サックス記事
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夏サックス Summer Time SAX 〜SMOOTH JAZZ / デイヴ・コーズ&フレンズ

THE SAX vol.60 Cover Story

スムース・ジャズ界のオールスター・キャストが集結した「サマー・ホーンズ」が完成!

スムース・ジャズ・ファンにとっては夢のような4ショット。写真を観ただけで爽やかなサックスの音色が聞こえてきそうな、この名手4人によるコラボレーション・アルバムが完成した。その名もズバリ「サマー・ホーンズ」! 仕切り役であるデイヴ・コーズをテレフォンキャッチして制作の様子を語ってもらった。
( インタビュー・文:櫻井隆章 / 協力:ユニバーサル ミュージック )

ホーンセクションの響きが、ずっと僕をエキサイトさせてきた

現在のスムース・ジャズ・シーンきっての人気者であり、全米でそのエネルギッシュなプレイぶりが観客を熱狂の渦に巻き込んでいるサックス奏者、デイヴ・コーズ。彼の最新アルバム「サマー・ホーンズ」も、また話題となっている。6月末に日本盤も発売されたので見かけたという方も多いだろうし、どころか「愛聴盤になっている」という方も多くいらっしゃると推察する。とにかく、今回のアルバムは画期的であり、彼としても初めての試みなのだ。

Dave Koz,デイヴ・コーズ

まず、最初にその「試み」をご説明しておこう。今回のコーズのアルバムは、彼以外にサックス奏者を3人そろえたのだ。従って彼を含めて4人のサックス・プレイヤーが共演した作品なのである。その顔触れは、ジェラルド・アルブライトにリチャード・エリオット、そして紅一点のミンディ・エイベア。実に個性がバラバラなメンバーたちだ。ところが、実際のサウンドを聴くと、これがまぁ見事なアンサンブルを披露しているのである。思うに、ビッグバンドの「セクション」として聴いてみると納得できるし、何よりも選曲が素晴らしい。ホーンズの響きが印象的な往年のヒット曲が満載なのである。実に、夏にこそ相応しいようなナンバーがズラリ。正に「サマー・ホーンズ」なのだ。そもそも、ジャケットにコーズ自身の言葉が載せられているのだが、その冒頭に書いてある言葉が嬉しい。「ホーンセクションのいない音楽に、どんな意味があると言うんだい? 間違いなく、つまらないものになるじゃないか」。

早速彼に電話で話を聞いた。

「今回のアルバムは、僕の頭の中に何年もずっとあったアイデアを具体化したものなんだよ。頭の中に青写真があったと言うかな。とにかく、60年代から僕が聴いてきた音楽は、タワー・オブ・パワーであったり、アース・ウインド&ファイアー、シカゴ、ブラッド・スウェット&ティアーズ、ジェイムス・ブラウンに、クール&ザ・ギャング、オハイオ・プレイヤーズ、などなど、どれも素晴らしいホーンセクションが入ったアーティストのものばかりなんだ。大体が、80年代前半までの音楽だね。そこで聴ける音楽に入っていたホーンセクションの響きが、ずっと僕をエキサイトさせてきた。そんな素晴らしい音楽の数々を、普通にトランペットやトロンボーンなども交えたサウンドにするのではなくて、もっとスペシャルな形でできないかと考えていたんだ。だから、今回のアルバムは僕にとって実に特別なものになったんだよ」

こう語る彼のところに電話を入れたのが、偶然にもこのアルバムの日本発売の前日。明日、日本盤も発売になりますよと伝えたら「日本でも出るのかい? 知らなかったな! それは素晴らしい!」だと。既に、アメリカではこのアルバムのメンバー4人がそろってのツアーも行なっており、この日は彼がツアーを終えてロサンゼルスの自宅に戻って来た翌日なのだった。

Dave Koz,デイヴ・コーズ,Richard Elliot,リチャード・エリオット

Profile
右 / Dave Koz(デイヴ・コーズ)

1963年3月27日、ロサンゼルス郊外のサン・フェルナンド・ヴァレ―生まれ。高校時代からサックスを始め、大学卒業後にボビー・コールドウェルのバンドに加入。ジェフ・ローバーのバンドでも活動し、同い年であるリチャード・マークスのバンドでもプレイ。他にもU2やナタリー・コール、またトム・スコットなどとも共演する機会を持った。マークスとの縁からか、マークスと同じレコード会社から初のソロ作を発表したのが1990年のこと。スムース・ジャズ、コンテンポラリー・ジャズの第一人者としての評価を瞬く間に獲得し、現在に至っている。各種のサックスをプレイするが、メインはアルト。エネルギッシュでパワフルな演奏ぶりは全米で人気だ。日本には2006年春にランデヴー・オール・スターズのメンバーとして初来日。同年8月に自身のバンドを率いて再来日、さらに9月には「東京JAZZ」に出演と忙しい年を迎えた後は、ほぼ毎年の日本公演を行っている。大の日本好き。

左 / Richard Elliot(リチャード・エリオット)
1960年1月16日、イギリスのスコットランド、グラスゴー生まれ。彼が3歳の時に家族全員でロサンゼルスに移住した。早くから音楽好きで、多くの音楽に親しんだ。10代後期からプロとなり、キティホークやイエロージャケッツでプレイ。リッキー・リー・ジョーンズのバンドに参加した後に加入したのがタワー・オブ・パワー。ここで一気に名を挙げた。タワー在籍中に初のソロ作を発表。非常に好評だったことからソロに転じ、現在に至っている。

Gerald Albright,ジェラルド・アルブライト,Mindi Abair,ミンディ・エイベア

右 / Gerald Albright(ジェラルド・アルブライト)
1957年に、ロサンゼルス南部の黒人居住地区で生まれた彼は、若い頃からジェイムス・ブラウンなどのソウル・ミュージックと、メイシオ・パーカーなどのファンク、キャノンボール・アダレイなどのジャズのサックス奏者をお手本としてきた。1980年代後半に大きく注目を集め出し、音楽業界にその人ありという存在となる。ソウルからジャズまで、幅広い音楽性を持ち、ソロ作も多数。また、シンガーからのソロ依頼も多いという人である。

左 / Mindi Abair(ミンディ・エイベア)
ロサンゼルスで音楽一家の下に生まれる。5歳でピアノを始め、3年後にはサックスと作曲をはじめた。長じてボストンのバークリー音楽大学に入学し、幅広く音楽を学ぶ。そこではロックやジャズ、R&Bなどもプレイ。卒業後はロサンゼルスに戻り、自身の音楽を追求すると同時にプロとして活動を始め、GAPバンドやバックストリート・ボーイズなどと共演。1999年に初ソロ作を発表し、その後はコンスタントにアルバムを発表。現在に至る。


CD Information

「サマー・ホーンズ」デイヴ・コーズ&フレンズ
 
「サマー・ホーンズ」デイヴ・コーズ & フレンズ
SHM-CD【UCCO-1129】¥2,600(税込)
ユニバーサル ミュージック

[収録曲]オールウェイズ・ゼア / ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ / ライズ / ソー・ヴェリー・ハード・トゥ・ゴー / ふたりのサマータイム / テイク・ファイヴ / 長い夜 / リーズンズ / アイ・ゴット・ユー / 悪夢 / ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド / サマー・ホーンズ
[演奏]デイヴ・コーズ(As,Ts,Ss,Bs)、ミンディ・エイベア(As,Bs)、ジェラルド・アルブライト(As,Ts,Bs)、リチャード・エリオット(Ts)、リック・ブラウン(Tp,Flh)、ブライアン・カルバートソン(Tb)、マイケル・マクドナルド / ジェフリー・オズボーン / ジョナサン・バトラー(Vo)


次ページにインタビュー続く
・僕の人選は正しかった、最高だったと実感したね
・演奏したい曲を持ち寄って最初は100曲以上も挙がっていた

登場するアーティスト

アメリカのスムースジャズサックス奏者。アルトサックス、ソプラノサックス、フルート、キーボードを演奏、ヴォーカルをとることもある。祖母がオペラ歌手、父親がプロのサックス奏者という家庭に生まれ、8歳でサックスを始める。高校時代はスクールバンドでサックスを演奏。バークリー音楽大学でジャズ、ロック、R&B などあらゆるジャンルの音楽を学ぶ。卒業後はロサンゼルスへ移り、自己のバンドで活動。ジョナサン・バトラーのバンドに参加し、その後アダム・サンドラー、バックストリート・ボーイズやマンディ・ムーアなどのバンドでも活動。2000年に自主アルバム「Always and Never the Same」を発表し、2003年にアルバム「イット・ジャスト・ハプンズ・ザット・ウェイ」でデビュー。2004年に「カム・アズ・ユー・アー」、2006年に「ライフレス・オーディナリー」、2008年にアルバム「スターズ」を発表。2008年からラジオ番組「Chill with Mindi Abair」のパーソナリティに就任。

登場するアーティスト

ボビー・コールドウェルにリクルートされ、キャリアをスタートさせる。その後、リッピントンズやトム・スコットのバンドで名を上げ、フュージョン系のファースト・コール・ミュージシャンとして活躍。1990年、ケニー・Gを世界に送り込んだ名キーボーディスト ジェフ・ローバーの尽力により、名門キャピトルとセルフタイトルのアルバムでデビュー。1994年には自らパーソナリティを務めるラジオ番組をスタートさせ人気を博す。6度のグラミー賞候補歴を持ち、現在スムース・ジャズ・シーンの頂点に立つ名実共に人気のサックス奏者。

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