サックスという楽器を知ろう♪【第5回】

日本は世界を席巻するサックス生産国!

どんなメーカーがあるの?

国産の二大ブランドはヤマハヤナギサワです。モノづくりにおいて日本の製品は世界に誇れるほど高いクオリティを持っていると言えます。ヤマハとヤナギサワは、国内だけでなく、海外でも愛用されているブランドです。
海外ブランドはたくさんありますが、最も有名なのはセルマーでしょう。他にもビュッフェ・クランポン、コーン、キャノンボール、カドソン、ポール・モーリア、カイルヴェルト、ジュピターなど様々あります。

ヤマハのサックスはどんな楽器?

アルトでは価格もお手頃で入門用として最適なYAS-280や、上位モデルと共通のパーツも多く、操作性の向上が図られているアルトYAS-380とテナーYTS-380をはじめ、ハイエンドモデルのカスタムシリーズまで多彩なラインナップがあります。
学校の吹奏楽部でサックスを始めた、という人はヤマハのエントリーモデルで初めて楽器を吹いたという方も多いのでは?
エントリーモデルは、楽器を始める人にとって音の出しやすさや確かな音程などを重視して作られています。上位モデルでは、プロを満足させてくれる豊かなサウンドを出すことができます。
1970年にヤマハが吸収合併した日本管楽器株式会社(ニッカン)は、日本の菅楽器製造のパイオニア。海外製品を手本にして、楽器を完成させ、その後ヤマハ株式会社が経営に加わり、開発が発展したと言われています。なお、ヤマハとしてのサックス第一号のYAS-1、YTS-1は、昭和42年(1967年)に発売されました。その後ヤマハはユージン・ルソー、フィル・ウッズなど様々なジャンルの第一線で活躍しているプレイヤーのアドバイスを受けながら、研究、開発に取り組み現在の素晴らしいサックスを生み出しました。

 
ブラインドホールドでヤマハのサックスを試すルソー氏

ヤナギサワのサックスはどんな楽器?

1954年テナーのT-3から製造が始まったヤナギサワ。ジャズはテナーがスタンダードだったこともあって、テナーから開発を始めたそうです。80年代に発売した「エリモナ」シリーズから、遠達性のある音色が一層定着しました。この「エリモナシリーズが、ヤナギサワオリジナルになった感じ」と、現社長の柳澤隆信氏が語っています。
1999年に管体シルバー製のシルバー・ソニックを、2014年にはWOシリーズを発売し、国内二大ブランドの地位を確立したといえるでしょう。
ヤナギサワのサックスは東京・板橋区にある町工場で、サックスに必要なおよそ600のパーツのほぼすべてを約100人の職人が作り出しています。日本人ならではの細部にまでこだわった楽器はとても美しく、Made in Japanが感じられるサックスです。息が通りやすく音の芯が感じられる音色です。

 
ヤナギサワのサックスを支えてきた技術者

世界を牽引するセルマー

1885年にヘンリー・セルマーがセルマー・パリ社を創業し、リードやマウスピースの生産を始めました。最初のサックスは1921年12月31日に“モデル22”のアルトが誕生しました。戦後の日本にはセルマーの代理店が数社存在しましたが、1972年に集約され、野中貿易が日本総代理店となっています。その後、日本国内での販売数は飛躍的に向上し、全世界でのトップセールスを記録しているアメリカと肩を並べるまでに成長を遂げています。
特筆すべきは、1954年に誕生しサックスの歴史を変えたと言われるほどの銘器セルマー・マークVI。優れた操作性のキーシステムや洗練された音色など、現在のブランド、モデルすべての基礎となったサックスです。生産年数が長かったこともあり、ベルの大きさや金属の改良、トーンホールの位置関係の見直しなどのマイナーチェンジが施され1973年まで製造されました。
1980年にはスーパーアクション80、86年にはスーパーアクション80シリーズII、95年にはシリーズIII、2001年にはリファレンスと続々と人気シリーズがラインナップされています。2014年にはアドルフ・サックス生誕200年とセルマー・パリ社設立130年を記念した限定アルトを発売。これはアドルフ・サックスのオリジナルモデルのデザインを各所に採用した楽器です。

selmer
 
1948年からセルマー・パリ社のテスターを務めていたマルセル・ミュール氏
サックス