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もうひとつのOcarina物語│第27回 特別編 Seiko(葉山青子)─後編─

”あなたのことを想っています“-そんなメッセージを込めた演奏を届けて

Ocarina奏者の植田篤司氏をナビゲーターに、Ocarina界に貢献してきた人物や団体を紹介していく「もうひとつのOcarina物語」。今回も特別編後編として、台北、兵庫、東京をオンラインで結び、台湾で活躍中の日本人Ocarina奏者Seiko(葉山青子)さんに話を聴いた。

 

 

Seiko

Profile
Seiko(葉山青子)

沖縄県那覇市出身。幼い頃から音楽に触れ合い、高校時代には、沖縄県リコーダーアンサンブルコンクールで金賞を受賞。台湾大学を卒業し、台湾に定住。2010年から数年間、台北オカリナ楽団、Rubato オカリナ楽団、Jokarina に所属し、台湾以外でも、日本、韓国、北京等で演奏。2011年台湾Culture 文化文化杯音楽大賞オカリナ部門第1位を受賞。オカリナ奏者としての実力が認められ、2014年8月に、北京で行なわれたアジアオカリナフェスティバルのオカリナ演奏家名家コンサートで、台湾を代表する演奏家として出演。それ以来、2018年4月のフォーカリンク国際オカリナフェスティバル、同年8月に香港で行なわれた第5回アジアオカリナフェス等でも台湾を代表する演奏家として出演。その他、数々の日台の交流コンサートに参加。2015年から台北市政府付属市立文献館のイベントの企画に協力し、日本時代の建造物である西本願寺で、オカリナFor Fun 音楽会等を2回開催。2016年には同じく西本願寺で個人のコンサートを開催。日本のアーティスト、Pepe Shimada とのコラボを始めとし、様々な音楽活動を行なう。2017年には、台湾の有名なミュージシャン江美琪さんの“親愛なる世界”という曲のオカリナパーツを演奏し、「恋はドキドキ~ Memory Love」というドラマの挿入歌として採用されている。

 

コロナ終息が見えた台湾事情

植田
前回のインタビューから3ヶ月ほど経ちました。台湾の新型コロナウイルスの状況はどうですか?
Seiko
ほとんど感染者がいないのでほぼ通常の生活に戻っています。10月10日に台湾の国慶記念日があり5万人ほど集まりました。病院や郵便局、公共交通機関などでは、入口で検温とマスクが必要ですが、街中ではマスクをしている人はほとんどいません。
オカリナのレッスンも8月末に再開しました。私はホテルや教会などの広い会場でレッスンをしているので、ソーシャルディスタンスがとりやすいということもあると思います。まだ再開できていないところもあるようですし、オンラインレッスンを採用しているところもあるそうです。
植田
日本ではパーテーションやビニールシートをつけてレッスンをしている教室もあります。コンサートの状況はどうですか?
Seiko
最近はもう普通にライブやコンサートも行なわれています。ただし、会場に入る前の検温とマスクが必要になりますが。6、7月以前は席を一つおきに開けなきゃいけないとされてたのも、今は、その規制もなくなって、普通に隣同士に座れます。10月18日にも大安森林公園駅の地下街でオカリナのイベントが行なわれました。
植田
さて、台湾のオカリナ事情をお聞きしたいのですが、台湾のオカリナ愛好家の年齢層は?
Seiko
30~60代です。子どもたちは放課後のクラブ活動で先生が教えている学校もあります。ただ台湾はリコーダーのほうが盛んです。というのは政府が主催しているリコーダーのコンクールがあって補助も受けています。イベント参加のための旅費なども予算に組み込めるのです。でもオカリナには補助がないから、台北でイベントがあっても中南部の子どもたちは参加するための費用、旅費をどう工面するかが問題となっています。オカリナを指導している先生が自己負担することもありますが、それも何度も負担はできません。オカリナを広めたいと活動している方も多いのですが、そういう現実的な意味もあって、なかかなか前に進めないというのが実情です。
植田
オカリナのコンクールは開かれていますか?
Seiko
最近はほとんど行なわれていません。10年ほど前にフォーカリンクさんたちが開きましたが、それ以降は台湾国内では難しいと思います。ただ台湾オカリナ協会や台北オカリナ協会が主宰するオカリナのイベントはそれぞれ年1回ずつあります。
植田
Seikoさんが使っているオカリナは台湾のものですか?
Seiko
私が使っているのはオオサワオカリナから新しく発売されたμ(ミュー)のプロトタイプです。もともと試作品だったようですが、改良していただきました。他には同じくオオサワオカリナのアニバーサリー。オオサワオカリナは私のお気に入りで、音程が取りやすく、吹きやすく計算されて作られていますね。
また、最近では中国人の好みを意識して、フォーカリンク社から大沢聡モデルが発売されています。強めに息を入れても柔らかい音がする楽器になっています。オカリナは強く息を吹き込むとコントロールが難しくなりますよね。高音から低音に移った時に息をコントロールできるか、が重要なのでこの楽器は上級者向きだとは思います。

 

インタビューはさらに続きます。全文は本誌Ocarina Vol.35でお楽しみください。

 







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