THE FLUTEオンライン記事:THE FLUTE 150号 記念CD紹介!
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Disc.2 多彩な奏者たちによる豪華演奏

TRACK 01| White Fantasy

LYNX&Keiichi OKU

演奏:LYNX

2001年発売の「Fantasista」というクリスマス・アルバムに収録した、リンクスの自作曲。タイトルどおり、真っ白な雪の世界にいるようなワクワクした気持ちをイメージした曲だが、季節を問わず軽快な曲調はコンサートのオープニングにもピッタリ。アルトが鈴に持ち替えることで、4人だけでも演奏できる。

LYNX

Profile LYNX

メンバー:小池智子、郡律子、佐藤麻美、松崎麻衣子 フルート4本で音楽の無限の可能性を示し続けているアンサンブルとして、幅広い年代のファンから支持されている。2008 年7月にはドイツ、イタリアの演奏旅行を成功裏に終え、活躍の場は世界に広がっている。2009年3月、初のベスト盤「re」(アールイー)をリリース。現在、年代を問わず楽しめるステージを目指して、イラストや朗読などを取り入れた新たな企画も展開中。2013年、「バッハ」と「日本」をテーマとした、2 枚のアルバムをリリース。

TRACK 02| ハンブルガーソナタ 第1楽章Wq.133/H564 Allegretto

カール・フィリップ・エマニュエル・バッハ

Hamburger Sonata Wq.133/H564 Allegretto / Carl Philipp Emanuel Bach

演奏:藤田真頼(Fl)、及川れいね(Cemb)

大バッハ=ヨハン・セバスチャン・バッハの次男としてドイツ・ヴァイマルで誕生したカールは、父と同時代に活躍した作曲家テレマンが名付け親となった。大学では法学を学んだものの、音楽の道に進むことを決心し、器楽曲など多くの作品を残している。当時の評判は父よりもカールの方が高かったという。フルート愛好家であったプロイセンのフリードリヒ大王に長く仕えていたため、フルートのための作品が多い。テレマンの死後、後継者としてハンブルグの楽団に就任し、作曲された『ハンブルガーソナタ』は2楽章形式で構成された作品だが、溌剌なモチーフは晩年に書かれたとは思えないほど若々しさを感じさせる曲。

藤田真頼

Profile 藤田真頼

東京音楽大学在学中に民音室内楽コンクール入賞。フランス国立リュエイル・マルメゾン音楽院のフルート、室内楽科で1等賞を獲得。帰国後はソロ、室内楽、オーケストラ、ミュージカル等多方面で活躍。CD『タファネルとゴーベールの遺産』はレコード芸術誌の準推薦盤。アンサンブル・バロック・レジーナ、木管アンサンブル「ソシエテ」代表。昭和音楽大学非常勤講師。玉川大学非常勤講師。日本フルート協会理事。

TRACK 03| 「タンゴの歴史」より“酒場1900”

アストル・ピアソラ

La Historia del Tango“Bordel 1900” / Astor Piazzolla

演奏:大嶋義実(Fl)、ヤロスラフ・トゥーマ(Cemb)
CD「情熱と追憶のタンゴ」より

アストル・ピアソラはアルゼンチンの作曲家でバンドネオン奏者。クラシックやジャズの要素を融合させたタンゴの新しいジャンルを切り開いた。4歳からニューヨークで育ち、15歳でアルゼンチンに移住し、バンドネオンの演奏と作曲を開始。自らの演奏・作曲活動を続けるうちタンゴの限界を感じ、クラシックの勉強のために渡仏している。『タンゴの歴史』は、1900年から30年ごとに時間を進めていき、タンゴの誕生、変化、現代とそれぞれの時代のタンゴを表している4楽章の作品である。1楽章「酒場にて1900」の原題“Bordel”は、娼婦の家という意味。この楽曲を献呈され初演したフルーティスト、マルク・グローウェルズは、冒頭の高音のE音は、警察官が売春宿の摘発をする笛の音と語る。タンゴの始まりを表現しているとあって、ハバネラなどの他のリズムが感じられる作品だ。

大嶋義実大嶋義実 情熱と追憶のタンゴ

Profile 大嶋義実

プラハ放送交響楽団首席奏者、群馬交響楽団第一奏者を経て、現在京都市立芸術大学・大学院教授。2014年より音楽学部長を務め、京都子どもの音楽教室室長を兼任している。

 

「情熱と追憶のタンゴ」

TRACK 04| トッカータとフーガ ニ短調 BWV565

ヨハン・セバスチャン・バッハ(編曲:岡本 謙)

Toccata und Fuge in d-Moll BWV565 Johann Sebastian Bach (Arr.Ken Okamoto)

演奏:フルートアンサンブルTHE STEP CD「ザ・ステップ フルートコンサート」より

大バッハは多くのオルガン曲を残しているが、その中でも人気の高い作品。タイトルを知らずとも冒頭のフレーズを聞けば「知ってる!」となるほど有名な楽曲だ。「トッカータ」はイタリア語で「触れる」という意味で、鍵盤楽器のために作られたテンポの速いパッセージを持つ曲に名付けられることが多い。「フーガ」は2つ以上の旋律を組み合わせていく曲のことで、大バッハが確立したジャンルである。ザ・ステップの編曲では各パートをオルガンのパイプの1本1本に見立て、主旋律を複数の奏者に分散した手法がとられ、あたかもオルガンの前で聴いているかのような立体的な音響効果が特徴である。

THE STEPTHE STEP

Profile THE STEP

元東京都交響楽団首席フルート奏者の野口博司とその門下生たちによって、1996年に「華麗なるフルートの響宴~野口博司とその仲間たち~」と銘打って開催されたコンサートをきっかけに結成されたフルートアンサンブル。メンバー全員がソロ、アンサンブル、吹奏楽、オーケストラ等においてプロ奏者として活躍している。特定の編成にこだわらない自由な演奏形態が特徴で、コンサートではフルート独奏から10名全員による大編成まで、幅広いレパートリーでプログラムを構成している。また大編成でも指揮者を置かないことをモットーにしており、メンバー全員がひとつとなって音楽を作り上げる姿勢を貫いている。これまでに3枚のCDアルバム「ザ・ステップ フルートコンサートⅠ・Ⅱ・Ⅲ」をリリース。

 

「ザ・ステップ フルートコンサート」」

TRACK 05| 小組曲 I.小舟にて

クロード・ドビュッシー

Petite suite I. En bateau / Claude Debussy

演奏:野勢善樹(Fl)、長谷川朋子(Hp)
CD「ル・ジャルダン・フェリック “妖精の園”」より

フルートのレパートリーに欠かせないフランス近代音楽は、ドビュッシーの印象主義で開拓された。『小組曲』の原曲はピアノ4手連弾のための組曲で、アンリ・ビュッセルがオーケストラ版に編曲している。原曲の初演は1889年にドビュッシー自身が行なっているが、当初はそれほど曲の評価は高くなかった。しかしドビュッシーの技法が取り入れられたオーケストラ版で、人気の曲の一つとなった。1曲目の「小舟にて」は、アンダンティーノで、オーケストラ版でもフルートとハープで演奏される。ゆったりとした優雅な曲である。

野勢善樹野勢善樹 大嶋義実 ル・ジャルダン・フェリック“妖精の園”

Profile 野勢善樹

国立音楽大学卒業およびパリ・エコール・ノルマル音楽院を卒業。1980年パリUFAM 国際音楽コンクールにおいて満場一致1位受賞。1996年ソロ・アルバムCD「妖精の園」をリリース。1999年文化庁派遣芸術家在外研修員として渡仏。2000年文化庁芸術祭参加リサイタル開催。Ch.ラルデ氏に師事しM.モイーズ、G.クリューネル、J-P.ランパルの諸氏のレッスンも受ける。現在、尚美学園大学および大学院兼任講師、「アンサンブル・インタラクティヴ・トキオ」代表。

 

「ル・ジャルダン・フェリック“妖精の園”」

TRACK 06| EyEris Waves

多久潤一朗

演奏:マグナムトリオ

多久潤一朗がリーダーを務めるフルートユニット『マグナムトリオ』の作品。“アイリス”(目の中の光彩という色を認識する器官)が様々な色彩によってウェイブしてしまうという意味があり、その様をマグナムトリオならではの特殊奏法で表現している。この作品の続編『アイリス・ウェイヴスⅡ』は、2015年に開催された新国立美術館「オルセー美術館展」のテーマ曲としてCMやコンサートで使用された。

野勢善樹

Profile マグナムトリオ

2006年、東京藝術大学在学中に結成。多久潤一朗、神田勇哉、梶原一紘による次世代型フルートアンサンブル。通常のフルートに加えピッコロ、アルトフルートやバスフルート、コントラバスフルートなどの特殊管、また尺ルート、リコーダーヘッドジョイント、スライドヘッドジョイント、コタトビーモードなどの改造頭部管を使う。フルートという楽器のイメージからは想像し得ない音響を生み出す様々な特殊奏法や超絶技巧を駆使するその特異なスタイルのパフォーマンスは世界的に注目を集め、日本各地はもとより、イギリス、カナダ、韓国など様々な国からオファーを受け、公演を行なっている。

TRACK 07| ソナチネ

ピエール・サンカン

Sonatine pour flûte et piano / Pierre Sancan

演奏:吉岡次郎(Fl)、長尾洋史(Pf) / CD「ソナチネ」より

パリ国立音楽院で教鞭を執ったピエール・サンカンは、ピアニスト、作曲者、指揮者として多彩な才能を発揮していた。『フルートとピアノのためのソナチネ』は1946年に作曲された、唯一のフルート作品である。フランス近代作品を代表するような流麗なこの曲は、パリ音楽院の卒業試験の課題として書かれ、当時のフルート科教授であるガストン・クリュネル氏に献呈されている。全体的にラヴェルの影響が見られ、曲は繊細で流麗なモデラート、徐々にダイナミックに展開するアンダンテ・エスプレッシーヴォ、快活なテンポ・アニメの3つ部分から成る。

吉岡次郎吉岡次郎 ソナチネ

Profile 吉岡次郎

武蔵野音楽大学卒業後、1999年スイスに留学。2002年バーゼル音楽大学院にて国家演奏家資格を最優秀の成績で取得し卒業。2002-2003年、バーゼル交響楽団研修団員。その後カールスルーエ音楽大学にて室内楽を学び帰国。これまで名古屋フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団などと共演。現在ムラマツ・フルートレッスンセンター講師。桐朋学園芸術短期大学音楽学部、洗足学園音楽大学講師。(公財)ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉 楽員。

 

「ソナチネ」

TRACK 08| ロマンス

フィリップ・ゴーベール

Romance / Philippe Gaubert

演奏:立花千春(Fl)、山田武彦(Pf)
CD「素晴らしき時間I トレゾア」より

フランス・ボルドー地方出身のフィリップ・ゴーベールは、フルーティストとして師であるポール・タファネルから絶賛され、16歳にしてパリ・オペラ座のフルーティストとして推薦されている。1919年からは同団の音楽監督、パリ音楽院フルート科教授、パリ音楽院管弦楽団の首席奏者も務めた。自身がフルーティストであったことから、フルートの作品を多く残している。『ロマンス』は、1908年に作曲されA.エネバンに捧げられている。ピアノとフルートが美しく絡みあう楽曲である。

立花千春立花千春 素晴らしき時間I トレゾア

Profile 立花千春

パリ国立高等音楽院、エコール・ノルマル音楽院、H.ベルリオーズ音楽院をすべてプルミエプリ(第1位)にて卒業。国内外のコンクールで多数上位入賞。水戸室内管弦楽団、サイトウ・キネン・フェスティヴァルへの参加など、様々な演奏活動を展開しているほか、各地でのリサイタルを行なっている。これまでにCDを多数発売し、いずれも大変高い評価を得ている。洗足学園音楽大学、上野学園大学各非常勤講師。

 

「素晴らしき時間I トレゾア」

TRACK 09| ソナタ・アパッショナータ 嬰ヘ短調

ジークフリート・カルク=エラート

Sonata(Appassionata)inF-Sharp Minor Op.140 / Sigfrid Karg-Elert

演奏:酒井秀明(Fl) / CD「ソロ・フルートの藝術」より

ドイツ出身のカルク=エラートは1902年頃から作曲家として活動を始める。前衛音楽が台頭し始めた20世紀初頭に、調性を拡張し、独自の半音階的な処方を発展し、かつエラート自身の色彩を兼ね備えた作曲技法を確立していた。彼の音楽は後にオリヴィエ・メシアンなどに影響を与えている。この『ソナタ』は1917年、第一次世界大戦でオーボエ奏者として入隊した軍楽隊でゲヴァントハウス管弦楽団の首席フルート奏者バルトゥツァートとの出会いにより誕生した。かなり精密に楽曲を作っており、“アパッショナータ”に相応しく激情が迸るような作品である。

酒井秀明酒井秀明 素晴らしき時間I ソロ・フルートの藝術

Profile 酒井秀明

国立音楽大学を1977年に卒業し、同年デトモルト北西ドイツ音楽大学に入学、パウル・マイゼン教授に師事。1979年ミュンヘン国際音楽コンクールで3位入賞。その後、ミュンヘン国立音楽大学マイスター・クラスに移籍し、1983年に卒業、同大学講師となる。同年9月、ジュネーヴ国際音楽コンクールで第2位入賞。1995年帰国。現在洗足学園大学客員教授。日本フルート協会副会長。

 

「ソロ・フルートの藝術」

TRACK 10| バラード Op.288

カール・ライネッケ

Ballde / Sigfrid Karg-Elert

演奏:紫園香(Fl)、藤井一興(Pf)
CD「安かれわが心よ」より

カール・ライネッケ(1824〜1910)はドイツ・ロマン派を代表する作曲家・ピアニスト・指揮者。フルートのための作品は、ソナタや協奏曲、そしてもう一つの名曲ともいえる『バラード』。バラードとは、14世紀にとくに親しまれた音楽形式のひとつで、暗く抒情的な作風が特徴。このバラードは作品番号から最晩年の作品とされる。オリジナルはフルートとオーケストラのために書かれた。深い悲しみが漂う中にも時折現われる温かい希望の響きに心打たれる。叙情溢れる佳曲。

紫園香紫園香 安かれわが心よ

Profile 紫園香

東京藝術大学附属高校、同大学、同大学院を各首席で卒業。川崎優、吉田雅夫、金昌国、M.モイーズ、A.マリオン、H.P.シュミッツ、一木瑛美、三浦由美、大友太郎、三上明子、各氏に師事。渡欧、モイーズ・マスターコース修了。第7回「万里の長城杯」国際コンクール他入賞多数。NHK洋楽オーディション入選。外務省招聘等により世界17ヶ国でリサイタル。ジュネーヴ国際芸術祭をはじめ国際音楽祭招聘多数。皇居にて御前演奏。東京文化会館・サントリーホールを始め国内主要ホールのリサイタルは常に高い評価を得ている。チャペルコンサート開催は世界1800ヶ所に及ぶ。その多彩な活動はNHKFM・TV、スイス放送をはじめ、世界中のメディアで大きく報じられている。現在、日本クラシックコンクール審査員。ムラマツ・フルート・レッスンセンター、ユーオーディア・アカデミー、日本バプテスト連盟東京バプテスト神学校教会音楽科、他各講師。ケニア「コイノニア教育センター」特別講師。SIONの風プレイズ・ミニストリーズ主宰。キリスト品川教会音楽伝道師。10枚のオリジナルCD、曲集「Bless you」、著書「愛の風がきこえる」を発売中。

 

「安かれわが心よ」

TRACK 11| ハンガリー田園幻想曲

フランツ・ドップラー

Fantaisie Pastorale Hongroise / Franz Doppler

演奏:さかはし矢波(Fl)、高山宜子(Pf)
CD「ドップラー・フルート作品集」より

フランツ・ドップラーはフルートの作品においては特に日本で人気の高い作曲家である。弟カールとともに、フルートのヴィルトゥオーゾとして活躍し、ともに作曲家として多くのフルートの名曲を残している。『ハンガリー田園幻想曲』はフルートと管弦楽のための作品であるが、今日ではフルートとピアノとして演奏されることが多い。曲は3つの部分から成るが、日本で特に人気の高い理由の一つに冒頭部が日本の馬子唄に似ており、日本人の感性に合っていることが挙げられる。東洋的な雰囲気とフルートのヴィルトゥオーゾを兼ね備えた名曲である。

さかはし矢波さかはし矢波 ドップラー・フルート作品集

Profile さかはし矢波

桐朋学園大学、同研究科卒。ドップラー記念コンクール入選、NHK 新人オーディション1 位合格、ジュリアス・ベーカーマスタークラスコンクール4 位。これまでにドップラー作品収録の2 枚のCD 他、計4 枚をリリース、専門誌に同作曲家研究を発表している。ソリストとして国内外でオーケストラとの共演、リサイタル活動をすると共にTV、ラジオのレギュラーとして数々の番組に出演。また音楽誌にエッセイ等を連載。アルソ出版より初エッセイ集「つれづれ放送局」を2012 年3月に発刊。現在、東京フィルハーモニー交響楽団、ラ・テンペスタ室内管弦楽団(フィンランド)フルート奏者。台湾・聖徳基督学院大学客員教授及び栃木市文化大使。峰岸壮一、ジュリアス・ベーカー両氏に師事。

 

「ドップラー・フルート作品集」




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