サックス記事 勝田一樹 DIMENSIONの顔でもあるスタープレイヤーが初のソロアルバムを発表!
THE SAX vol.63 Cover Story

勝田一樹 DIMENSIONの顔でもあるスタープレイヤーが初のソロアルバムを発表!

日本のフュージョン界をリードし続ける最強のトライアングル DIMENSION。そのフロントを張るグループの顔的存在のスター奏者と言えば、勝田一樹だ。ところが、何故かこれまで本人名義のソロアルバムは発表されていなかった。そして、まさに満を持してここに届けられたのが、1stソロ作「Kazuki Katsuta」だ。勝田および DIMENSION ファンのみならず、すべてのフュージョンファンが待ちに待った文字通りの待望作、その内容とは!? いち早く本人にインタビューを試み、その全貌に迫った!
( 文:熊谷美広 / 協力:株式会社ビーイング )


DIMENSION、そしてJAFROSAXとの違いとは!?

初のソロアルバムが完成しましたが、ここにきてソロアルバムを作ろうということになったいきさつは?
勝田一樹
まぁ、年男ということもあるし、DIMENSION の他の2人はソロアルバムを出しているのに、自分だけ出していないということもあって(笑)。過去に “JAFROSAX” というプロジェクトはやっていましたけど、あれは純粋なソロではないし。DIMENSION は20年近くやってきて、アルバムも26枚作ってきましたけど、ギターとキーボードとサックスとで作る、総合アンサンブル・ミュージック的な部分もあると思うんですね。そこで今回は、その中のサックスが担当する部分をクローズアップしてみました、という感じです。
1曲を除いてすべて勝田さんのオリジナル曲ですね。
勝田
2013年の1月から、曲作りには欠かせない小野塚(晃)くんに、打ち込みと、一緒にアイデアも出してもらいつつ、3月ぐらいまでちょっとずつやっていました。そこから DIMENSION のレコーディングが始まったので、一旦中断して、それが7月ぐらいに完成したので、その後からまたドドッと再開したので、前半と後半みたいな感じの制作でしたね。前半のほうはメロウな感じで、後半はエッジが立った感じの曲になりました。
ソロアルバム用の曲と、DIMENSION 用の曲とでは、アプローチに違いがあったりするのですか?
勝田
ありますね。難しいリズムのギミックとかではなく、シンプルな曲の中で、サックスが鳴っているのが好きだったので、ソロの場合は、そんな感じになっていると思います。デヴィッド・サンボーンしかり、グローヴァー・ワシントンJr. しかり、シンプルな曲の土台に、印象的なサックスが乗っているものが多いですよね。ぼくはやっぱりそういうのが好きなんです。DIMENSION の場合は、もっと総合的というか、曲を面白くするために、ここでこういうサックスを入れてやろうとか、ギターがここに来るから、サックスはここでちょっと世界を変えてみようとか、そういうアプローチもあるんですけど、今回は全部サックスなんで。
複雑なキメとか、難解なリズムとかは、あまりないですよね。
勝田
まさに “サックス・フュージョン” ですよね(笑)。メロディもコード進行もシンプルですし。
勝田一樹,かつたかずき

CD Information

「Kazuki Katsuta」
 
「Kazuki Katsuta」
【ZACL-9071】ZAIN RECORDS ¥3,150
[演奏]勝田一樹(Sax)、小野塚晃(Pf,Key,Prog)、須藤満 / 川崎哲平(Bass)、則竹裕之(Ds)、小林太(Tp)、五十嵐誠 / 野村裕幸(Tb)、室屋光一郎 / 伊藤彩/徳永友美(Vn)、西村知佳子 / 金孝珍(Va)、向井航(Vc)
[収録曲]Street Dance、Go It Goin’on、Cross Road、True Heart、Perfect Future、Long Way To Go、W・R・T、Midnight Black、Dr.Jackle、Free


次ページにインタビュー続く
・豪華メンバーの人選と新生面も覗く曲作りの秘話
・こだわり続けるアルトサックス奏者としての矜持

登場するアーティスト
画像

勝田一樹
Kazuki Katsuta

人気フュージョン・バンドDIMENSIONのフロントマンを30年にわたって務める。その音色は一聴して分かるほどに唯一無二の存在感を放ち、彼の影響を受けたサックスプレイヤーは後を絶たない。アルトサックス・プレイヤーとして、アンサンブルの中に溶け込む力強さと優しさを調和させたそのスタイルに加え、様々なアーティストのレコーディングにおいてはブラスセクションのアレンジ力も高い評価を得ている。ソロ活動として勝田自身のプロデュースによる「JAFROSAX」名義でアルバムを4枚リリース。国内外および多ジャンルにまたがり大好評を得る。2014年には待望の初のソロアルバム「Kazuki Katsuta」をリリース。これまでに3 枚のソロアルバムをリリースしてソロ活動も精力的に行なっている。2022年からはCASIOPEA-P4のギタリスト野呂一生と共に「J-FUSION BLUE NOTE TOKYO SPECIAL」というイベントをブルーノート東京で開催し大好評を得る。DIMENSIONとしては2023年に行われたBlue Note Tokyo 35th presents JAZZ-FUSION SUMMIT2023 公演でT-スクエア、CASIOPEA-P4等、Jフュージョンを代表するバンドとの共演が記憶に新しい。
(2024.02)

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