THE SAX vol.104│Disc Review【CLASSIC】

「イニシャルS」白井奈緒美

イニシャルS

「イニシャルS」白井奈緒美

【OVCC-00160】¥3,300(税込)
オクタヴィア・レコード
[演奏]白井奈緒美(Sax)、福井麻衣(Hp)、大石将紀(Sax)
[収録曲] 酒井健治:イニシャルS/霞の中で、藤倉 大:ダッシュ、ピアソラ:「タンゴの歴史」より カフェ1930、ナイトクラブ1960 、イベール:間奏曲、ドビュッシー:月の光

 

白井奈緒美氏はくらしき作陽大学音楽学部を卒業後、パリに渡仏。パリ国立高等音楽院サクソフォン科を一等で卒業し、フランス、オランダ、スロヴェニアなどのヨーロッパなどでコンサートに出演してきた実力派クラシック奏者だ。2008年に帰国後は、シュトックハウゼンのパイオニアとして現代音楽の普及にも務めている。2010年には“Sプロジェクト”を立ち上げ、精力的に活動を展開し、新しいサックスのレパートリーを送り出してる。
今回リリースされた「イニシャルS」は、Sプロジェクトの10周年を記念して作られたアルバム。白井氏が委嘱初演を行なった酒井健二の『イニシャルS』『霞の中で』や藤倉 大『ダッシュ』をはじめ、ピアソラ、イベール、ドビュッシーを収録。初アルバムでありながら、クラシカルサックスの可能性と方向性を示してくれている。共演の福井麻衣氏、大石将紀氏と共に白井ワールドを奏で上げた、集大成として想いの詰まった一枚をじっくり楽しみたい。

 

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