Ocarinaアンサンブルをもっと×2楽しく、美しく—デュオ編—
Ocarinaを演奏されている方の多くがアンサンブルを楽しんでいると思います。アンサンブルと言ってもそのスタイルは様々で、二重奏もあれば、四重奏、五重奏、イタリア伝統の七重奏、また他の楽器との組み合わせもあり、可能性は無限大に広がります。そこで、今号よりシリーズとしてプロ奏者にアンサンブルの楽しさや、演奏時のポイント、コツなどを語っていただきます。
第1回目のデュオ編では、デュオで活躍する5組10名の奏者の方々が、その楽しさや演奏のコツなどを教えてくれました。それらの中から抜粋したものをここでご紹介します。
アドバイスをいただいた奏者の方々
●オカリナデュオうらら(Nao Aya)
主にメロディ担当のNaoとハーモニーやリズムを担当するAyaの2人で構成。それぞれがフルート奏者として活躍する中、2003年【オカリナデュオうらら】を結成。多方面にわたる演奏活動の他、オカリナの世界を広め誰もが気軽にオカリナを楽しめるよう啓蒙活動にも余念がなく、また講師活動も積極的に行なっている。2009年に発売された1stCD「その勇気を忘れないで」のタイトルにもなっている同名曲はフジテレビのドラマにも起用され、大きな反響を得た。2人の奏でる独自の音に高い評価をするオカリナメーカーが2人のためにモデルを開発するなど、今後の展開を期待されている。
●オカリナデュオ「水平線」(しぶ おんぷ & やまねこ)
中部国際空港セントレアを望む海辺の町・愛知県常滑市出身のしぶ おんぷと、やまねこの二人で2000年に結成。愛知、岐阜を中心に演奏活動を続けるオカリナ2本のアコースティックユニット。サークル指導やオカリナ制作ワークショップ講師、カンボジアの音楽振興・産業振興を支援する「クメールオカリナプロジェクト」のサポートなどを通じて幅広い世代にオカリナの楽しさを広めている。
●デュオ・セルリアン(森下知子 & 千井慶子)
ともにサクソフォン奏者として活動の中、オカリナの音色に魅せられデュオを2013年に結成。晴れ渡る空の色セルリアン・ブルーのイメージ、そしてフランス語で「絆(きずな)」を意味する「LIEN(リアン)」から。数種のサクソフォンとオカリナを用いてあらゆるジャンルの音楽を聴かせるコンサートを展開。第1回日本オカリナコンクール・合奏部門にて第一位、および総合グランプリを受賞。奈良県在住。
●サクソフォン&オカリナViVi(小峰松太郎 & 小林洋子)
1995年結成! 当時はサクソフォーンのみであったが、2006年よりオカリナ演奏を始める。「お客様がますます元気になってくれるコンサート」を目指して積極的に活動中。第2回日本オカリナコンクール・デュオ部門にて第1位、および総合グランプリを受賞。
●ブルーローズ(Minako & Emi)
1997年、ニューヨーク カーネギーホールにて「熊本音楽短期大学(現在、平成音楽大学)創立25周年記念コンサート」に、二人ともクラリネット奏者として出演。1999年に立ち上げた、オカリナトリオ「ANDANTINO」での長い活動を経て、2012年に女性らしい、優しく、美しい、癒しの演奏を目指し、オカリナと歌のデュオ「ブルーローズ」を結成。同年オリジナルアルバムCD「銀河のほとりで逢いましょう」をリリースする。CDリリース記念イベントとして、生のフルバンドでLIVEを開催し、早くからsold outになる程、多くの観客の前で大成功をおさめる。そして、2014年 「日米親善オカリナフェスティバル」に出演。再び、二度目のニューヨークカーネギーホールに、今度はオカリナ奏者として立つ。2015年 4月は、中国での「フォーカリンクインターナショナルオカリナフェスティバル」に出演。中国より帰国後、「くまもとオカリナの会」を立ち上げ、デレビや新聞でも活動が高く評価され、多方面において精力的に活動している。ブルーローズ Minako においては、現在、「オカリーナ奏者大沢 聡認定講師」として活動中である。
アンサンブルの良さを教えて!
●同族楽器での美しいハーモニーを奏でられること。アンサンブルはお互い影響しあいながらの「音の会話」、共演相手次第で違う音楽ができ上がる面白さがあります。(森下知子)
●一緒に演奏する人の音楽性や演奏技術に触れ、一人では表現できなかったり、考えもつかなかったことが見えてきます。実際の音となり音楽となる! この瞬間が最高です!!(小林洋子)
デュオで演奏する楽しさは?
●手軽さでしょうか。オカリナという楽器はポケットから取り出し手軽に演奏できるように、デュオも気軽に奏でることができます。また、音数は少ないですが、3つ目の音が聞こえてきたりと不思議な魅力を持つのがデュオです。その反面、ピッチのズレや縦線のズレがすぐに表に出てしまう難しさはあります。(しぶ おんぷ)
●表現がしやすくなると思います。デュオですので、相手は一人。その時その時、相手の演奏の細かな表現の変化をキャッチして合わせたり、自分がこうしたいと演奏すれば、ついてきてくれる、といった感じです。(Aya)
デュオで演奏するときの注意点
●相手の音を良く聞くこと、タンギングの仕方や、歌い方を合わせていくことです。呼吸も意識します。(Nao)
●水平線は無伴奏のオカリナデュオですので、テクニック以前に気をつけていることが3つあります。
1.オカリナの温度管理
2.オカリナの相性
3.不測の事態に備えて (やまねこ) ……詳しい内容は、本誌14号で。
2人の音程を合わせるコツ
●一緒にたくさん練習することだと思います。長時間演奏すると、相手の動きや音程感がつかめてきます。音程が合わなくても、レパートリーのようにずっと練習しているとだんだん合うようになってきます。あっ、音程はこのポジションだな……!と感じとれるようになります。もちろんお互いの音をよく聞いて合わせる努力も必要だと思います。(千井慶子)
●ズバリ、自分のパートを声に出し歌ってみることです! 声に出すこと、そのものが正しい音程を出すために必要な要素を多分に含んでいます。皆さんカラオケを思い出してください。カラオケで歌う場合、前奏を聴きその中で「テンポ・高さ(調)・拍子・小節数」などを考えて歌いはじめているわけです。ぜひ、恥ずかしがらず歌ってみてください!(小峰松太郎)
……いかがでしたか?
Ocarina14号本誌に掲載の特集『Ocarinaアンサンブルをもっと×2楽しく、美しく —デュオ編—』より、ほんの一部をご紹介しました。
このほか、本誌にはデュオの効果的な練習方法や、登場した奏者の方々ご推薦の“デュオ演奏におすすめの曲”なども載っています。
また、小山京子さんの「今日からチャレンジ!オカリナ・アンサンブル —特別編—」では、デュエット楽譜『エデンの東』を掲載、二人の生徒さんによる誌上レッスンを行ないました。レッスン前・レッスン後で、どんなふうに演奏が変わった…?? その模様を、添付のCDで聴くことができるCD連動企画になっています。CDと併せて、楽しく学びながらデュオの世界を味わってくださいね。
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