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【Ocarina vol.28】オカリナの素朴な音色に、 クラリネットとピアノの洗練された音が重なる

君塚トリオ

2018年9月に開催された南大阪オカリナフェスタ2018(第14回)にゲスト出演した、君塚仁子さん(Oc)、若林愛さん(Cl,EWI,Oc)、髙橋里沙さん(Pf)によるユニット「君塚トリオ」が本誌初登場。2015 年に結成し、同年には1st アルバムをリリースするなど、他に類を見ないユニットとして注目度の高さがうかがえる。そんな「君塚トリオ」の仲の良さがわかるインタビューをお届けしよう。

 

君塚トリオ
左から髙橋里沙、君塚仁子、若林愛

オカリナの音は人の心に寄り添う

─Ocarinaと出会ったのはいつですか?

君塚 短大時代にフルートを習っていた先生がオカリナも吹く方だったんです。それであるとき「オカリナをやってみないか?」と薦められたのですが、それほど興味はありませんでした。その後、その先生の師匠である山田恭弘さんをご紹介いただいて、半年ほどレッスンを受けました。誰かの演奏を聴いて感銘を受けた、というわけではなく自然な流れでしたね。

 

若林 私は数年前にアクロス福岡のイベントに出演したとき、プラスチック製オカリナをいただいたのですが、使っていませんでした。その後、仁子さんと某新年会で出会って、そのとき仁子さんの『コンドルが飛んでいく』を聴いて、オカリナの可能性を知り、興味を持ちました。仁子さんとはその場で意気投合して一緒にお仕事をすることになったんです。その本番で「オカリナを持っているなら一節だけ吹いてみない?」と提案され『春よ、来い』を吹きました。そのとき初めて人前でオカリナを演奏しました。

 

髙橋 私は君塚トリオに入って初めてオカリナと一緒に演奏しました。

 

─ Ocarinaの魅力は?

君塚 オカリナの音は人の心に寄り添い情感に訴えてくるんです。素朴な曲がとても合いますし、歌心のあるところやいろんな種類の音があるのも他の楽器とは違うと思います。
また、フルートだけでなく、サックスやクラリネット、トランペット、ホルンなどいろんな楽器をバックグラウンドにされている方がオカリナを吹いたときに起こる音楽的な違いも魅力的ですね。オカリナは歴史が浅いので混沌としている部分もありますが、これからの楽器だと思います。

 

若林 私は純粋に素朴な音が好きです。クラリネットでは吹奏感に少し圧力がかかるのですが、オカリナは話すようにスッと音が出るので素直でいい音に惹きつけられます。

 

髙橋 私は誰でも音が出せる楽器を演奏していますが、オカリナも息を入れたらすぐに音になるところが魅力ですね。他の管楽器を吹かせてもらったりするのですが、音がまったく出ない楽器もあります。その点、オカリナは気軽に始められる楽器だと思いました。

 

─ 君塚トリオ結成のいきさつは?

君塚 先ほど愛ちゃんが初めて会ったときの話をしましたが、そのとき「一緒に演奏してみない?」と、愛ちゃんを誘いました。そして一緒に演奏したとき、とても楽しかったんです。ピアノは里沙ちゃんではなく別の方でしたが、オカリナとクラリネットとピアノのサウンドが、こんなに合うとは思いませんでした。オカリナの素朴な音は、他の楽器の洗練された音とは交わりにくい一面があるのですが、クラリネットの性質なのか、音と音とをしっとりつなげてくれるんです。そういった相性の良さもあり、音に深みと広がりが出てきます。そこにピアノのキラキラした音が入ると、音の重なりがとても心地いいんです。
それでトントン拍子に話が進んで「じゃあ組んでみようか」と。ライブを2回くらい行なったあとにCD制作の話までいただいて、縁も相性も良かったんですね。2015年のことです。

 

若林 前のピアニストのときはグループ名がなく、君塚トリオとしてグループでCDを出そうということになり、私が仁子さんに「同級生で伴奏がとても上手なピアニストを知っています」と話したんです。オカリナとクラリネットの音色、そしてクラシックにもとても合うと思って里沙ちゃんを紹介しました。

 

さらにインタビューは続きます。Ocarina28号



君塚仁子 Noriko Kimizuka(Oc,Fl)
東京都出身。聖徳大学短期大学部音楽科卒業。同大学専攻科卒業。同大学研究科音楽専攻卒業。在学中、プリンツ・ヒェン・ガルテンフィルハーモニック管弦楽団に準団員フルート&ピッコロ奏者として所属。ソロ、アンサンブル、オーケストラで演奏する一方で、オカリナの演奏活動を始める。2002年韓国済州島にてHALLAウィンドオーケストラとオカリナで共演。2008年よりオカリナと2台のアイリッシュハープユニット「ゴシキヒワ」を結成。2015年3月「君塚トリオ」を結成。同年11月より、インターネットラジオOTTAVAの番組Gioiaプレゼンターを務める(現在放送中)。2017年11月NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』11月の月の歌『オカリナのリーナ』(作詞さいとういんこ)を作曲するなど、マルチアーティストとして活躍中。

 

若林 愛 Megumi Wakabayashi(Cl,Oc,EWI)写真左
神奈川県出身。洗足学園音楽大学を優秀賞を受賞し卒業。ヤマハ管楽器新人演奏会に出演。第五回クラリネットアンサンブルコンクール第1位、The Clarinet賞を受賞。2010年ユニット「カラフル」としてキングレコードよりデビュー。アルバムをキングレコードより4枚、ユニバーサルミュージックより2枚リリース。クラリネット教則本、作・編曲楽譜をロケットミュージックより多数出版している他、アルソ出版よりEWI曲集ELECTRIC COLORFULを出版。活動ユニットは君塚トリオ、木管五重奏カラフル、Megumi♡Kei。個人でもテレビ/CM出演、吹奏楽、オーケストラ、レコーディング、ライブやツアーで活動中。オリジナル楽曲ColorParetteがビュッフェ・クランポンの楽器練習アプリUrbanPlayに日本人クラリネット奏者として初採用される。D'Addarioマウスピースの広告を担当。AKAI professionalエンドーサー。ビュッフェ・クランポン契約講師。

 

髙橋里沙 Risa Takahashi(Pf)
東京都出身。洗足学園音楽大学ピアノ科卒業、同大学専攻科修了。幼少の頃よりヤマハ音楽教室にてピアノとエレクトーンに親しむ。2002年第3回スガナミピアノコンクールにて金賞、2004年第5回同コンクール銀賞受賞。これまでにピアノを橋本佳奈、國谷尊之、武田一彦、曲尾雅子の各氏に、エレクトーンを杉谷育子、常田春美、桑原哲章の各氏に、ソルフェージュを石原真氏に師事。2009年度山田武彦ピアノ伴奏塾を受講。現在は音楽教室での指導の他、声楽や合唱、器楽の伴奏など、アンサンブルの分野で活動中。2015年6月「君塚トリオ」参加。





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