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ビブラートの極意に迫る〜How to Vibrato

THE SAX 64 特集2
本多俊之 × 彦坂眞一郎

クラシックとジャズというジャンルの垣根を越え、サックス五重奏「HIGE FIVE」や室内楽トリオ「SMILE!」の共演などで長年にわたって交流がある本多俊之さんと彦坂眞一郎さん。今回、お二人に「ビブラート」をテーマに対談していただいたところ、各分野で活躍する著名ミュージシャンのスタイル、効果的な練習方法、また波形の研究についてなど多くの話題が飛び出すこととなった。

彦坂本多トップ

時代と共に変化するビブラートのカタチ

――
お二人がビブラートを習得したのは、サックスをはじめてどれくらいの時期でしたか?
彦坂
僕は中学のブラスバンド部でサックスを始めて、半年経たないうちにもうかけ始めていました。デファイエやミュール、ロンデックス、ヴィンセント・アバドーなどがビブラートを使って演奏するCDを聴いて、これは何ですかと顧問の先生に質問したら「顎を動かすとできるよ」と教わってやり始めました。
本多
僕は、全体の中のひとつの要素として捉えているので、ビブラートだけを練習した経験はあまりないです。ジャズの場合、音色やスタイルを模倣するところから始まるので、自分のアイドルになったプレイヤーのビブラートを真似るという感じですね。あんなふうに吹きたいなと思ってその演奏をコピーしていると、イントネーションやしゃくりなどを真似するのと同じようにビブラートも自然にやっていました。
彦坂
僕も一生懸命やるというより、ワワワと言えばかかるなという感覚でした。よく「アンブシュアが固まるまではビブラートをかけちゃダメだ」という話を聞くけれど、まったく関係ありませんでした。だから、僕の弟子には初心者でもできるだけ早い段階でビブラートをかけるように言います。ただ、音をまっすぐ伸ばせない人はダメですね。不安定なものに波はのせられないですから。
――
ビブラートを参考にした奏者はいましたか?
本多
最初はフィル・ウッズかな。なんて艶っぽいんだと思って、その部分をコピーしました。自分では意識しているつもりはなかったけれど、……

 

須川展也 × 雲井雅人

THE SAX 64号の表紙と「COVER STORY」に登場してもらった日本のサックス界を代表する両巨頭にも、ビブラートについて考察してもらった。

雲井須川トップ
須川
ビブラートには2つの着眼点があり、そのバランスを欠くと愛される演奏にならない可能性があります。
一つはマルセル・ミュールが提案したビブラートの波の早さで心地よく感じるのが四分音符=72に4つ入れることです。これはアメリカのショービジネスで演奏されていたビブラートをミュールが取り入れるときに、練習方法のアイデアとして四分音符の中に4つの波を入れると心地いいですよ、と伝えたのです。……
雲井
ビブラート自体をレッスンで教えることは少ないですね。もちろん倚音や解決した音でかける、かけないを教えることはありますが、それに縛られてしまっては演奏によい影響を与えません。
美しいビブラートをかけるために、その前提として「美しい音」がなければいけません。ではどうやったら美しい音がかけられるかと考えて、僕は昔、楽譜売り場のサックス以外の教則本を片っ端から見てヒントになるものはないかと探しました。……
 

 

Quatuor B(クワチュール・ベー)

日本各地の老若男女に音楽の感動を伝え続けるカルテット、クワチュール・ベーの各メンバーに、ビブラートに関する5つの質問を投げかけた。豊富な演奏経験に裏付けられた、実践的なビブラート論にじっくり耳を傾けよう。

QuatuorBトップ

質問
1.ビブラートはどこでかけていますか? 顎? 口? 喉? 腹?
2.ビブラートは曲やフレーズによって変えますか?
3.美しいビブラートを得るための具体的な練習法を教えてください。
4.ビブラートを練習するのに適したエチュードは?
5.美しいビブラートを定義するとしたらどんな表現で?

 

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