THE SAX vol.84

JVC CLASS-Sシリーズ × 小林香織  アーティストが伝えたかった音を再現する 

スマートフォンやポータブルプレイヤーの普及に加えて、音楽配信がさまざまな形で広がりを見せる昨今。誰でも手軽に音楽を楽しめるようになった。その中でアーティストが伝えたかった本来の“生音”を再現できれば、リスナーとしてもプレイヤーとしても新たな世界が広がるはずだ。常に第一線で活躍し続けるサックス奏者小林香織さんとともに、“上質な音”を探求していこう。(THE SAX84号より)

数百、数千万円規模のオーディオシステムを組めば、理想の音を再現できるかもしれない。しかし今回の趣旨はあくまでも“誰でも手軽に最上級の音を楽しめる”こと。そのコンセプトに合致した製品が、JVCの「CLASS-S」シリーズだ。 同シリーズは、常に“原音探究”をコンセプトに掲げてきたJVCというブランドが行き着いた、ハイクラスヘッドホンシリーズ。ライブ、レコーディング、音楽制作など、日々音のクオリティと向き合い続ける小林さんに、まずはインナーイヤーヘッドホン『WOOD 01 inner(HA-FW01)』で、普段使っているスマートフォンの音源とハイレゾ音源を続けて試聴してもらった。


WOOD 01 inner(HA-FW01)
すべてが鮮明で、豊かな音
小林 まずは私の好きなバーシアの曲で聴いてみましょう。バックは打ち込みではなく生演奏です。 (しばらく試聴) ……これはすごいですね。今までよく聴いてきた曲なのに、急に靄が晴れて視界がひらけたような、ゴージャスな印象になりました。と言っても決してどこかの帯域を誇張しているわけではなく、高音、低音、そして中音域まですべてが鮮明に聴こえてくるので、全体としての聴こえ方が豊かになりました。イヤホンによってはハイやローだけ強調しているものもありますが、これはバランスが素晴らしい。もっと色々な音楽を聴きたくなりますね。
“木”の振動板を採用
楽器のように美しい自然な響きを再現するため、“木”の振動板やを採用した人気モデル。外観のみならず内部にも木製パーツを採用したこだわりのインナーイヤーヘッドホン。マスターサウンドに忠実に再現するために、JVCの“音のプロ集団”が何度も試作と調整を繰り返し、構造から装着感まで徹底的にこだわり抜いた逸品。
WOOD 01 (HA-SW01)
圧倒的なライブ感で、 心から“音楽”を楽しめる
続いてバンドポータブルヘッドホン『WOOD 01(HA-SW01)』を試聴。

小林 ありきたりな表現ですが、とにかく“リアル”です。定位がはっきりしていて、どの楽器がどこで何をやっているのかがよくわかります。私はライブでセンターにいることが多いですが、まるでステージに立っているような感覚。音源を聴いているというより、その音楽の中にいる。生演奏との相性が抜群ですね。 自宅で使っているモニター用ヘッドホンはやはり作業用という感じで、純粋に音楽を楽しみたい場合は絶対にこちらを使います。音楽そのものの魅力を再発見できるヘッドホンです。 音に関しては先ほどのインナータイプと同様に、中音域といった「あってほしい部分」がしっかりと聴こえてきます。音質が非常にクリアなので、ギターの弦を弾く音、ドラムのスネアの余韻、ストリングスのクレッシェンド時の広がりなど、それぞれの楽器の細かいニュアンスが伝わり、結果“ライブ感”を生み出しています。 私のアルバム『MELODY』を聴いてみましたが、サックスの音も良い意味で何も装飾されていない、つまり生音の質感を感じます。他のイヤホンやヘッドホンだと、どうしても何かフィルターを通したような印象があって、高音が耳に刺さることもありました。このヘッドホンはスタジオの高級スピーカーのような、プロフェッショナルな音を鳴らしてくれるので安心して聴けます。こんな音、普段の生活の中ではそう味わえないんじゃないかなぁ。
小林香織 jvc wood 01
Portable AMP 01(SU-AX01)
圧縮され削られた部分が、明瞭に蘇る
さらに上質な音を求めて、ポータブルヘッドホンアンプ『SU-AX01』を試してみよう。小林さんもポータブルアンプの使用は初めてだという。

小林 すばらしいですね! さっきのイヤホンとヘッドホンだけでも十分満足のいくクオリティでしたが、なるほど、さらにポテンシャルを秘めていたんですね。 具体的には、今まで気付かなかった音が聴こえてきました。「あれ? こんな音入ってたんだ」って。元の音源の中で音痩せしていた部分が補強されて、音の根幹部分がより安定した印象です。ハイレゾ音源の原音感は圧巻なのですが、スマートフォンの音源でもここまで変わるということが驚きでした。このサイズですごい技術を詰め込んでいるんですね。いつも聴く音がこんなに豪華になるのなら、バッグに入れて常に持ち運びたくなりますね。
小林香織 JVC Portable AMP 01
ポータブルヘッドホンアンプとは
スマートフォンやポータブルプレイヤーといったデジタル機器には音を鳴らすためのアンプが搭載されているが、小型化やバッテリーなどの影響でどうしても満足いく出力パワーが得られない。そこで高品質アンプを搭載したポータブルアンプを介すことで、ハイクラスなイヤホンやヘッドホンの本来持つ実力を最大限引き出すことが可能となる。。
JVC Portable AMP 01
アーティストの音成分を、楽しみながら理解する
さて、一通りの製品試聴を通して“手軽に最上級の音”を手にいれることは叶ったのだろうか。

小林 想像以上でした。どの製品にも共通して感じたのが、アーティストが意図している音の広がりをちゃんと再現してくれていること。楽しい曲はより楽しく、切ない曲はより切なく。表現したいところをプッシュしてくれるような印象ですね。だから聴いていてすごくワクワクするんです。 音楽を作る側としては、音のイメージはもちろん演奏したときの生音を覚えていますから、このような製品で聴いてもらえることは嬉しいです。また、リスナーとして自分自身も常にこんな音で聴いていたいなと。 あとはサックスの音の高い再現度。これはサックス奏者にとっては、音を楽しむ以外にもメリットが大きい部分です。 サックスは、音の作り方によって顕著にキャラクターが変わってしまう楽器。倍音の成分によってその人の味が出たり、聴く人に感動を与えることになるので、サックス奏者は倍音にとことんこだわります。だから倍音が削られずに音が痩せることなく聴こえるこれらのハイクラスなCLASS-Sシリーズは、上達においても非常に有効です。とにかくいろいろな音の要素を研究できますからね。 自分の演奏を録音した音、目指すアーティストの音。そこに倍音がどれだけ含まれているか、音色や音のニュアンスはどんな傾向にあるか。それこそ顕微鏡で見るかのようによく聴いて研究することが、上達の近道であることは間違いありません。

 

JVC ハイレゾ対応インナーイヤーヘッドホン
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小林香織氏のインタビュー掲載誌
THE SAX 84号
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