] 勝田一樹(Sax)、増崎孝司(Guit)/則竹裕之(Ds)、友田ジュン(Key)、小栢伸五(Bass)

【JAZZ FUSION SUMMIT 2026】参加決定!
[日時] 2026年11月1日(日) 開場14:00/開演15:00 [会場] Kanadevia Hall(東京)
[出演] BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO/T-SQUARE/DIMENSION/本田雅人バンド/沖仁with小沼ようすけ&石塚隆充

登場するアーティスト
画像

勝田一樹
Kazuki Katsuta

1966年9月3日生まれ、神奈川県出身。その奏でる音色は一聴して分かるように唯一無二の存在感を放ち、彼の影響を受けたサックスプレイヤーは若手を始め国内外に後を絶たない。アルトサックスプレイヤーとして、アンサンブルの中に溶け込む力強さと優しさを調和させたそのスタイルに加え、様々なアーティストのレコーディングにおいてはブラスセクションのアレンジ力も高い評価を得ている。ソロ活動として勝田自身プロデュースのJAFROSAX名義でアルバムを4枚リリース。国内外および多ジャンルにまたがり大好評を得る。近年は、勝田のSaxフレーズが海外のYouTuberに「MarioKart Lick」として取り上げられ、様々な分野のクリエイターから注目を集める。ソロ作品として2025年に発売した5枚目のソロアルバム「Then」に収録されたタイトル曲がYouTubeで200万再生を超え、アジア圏を中心にそのサウンドは多くの人を魅了している。
(2026.05)

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