アンサンブルをパワーアップ! 練習法&必要な知識

THE FLUTE157号特集

質問内容:

Question

回答 Part2 吉野裕子(フルートカルテット)

吉野裕子

吉野裕子 Yuko Yoshino
東京音楽大学卒業。1995年よりフィラデルフィアにて時任和夫氏、2004年よりニューヨークにて、K.アンダーウッド氏に師事。室内楽を中心にオーケストラ、ソロ活動で活躍。1990年 より横浜にて7回リサイタルを開催し、好評を博す。1998年に南米2か国、2002年にハンガリー・ドイツ演奏旅行に参加。地域に根ざした音楽活動や後進の指導にも力を注ぐ。一般社団法人日本フルート協会理事、大和市音楽家協会会員、NPO法人櫻の会会員。

 

 

 

 

A1

自分の中に和音の響き(頭の中で響かせる)を持つことが大切だと思います。今吹いた音から次の音に移るときのイメージや、四人で響かせるための和音のイメージを持つ。そしてそのイメージ通りになるように狙って音を出すのが大切なことだと思います。平均律が必ずしも美しい響きではないので、4人で美しい響きを探してください。
また、少し難しいですが、ウィブラートの使い方も工夫すると良いと思います。その曲に合わせた速さや深さ、また際立たせたいパートは多めにかけて他のパートはほとんどかけない……等、いろいろ試してみてください。

 

A2

当たり前のことですが、まず自分のパートを練習して把握していることが大切です。 事前にスコアを見て、自分の役割を把握し、できれば自分が演奏している時の他の動きを頭の中に入れておくと良いと思います。もしスコアがない場合は初回の練習で、それぞれの役割を確認し合うと良いと思います。 自分のパートを余裕持って演奏できる状態にしておくと、アンサンブルした時に他のパートの動きを聴くことができて、効率良く練習ができると思います。

 

A3

自分で演奏をしながら完成度を判断するのは難しいので、第三者の耳として録音を取って皆と聴き合いましょう。スコアやパート譜を見ながら、より良くするためにはどうすれば良いかを考えていくと良いと思います。 余裕があれば、パートを入れ替えて演奏してみるのも良いと思います。新しい発見がありますよ!

 

A4

私が知っているのは下記のものです。 「フルート合奏のためのアンサンブル・エチュード」(北村薫 編纂・二宮洋 作曲/ムラマツフルートレッスンセンター出版) 使いやすい内容だと思います。また和声的な感覚を育てたいならコラールを題材にすると良いと思います。 アルトフルートやバスフルートが入るカルテットだと四声をそのまま使えますが(アルトフルートは移調が必要です)、スタンダードフルート4本の場合、ちょっと音が近すぎて厳しい場合もあります。

 

A5

フルートアンサンブルの他に共通の趣味や興味のあることが存在すると、会話も盛り上がると思います。他には休憩時間にオススメのスイーツを食べたり、持ち寄りランチをするとかも良いのではないでしょうか。 コンサートを一緒に聴きに行き、感想を話し合うのも良いかもしれませんね。

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