サックス記事
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矢野沙織 デビュー10周年を飾る ファン・リクエストアルバムをリリース

THE SAX vol.55 Cover Story

女性サックスプレイヤーの先駆者として、その歩みを確かなものにしてきた人がいる。16歳で華々しくシーンに登場した矢野沙織。来年9月にデビューから満10周年を迎える彼女が、その記念イヤーのスタートにはじめたのは、ファンの要望に耳を傾けることだった。寄せられたリクエストをもとにレコーディングを行ない、完成させた10枚目のアルバム「Answer」。どんな“答え”が詰まっているのか、レコーディング終了まもない彼女に話を訊いた。 写真:土居政則/取材協力:日本コロムビア

ファンへの感謝をこめて、 リクエストに応えたい

デビュー10周年を迎えるそうで、おめでとうございます。10月にリリースするメモリアルアルバムは、ファン投票による選曲だそうですね。
矢野
ありがとうございます。今回は、リクエストをWEBと全国ツアーのアンケートで募りました。一番人気だったのが、TVCMでおなじみの『ウイスキーが、お好きでしょう』なんですよ(笑)。私も好きな曲で、コンサートでは毎回やるレパートリーのひとつでしたから納得ですね。
『砂とスカート』もリクエストを多くもらいました。15歳くらいのころに書いた曲なので自分としては恥ずかしいんですけど、ライブでも反応がいい曲なんですよね。演歌みたいなんですけど(笑)。
『All of Me』や『Moon River』などスタンダードな人気曲も並びましたね。多くのプレイヤーによって演奏され尽くされた感のある曲ばかりですが、演奏する難しさはありませんでしたか?
矢野
スタンダードに関しては本当にたくさんのアレンジが出尽くしているので、私はテーマを歌おうと考えました。アドリブは少なめで、メロディがあればいいかなと思って、そこに重きを置いたんです。今回の収録曲はどれも3分ほどの曲がほとんどで、歌のアルバムのように仕上げました。オールスタンダードを歌手のようにやるのが憧れだったので、おもしろかったです。
アルバムタイトルにもなった矢野さんオリジナルの新曲『Answer』は、とてもファンキーなブルースですね。ミュート・トロンボーンがいい味を出しています。
矢野
キャバレーっぽくしたかったんですよ。ピアノを担当してくれた中島徹さんが、トロンボーンも吹いてくれたんですが、苦戦してましたね(笑)。ブルースは好きだけど、なかなか自分で書けなくて……。いい機会だったので、取り組みました。ファンの皆さんのリクエストに対する「答え」という意味で、『Answer』というタイトルをつけました。

CD Information

Answer
「Answer」 2012年10月17日発売
【COCB-54001】
[収録曲] The Days of Wine and Roses/All of Me/Moon River/砂とスカート/Moody’s Mood for Love/Theme from “TAXI DRIVER”/A Night in Tunisia/Sing Sing Sing〜It Don't Mean A Thing(If It Ain’t Got That Swing)/Answer/Walz for Debby/La Vie en Rose/You’d Be So Nice To Come Home To/Left Alone/ウイスキーが、お好きでしょう [演奏] 矢野沙織(Sax)/中島 徹(Pf、Tb)/金子 健(Bass)/小松伸之(Ds)/ゲスト:日野皓正(Tp)

次ページにインタビュー続く
・エネルギーを吸い取られながらも、鍛えられた大物との共演
・10年経っても好きなもの、嫌いなものは変わらない

登場するアーティスト

矢野沙織
Saori Yano

1986年東京出身、9歳のときブラスバンドでアルト・サックスを始める。チャーリー・パーカーに衝撃を受けジャズに傾倒、14歳でビリー・ホリデイの自叙伝に感銘し、自らジャズクラブに出演交渉を行なってライブ活動をスタート。 ジャズの名門SAVOYレーベル日本人アーティスト第2弾として2003年9月、16歳でセンセーショナルなデビューを飾る。日本にとどまらずニューヨークでもライブを重ねる一方、テレビ朝日系「報道ステーション」テーマ曲に起用され、世に新世代ジャズの到来を知らしめた。 ジミー・コブがブルーノート・ツアーで共演した際には、「日本のキャノンボール・アダレイ」と絶賛。ニューヨーク2日間公演でも本場オーディエンスを圧倒し、初のライブ盤として発売。 2007年春、花王“ASIENCE”の新たなアジアンビューティとしてCMに登場。同CMで使用されたオリジナル曲「I & I」を収録したベストアルバムは、第22回日本ゴールドディスク大賞ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。

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