サックス記事
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元晴 10年の軌跡を辿る初のベスト盤が完成したDEATH JAZZバンドのフロントマン

THE SAX vol.62 Cover Story

現メンバーの6人が揃って今年で活動10年目に突入した日本が世界に誇るジャズ・バンド SOIL & “PIMP” SESSIONS。そのフロントを担うサックス奏者といえば、もちろん元晴だ。前号で10周年アニヴァーサリー企画第3弾として登場したニュー・アルバム「CIRCLES」について応えてくれたのに続き、本号ではアニヴァーサリー企画第4弾となるキャリア初のベスト盤「“X” Chronicle of SOIL & “PIMP” SESSIONS」を題材にグループの軌跡、そして楽器のこと練習法のことなど、大いに語ってくれた。
(文:櫻井隆章 / 協力:ビクターエンタテインメント株式会社)


世界のジャズ界でも類を見ない不動のメンバーでの10年

SOIL & “PIMP” SESSIONS、通称「ソイル」が、大変なことになってきている。現在のメンバー6人になって10年という節目の年を迎え、堂々の「アニヴァーサリー企画」が色々と進行中なのだが、怒涛の作品発表ラッシュなのだ。2013年4月にケイリン 2013 TVCMキャンペーン・ソングである『ジャズィ・カンヴァセイション』を、HIP HOPグループ RYMESTER とコラボレーションして発表したと思ったら、6月には椎名林檎をヴォーカルに迎えたシングル『殺し屋危機一髪』をリリース。そして、その2曲も含むコラボレーションアルバム「CIRCLES」を発売したのが8月だ。この作品は収録10曲のすべてが他のアーティストとのコラボレーションという意欲作。NYのホセ・ジェームスは共にヨーロッパツアーをするほどの盟友であり、Ryat はLAの新進気鋭のヴォーカリスト。日本からも実力派のシンガーBONNIE PINK、福原美穂、音楽フェスの常連である七尾旅人、U-zhaan、ワールドワイドに活躍する雅-MIYAVI-、DJ KENTAROとのコラボが聴ける。
その上での「アニヴァーサリー・イヤー第四弾」が、10月発売のベスト・アルバム「”X” Chronicle of SOIL & “PIMP” SESSIONS」なのである。このアルバム・タイトル、「テン・クロニクル……」と読ませる。「クロニクル」と言えば、「年代記」だ。彼等の今までの10年間を、基本的に時系列に追って曲を順に収録した、文字通りの「ベスト・アルバム」なのである。サックスの元晴に話を聞いた。

元晴
今回のベスト・アルバムは、僕たちの今までのアルバムの中でも、シングルになった曲や、ビデオ・クリップを作った曲、アニメ主題歌やTVCMに起用された曲を中心に、昨年までリリースした7枚のアルバムから2、3曲ずつ入っています。アルバムを作る時は毎回ベスト・アルバムを作るつもりなので、選曲が大変だなぁと思いましたが、意外とすぐにメンバー全員納得で収録曲が決まって。それをリリースした年代に沿って並べ、リマスターしました。今まで聴いてくれてた皆さんも、初めてソイルを耳にする方にも、楽しんでもらえるアルバムになっているはずです!

彼らの場合、とにかく世界に二つとない音楽を演奏しているグループなのである。グループ結成当時から言われてきた「爆音ジャズ」とか「パンク・ジャズ」、あるいはデス・メタルならぬ「デス・ジャズ」などといった形容詞で語られてきたことが、何よりの証明だ。そんな言葉、何処にもない。つまり、「他に形容のしようのない音楽」、なのである。ただ、そこにも10年間の足跡がある。元晴がボソッと呟いた「僕たちのように同じ6人というメンバーで10年間やってきたジャズ・バンドって、世界でも他にあるんですかね?」という言葉に、すべての証左がある気がする。確かに、単なる長寿バンド(まだ、それ程に長いわけでもないが)ではなく、「同じメンバーで変わらずに活動を続けてきた」ことに意味がある。そして元晴の言うように、彼らは「ジャズ・バンド」なのだ。

 

長時間に渡った撮影とインタビューを終えた元晴が、最後にSAX ONLINEをご覧の皆さんにメッセージを送ってくれた。その動画は以下からCheck this out!

 
SOIL& “PIMP“ SESSIONS(ソイル&ピンプ・セッションズ)

Profile
SOIL & “PIMP“ SESSIONS(ソイル&ピンプ・セッションズ)

2001年、都内のクラブで知り合ったミュージシャンたちがグループを結成する。新世代の爆音ジャズ・バンドとして徐々に知名度を上げ、2003年の夏には、まだ音源が出ていない時点でFUJI ROCK FESTIVALに異例の出演。それと前後して現在の6名となり、グループ名もSOIL & “PIMP” SESSIONSと定めた。社長(Agitator)、タブゾンビ(Tp)、元晴(Sax)に、丈青(Pf)、秋田ゴールドマン(Bass)、みどりん(Ds)の6人だ。2004年6月にファースト・アルバム「PIMPIN’」を発表。以降、コンスタントに作品を発表しつつ、意欲的にライブ活動もこなしていった。アルバムがイギリスを中心としたヨーロッパ諸国で注目を浴び、2005年8月に初渡欧。単に注目を浴びただけでなく、数々の賞も受賞。その存在を確固たるものとした。世界的なイベントであるスイスのモントルー・ジャズ・フェスやオランダのノース・シー・ジャズ・フェスなどにも出演を果たす。近年は他のアーティストとのコラボレーションも多く、活動の範囲も多種多様になってきている。
(左から)丈青(Pf,Key)、みどりん(Ds)、元晴(Sax)、タブゾンビ(Tp)、秋田ゴールドマン(Bass)、社長(Agitator)


CD Information

「“X” Chronicle of SOIL & “PIMP” SESSIONS」
 
「“X” Chronicle of SOIL & “PIMP” SESSIONS」
初回限定盤【VIZL-586】(ボーナス・ディスク付き2枚組)¥3,600
通常盤【VICL-64067】¥2,900

[演奏]元晴(Sax)、タブゾンビ(Tp)、丈青(Pf)、秋田ゴールドマン(Bass)、みどりん(Ds) 、社長(Agitator)

[収録曲]
<メイン・ディスク>First Lady、Mature、SUFFOCATION、WALTZ FOR GODDESS、NO TABOO、Crush!、SUMMER GODDESS、SAHARA、A.I.E、マシロケ、STORM、Fantastic Planet、Paraiso、MY FOOLOSH HEART〜crazy on earth〜×椎名林檎、POP KORN、Sexual Hungry、MOVIN’ feat. Maia Hirasawa、Are You Ready?

<初回限定盤ボーナス・ディスク>CANNIBAL ROCK(SOIL & “PIMP” SESSIONS rework)、カリソメ乙女(DEATH JAZZ ver.)by 椎名林檎 × SOIL & “PIMP” SESSIONS、MODE TO JOHN、RASETSU、ルパン三世のテーマ、QUARTZ AND CHRONOMETER(Hideo Kobayashi Remix)、BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY by SOIL & “PIMP” SESSIONS with 布袋寅泰


次ページにインタビュー続く
・アルバムジャケットの「X」は実は「∞」
・常にリニューアルしていける状況であり続ける
・元晴が実践してきた基礎練習法とは?
・元晴が秘伝のオリジナル基礎練習法を初公開!

登場するアーティスト

元晴
Motoharu

1973年、北海道名寄市生まれ。サックスを初めて吹いたのは小学校6年生のとき。そして、ジャズと出会ったのは、高校2年生。“バークリー・サマー・セミナー・イン・ジャパン”に行ったのがきっかけで、その後ジャズに大いに惹かれるようになる。そして、洗足学園音楽大学に入学後、米国ボストンにあるバークリー音楽大学に進み、4年間学んだ。帰国後の2001年にSOIL &“PIMP”SESSIONS に加入、同バンドの弾けた路線は大きく像を結ぶようになる。03年にはアルバム未発売ながらフジ・ロック・フェスティヴァルにも出演。04年にデビュー・アルバム『PIMPIN’』をリリース、現在までビクターから数々のアルバムやDVD 作品をリリースしている。また、彼らの大ファンである英国の国際的DJ、ジャイルス・ピーターソンの後押しもあり、05年以降は欧州ほか海外に大々的に進出。現在、トップ級に国際競争力を持つバンドとしても知られている。現在、(仮)ALBATRUS のメンバーでもある。

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