サックス記事 東京スカパラダイスオーケストラ スカの博覧会!「WORLD SKA SYMPHONY」へようこそ
THE SAX vol.40 Cover Story

東京スカパラダイスオーケストラ スカの博覧会!「WORLD SKA SYMPHONY」へようこそ

スタイリッシュ、情熱的、カラフル、怒濤のホーン……。 我が国に「スカ」という音楽を根付かせ、そのトップをひた走る東京スカパラダイスオーケストラ(以下スカパラ)を形容する言葉は後を絶たない。2009年より “20周年メモリアルイヤー” として「トーキョースカジャンボリー」を始めとする様々なイベントを成功させてきた彼らが、21周年目への架け橋として発表した渾身のアルバム「WORLD SKA SYMPHONY」は、豪華ゲストの参加を含めて発売前から大きな話題となっている。今回本誌では、スカパラの屋台骨とも言えるサックスセクションGAMO氏、谷中敦氏のダブルインタビューを敢行。21年目に向けて突き進む彼らの “今の思い” をお届けしよう。


20周年イヤーを締めくくる最後の一発

2009年から「20周年イヤー」として、より一層活発な活動をされていますね。
GAMO
20周年イヤーとして、2009年春から結構精力的にライブをやってきましたね。ずっとツアー三昧で、ヨーロッパに行ったりもしました。中でも一番大きな出来事は、僕らが主催した「トーキョースカジャンボリー」かな。これは簡単に言うと「スカやってる人たち集まって盛り上がろう」というイベントで、念願かなってやっと開催できました。その流れで秋のツアーがありつつ、レコーディングも並行してやっていたんです。年は明けたんですけど、年度区切りで3月までは20周年というつもりで、最後にアルバム「WORLD SKA SYMPHONY」をまとめとしてリリースしました。
では早速、「WORLD SKA SYMPHONY」の制作エピソードを聞かせてください。
GAMO
前作の「PARADISE BLUE」の時に20周年記念アルバムだという意気込みがあって、初心に返るという気持ちでライブハウスツアーと称して150~200人くらいの規模の小さな会場も含めて全国津々浦々廻ったんです。アルバム自体も原点回帰じゃないですけど、愛らしいスカの曲が多かった。そして今回のアルバムは、21周年に向けてのキックオフ的な意味合いもあるのかなと思うんです。
谷中
前作がモノクロというわけではないんですが、もう少しカラフルになったという感じですかね。アルバムにも収録している『KinouKyouAshita』という曲は、シングルとして昨年10月に発売したので、それはヨーロッパツアーの前に録り終えていたんです。この曲はスカなんだけど、アレンジ的に割と他の誰もやったことないだろうって思えるような新しいスカができたなという自負があった。そこからみんな、今回のアルバムに向けて楽曲自体が自由になってきて、自信というか、勢いや弾みががついたのかなって思います。『愛の讃歌』もそのときに一緒に録ってあって、これを持ってヨーロッパツアーに行ったんですが、フランスの時は大合唱だった(笑)。やっぱりみんな知ってるじゃないですか。
GAMO
スペインはそうでもなかったね(笑)。
谷中
若い人も多かったからね。
特にイントロからあの旋律につながる部分がアレンジの妙と言うか、『愛の讃歌』とは思えないような雰囲気ですよね。新しさも感じさせつつ、でもずっと前から聴いていたという相反する感覚があります。
谷中
それは嬉しいなぁ。ちょっと和風テイストもありつつ、温故知新的な要素をスカパラはずっと考えてるかもしれませんね。新しいものを採り入れすぎるとみんなびっくりしちゃうというか、僕らも積み上げてきているものがあるから、お客さんを裏切らないように、でもやっぱり飽きさせないように。そのバランスは一番注意していることですね。
東京スカパラダイスオーケストラ 谷中敦
東京スカパラダイスオーケストラ GAMO人物写真:Masanori Doi

CD Information

「WORLD SKA SYMPHONY」東京スカパラダイスオーケストラ
 
WORLD SKA SYMPHONY
【CTCR-14662B】¥3,500(初回生産限定盤DVD付)
【CTCR-14663】¥3,000(通常版CDのみ)

[収録曲] Boppin’ Bunny(曲 : NARGO)、流星とバラード(詞 : 谷中敦 / 曲 : 川上つよし / Vo : 奥田民生)、明鏡止水(曲 : 沖祐市)、Just say yeah!(詞 : 谷中敦 / 曲 : 加藤隆志)、STORM RIDER(曲 : 川上つよし)、ずっと(詞 : 谷中敦 / 曲 : 沖祐市 / Vo : Crystal Kay)、WORLD SKA CRUISE -original mix-(曲 : 川上つよし)、Juggling City(曲 : 北原雅彦)、KinouKyouAshita -New horn arrangement-(詞 : 谷中敦 / 曲 : 沖祐市、加藤隆志、茂木欣一)、東雲25時(曲 : 川上つよし)、愛の讃歌 with strings(曲 : Margerite Monnot)、君と僕 2010(詞 : 谷中敦 / 曲 : 沖祐市 / Vo : 斉藤和義)
※初回生産限定盤DVD=『KinouKyouAshita』『流星とバラード』のミュージッククリップ、メイキング、EUROPEAN TOUR 2009 ダイジェスト映像収録

TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA
OFFICIAL WEB SITE
http://tokyoska.net


次ページにインタビュー続く
・豪華ゲストとスカパラの絡み
・メンバー全員が同じ方向を向いている
・スカパラが築いた「スカの位置」

登場するアーティスト
画像

GAMO
GAMO

東京スカパラダイスオーケストラ・テナーサックス担当。スカパラは現在全国ツアー”Discover Japan Tour”で全国行脚中。

登場するアーティスト
画像

谷中敦
Atsushi Yanaka

1966年生まれ。アメリカ、ヨーロッパ、南米、アジアと世界を股にかけ活躍する大所帯スカバンド、東京スカパラダイスオーケストラのバリトンサックス担当。スカパラのヴォーカル曲の主な作詞を手掛け圧倒的支持を集めている。他アーティストにも作詞家として、KinKi Kids『ルーレットタウンの夏』、EXILE『空から落ちてくるJAZZ』、矢沢永吉『白い影』などを提供。また、アパレルブランド「Instant Fame」のプロデュースなど活動は多岐に渡る。

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