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Ocarina vol.33

タンギング徹底研究 -後編-

Ocarina をはじめとする管楽器を演奏するとき、舌の動きによって息の流れをコントロールするのがタンギングという技術。舌を使って息の流れを一時的にせき止めることで、音の出始めを明確にすることができます。
一般的にはシングルタンギング、ダブルタンギング、トリプルタンギングなどが使われていますが、このタンギングという技術は、イメージができていても実際に使うと、うまくできないという方も多いです。
「Ocarina はタンギングがすべてで、タンギングの上手い人はOcarina も上手く吹ける」と言われるほど、タンギングはOcarinaを演奏するうえで重要な技術の一つと言えます。
そこで前号に引き続き今回もタンギングについて解説します。

 

タンギングによる効果

大沢聡さん:僕の中で音を止める作業に使うのがタンギング。だから、タンギングをすれば音が止まるという効果が得られます。僕はこれまで一貫してタンギングはストップであると伝えてきました。これはオカリナだけでなく笛を吹くときの基本なんです。
これを踏まえて、曲の中でタンギングをするのは、音を仕切るためで、音が出ていない状態を作るということです。

 

善久(Zenkyu)さん:タンギングはニュアンスを出すときに使うもので、音の出だしがはっきりして太さが最初から揃うようにするために使います。タンギングをする、しないはオカリナを演奏するうえでは重要です。

 

渡辺ゆうさん:管楽器に共通したことですが、音に区切りができるということです。音の出だしがはっきりとわかるようになります。
もう一つ、音の出だしのタンギングとは別ですが、曲の途中でも次が休符のときや、曲の終わりのように次の音がないとき、最後の音の終わりはピッチが下がってしまい旋律が不安定になります。こういうときも舌で息の流れを止めることによって音の終わりも乱れず安定します。

 

本誌Ocarina 33号では、さらに詳しく答えていただきました!

大沢聡さん善久(Zenkyu)さん渡辺ゆうさん

● タンギングをする音、しない音
● 発音について
● タンギングを速くするには
● タンギング時の舌の状態・位置
● タンギング時の息のスピード
● タンギングを速くするためのコツ
● タンギングを速くするためのエクササイズ
● タンギングについて間違った認識
● 初心者に指導する時の伝え方

大沢聡
大沢 聡
国立音楽大学音楽学部器楽学科サキソフォーン専攻在学中にオカリーナと出会う。サキソフォーンを服部吉之氏、下地啓二氏に師事。2004年10月プロ活動を開始し、同年12月波多野杜邦氏制作のトリプレットオカリナ「イカロス」の提供を受ける。2006年イタリアで東洋人初のリサイタルを開催後世界中から賞賛され、国際的に活動する。伊勢神宮・伊弉諾神宮・石山寺・二条城などの歴史遺産でもコンサートを行なう。これまでに国内で8枚・海外で4枚のCD、3枚のDVDを世界的に発表。楽器創作では、2010年4月㈱プリマ楽器より、3オクターブの音域を持つトリプレットオカリナ「Osawa Ocarina」を全国発表し、複数管オカリーナの世界的普及に貢献する。クラシック、ポップス、ジャズ等、すべてのジャンルで賞賛を受け、なおかつ、楽曲と楽器の創作もできる唯一無二の演奏家である。2008年度国際芸術連盟音楽賞、第3回東京サミット音楽コンクール奨励賞を共にオカリナで受賞。国際芸術連盟専門家会員。日本著作権協会準会員。フォーカリンク株式会社(台湾)エグゼクティブ・ディレクター、台湾オカリーナフィルハーモニー協会理事。韓国パンフルート・オカリナ協会マスタークラス教授。国際オカリーナアンサンブルコンテスト審査員。イタリア・ブードリオ市名誉賞受賞。山梨市観光大使、山梨県公認の観光大使「やまなし大使」に就任。山梨オカリナ連盟顧問。
 
善久
善久(Zenkyu)
東京都出身。東京音楽大学卒。テューバを田中真輔氏に師事。雅楽の笙を13才より宮内庁雅楽部楽長、故豊雄秋氏、故多忠雄氏に師事。日本を代表とするオカリナ奏者の一人で、各地で幅広いジャンルの演奏活動をしている。現在、関東エリアの教室や同好会で約400名の生徒を指導。
2004年よりタイ、ベラルーシ共和国、シンガポール、アメリカ合衆国、カナダ、ロシア、チェコ共和国、フランス、ドイツ等で公演。2014年、2017年と2度のカーネギーホールの日米親善公演に出演し大成功を収め、凱旋公演では自らがプロデュースした「日米親善公演」が大好評を得た。2015年日光東照宮400年式年大祭奉納演奏。2016年ロシアのウラジオストク・フィルハーモニーホール「第25回記念春の国際芸術祭」日露友好公演に出演。2019年プラハのドヴォルザークホールで「日本・チェコ親善公演」に出演。(公財)日本野鳥の会の依頼により絶滅危惧種の鳥の楽曲を提供し、三宅島・新島・神津島等で自然保護の演奏活動を行なっている。東日本大震災後、福島県南相馬市の仮設住宅でボランティア演奏を続け、2012年より「野口英世記念ばんだい高原国際音楽祭」に毎年出演。2017年に「善久(Zenkyu)オカリナ合奏団(ZOG)」を設立し、国内外で活躍が期待される。「日本酒指導師範」の免許を持つ珍しい音楽家。
教則本「ZENKYU Ocarina Lesson」(サーベル社)より出版。公式ウェブサイト:www.zenkyu.com
 
渡辺ゆう
渡辺ゆう
東京都目黒区出身。神奈川県大和市在住。中学・高校・大学の吹奏楽・管弦楽にて、トロンボーンを学ぶ。2005年よりオカリナ講師・演奏活動をスタート。現在、神奈川県を中心に関東地方にてオカリナ講師・演奏活動を展開。これまでに「ゆうPゴールド SEASON1」「APPASSIONATO SEASONⅡ」の2枚のアルバムをリリース。ジャンルに捕らわれない自由な表現を創造し、オカリナの可能性を探求。オカリナをさらに多くの方に知っていただけるよう、精進している。
 







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