世界初のオカリナ専用弱音補助装置「吹けるん」
昨年10月、中国の上海にて開催された楽器フェアで初お披露目となった「吹けるん」は、世界初のオカリナ専用弱音補助装置。この発明者である、みるとさんと、そのアイデアを形にした株式会社長峰製作所の技術アドバイザーである草薙 徹さんに「吹けるん」の魅力を語っていただいた。
上/基本セット(税抜2,780円)は、装着ピース、吹き口2種類、中栓は弱い息を想定した6種類。また発売記念の特典としてアダプターをセット
下/こだわりセット(税抜1,160円)は、中栓が6種類、吹き口2種類です。基本セットと、こだわりセットを合わせてコンプリートセット(税抜3,700円)も用意
―「吹けるん」の開発に至った経緯は?
みると 僕の場合、特殊奏法を考えたりして他の奏者がやらないようなことに取り組んできましたが、人のニーズに応えてこそ対価は生まれてくると思うんです。その対価を、平和のために思う存分使いたいという想いがありました。
そこで、オカリナ業界のニーズはなんだろうと考えるようになり、着目したのが、言わずもがな音の問題です。オカリナ愛好家の悩みナンバーワンじゃないですか。それから、練習場所などの問題を考え、音を小さくできないか、弱音できないかと、アイデアを膨らませました。
オカリナはだんだんと息を弱めていくと、極端に弱い息の時、通常と同じ音程で、しかもものすごく小さな音が出せます。それを裏声ならぬ“裏音” と勝手に名付けました。そういうオカリナの特性を見つけたのですが、裏音を出すには、かなり細かい息のコントロールが必要なんです。でも、息を調整するものがあれば簡単に弱音ができるんじゃないかなと思い、楽器を密閉させるパーツを買って改造していた時にマウスピースという発想が生まれました。そして、ようやく「吹けるん」の原型となるものができたんです。そんな時に長峰製作所さんとご縁があって「実はこういうものを考えています」と、話したら、草薙さんにいろいろなアイデアをいただきました。
─このアイデアを最初に聞いた時の感想は?
草薙徹 率直に言うと、私は四国の田舎で生活してますので、弱音器の必要性をあまり感じていませんでした。またみるとさんのアイデアをお聞きして、こんな単純なものでいいのかなとも思いましたし、ものづくりの立場からアドバイスしていけば、もっといいものが出来るのではと思いました。
最初にお話をいただいた時は全体的にシリコン(合成樹脂)を使っていたのですが、それでは成形する時間がものすごくかかります。でしたら30秒くらいで成形できるエラストマー(弾性のあるゴム状の物質)という素材を使って造ったほうがいいのではないかと提案しました。
その後も、ものづくりの立場からいろいろと提案しましたが、みるとさんはデザイン的なこだわりもあって、妥協点などを見つけながら開発を進めていきました。
この続きはOcarina20号で。
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