サックス記事 エレクトロでオルタナティブな新境地にトライしたサイバーなソロ第4弾アルバムをドロップ!
THE SAX vol.116 Cover Story

エレクトロでオルタナティブな新境地にトライしたサイバーなソロ第4弾アルバムをドロップ!

日本のフュージョン・シーンを30年以上にわたり牽引するスーパーユニットDIMENSIONのフロントマンとして絶大な人気を誇り、2014年からはソロ活動も本格的にスタートさせた勝田一樹。近年では人気ゲームのサウンドトラックで演奏したフレーズが『MarioKart Lick』として海外で注目されるという現象も起こしている。そんな、国内にとどまらず今や海外からも熱い視線が向けられるスーパー・サックス・ヒーローが今年ソロ・デビューから10周年を迎え、待望のソロ第4弾を完成させた。「NEO」のタイトル通りサイバーで近未来的な、まさに新境地を示す仕上がりだ!
インタビュー・文:山本美芽
写真:達川範一(B ZONE)/取材協力:B ZONE

これまでのフュージョン王道路線から違う方向に初トライ!

これまでとはサウンドがガラッと変わったとともにスピード感とパワフルさが増しましたね。
勝田
ディメンションの作品も、過去の自分のソロ作も、いわゆるフュージョンと呼ばれるスタイルの王道を通ってきて、こうあるべきだ、みたいなところがありました。今回の作品は、そこと目線を変えています。今まで自分の人生で通ってこなかった、自分の作品としては発表していなかったけれど、仕事の依頼としては作ったり提供したりしてきたスタイルというのがある。そっちの方向を膨らませてみようかなと。でもサクソフォンの演奏は時代や流行りなんて、あるようでないものだから、サクソフォンはいつも通り、僕の音色と僕の演奏スタイルです。それをとりまくサウンドの環境を今までとは違う方向にトライしてみました。
収録曲のなかで、ライブで最初に披露されたのは『ネオ・ユニバース』でした。
勝田
あの曲は、アルバムに着手する直前にできました。もともとはクライアントに楽曲の制作依頼をいただいて、こちらから提案した曲のひとつでした。結果として海外先行でサブスクで聴ける形になり、次のソロアルバムはこの方向性で行こうとイメージが決まってきたんです。
ソロアルバムで、サックス以外の生楽器が入っていないのは初めてですよね。
勝田
アコースティック楽器を排除したわけではないけれど、できあがったらエレクトリックなトラックがメインになっていました。まずはパソコンで製品レベルのものが作れるので、アイデアの一環としてアコースティック楽器が良ければ、アコースティック楽器に差し替えても良かったけど、できたものがエレクトリックなままで格好いいなら、それでOKということです。
アレンジは友田ジュンさんと一緒にスタジオで作業するのですか?
勝田
そうです。最近は、電気関係は友田くんと一緒にやっていて、僕がアイデアを出して、それを友田くんがシンセで作ってくれる形です。紙の譜面にコード進行だけ書いてあって、こんなドラムを作ってくれる? こんな音色作って被せてほしい、サックスを入れるからシンセでなぞってよ、と口頭でリクエストしながらスタジオで作っていきます。そのほうがスコアを書くより速いので。

次ページにインタビュー続く
・YouTubeでバズった『マリオカート・リック』と呼ばれる演奏
・印象的なメロディのリフレインと吹きまくりのソロの両立
・収録曲についてワンポイントずつ本人から直伝のコメントを!

 
 CD Information
 
「NEO」勝田一樹 3月6日発売

【ZACL-9136】¥3,300(税込)
ZAIN RECORDS
[収録曲]NEO UNIVERSE、EQUALIZER、DANCE WITH PUNKS、THE DAY、TAKE ON THE WORLD、SUPER FLASH、SHAKE IT、SPACE GT、THUNDER SAX
[演奏]勝田一樹(As,Prog)、友田ジュン(Key,Prog)
 
 Live Information
 
ツアー決定!
3/10(日)丸の内コットンクラブ
4/7(日)京都RAG
5/12(日)福岡ゲイツ7
6/9(日)札幌ベッシーホール
 
登場するアーティスト
画像

勝田一樹
Kazuki Katsuta

人気フュージョン・バンドDIMENSIONのフロントマンを30年にわたって務める。その音色は一聴して分かるほどに唯一無二の存在感を放ち、彼の影響を受けたサックスプレイヤーは後を絶たない。アルトサックス・プレイヤーとして、アンサンブルの中に溶け込む力強さと優しさを調和させたそのスタイルに加え、様々なアーティストのレコーディングにおいてはブラスセクションのアレンジ力も高い評価を得ている。ソロ活動として勝田自身のプロデュースによる「JAFROSAX」名義でアルバムを4枚リリース。国内外および多ジャンルにまたがり大好評を得る。2014年には待望の初のソロアルバム「Kazuki Katsuta」をリリース。これまでに3 枚のソロアルバムをリリースしてソロ活動も精力的に行なっている。2022年からはCASIOPEA-P4のギタリスト野呂一生と共に「J-FUSION BLUE NOTE TOKYO SPECIAL」というイベントをブルーノート東京で開催し大好評を得る。DIMENSIONとしては2023年に行われたBlue Note Tokyo 35th presents JAZZ-FUSION SUMMIT2023 公演でT-スクエア、CASIOPEA-P4等、Jフュージョンを代表するバンドとの共演が記憶に新しい。
(2024.02)

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