トランペット 記事
THE TRUMPET vol.13

石川広行&鈴木雄太郎 本邦ジャズ・トランペット界のニューリーダーとホープによる友情対談!

活況の本邦ジャズ・トランペット界で、次なる時代のリーダーとして実力を高く評価されている石川広行氏。そして、その石川氏からも影響を受けた若きホープとして期待を集めるのが鈴木雄太郎氏。この二人が今年3月の共演ライブ以来、交流を深めている。話題の両人に揃って話を聞くことができた。
(インタビュー・文:吉野和孝/取材協力:ジョイブラス)

アドリブはほとんどトランペットを聴かずにサックスばかり聴いていた(石川)

トランペットを始められたきっかけ、そしてジャズへ傾倒されるまでの経緯を教えてください。
石川
トランペットは高校の吹奏楽部からです。教えていた音楽の先生は、東京でプロのトロンボーンニストとして活動されていた方で、いわゆる吹奏楽ではなく、ビッグバンド形式の音楽でした。夏の合宿では、ジャムセッションが開かれて、1年⽣もメジャースケールとブルーノートスケールを教わって、みんなアドリブを吹かされる。これがアドリブの初めでした。それが⾯⽩くて、ずっと続けている感じです。実は、僕はサックス志望で入ったのです。サックスパートは人気で、体験入部の時にサックスの代わりにトランペットを吹くことがあった。トランペットは音を出すのが難しいじゃないですか。ところが、音が出てしまい、入部をしたらトランペットになっていました。3年間ずっとトランペットを吹いたのですが、興味があったインプロのソロのとり⽅は元々サックスだったのです。だから僕はほとんどトランペットのアドリブは聴かずに、チャーリー・パーカーやジャッキー・マクリーンなどサックスのアドリブばかり聴いていました。サイドにいたディジー・ガレスピーやマイルス・デイヴィスも聴きましたが、あまり好きにはなれなかった。僕の音色が、トランペットっぽくなくて⽊管ぽいっていうふうに⾔われるのはそういうところからきているかもしれませんし、輝かしい音を出すつもりがまったくなかったのも確かです。⼀番最初に好きになったトランペットはクラーク・テリー。よく考えると、あれはトランペットではなく、フリューゲルホルンの音色だったのではないかなと思います。高校卒業後、僕は現役で⼤学には⾏っていないんです。お金を貯め、2年遅れて⼊っています。それまでは地元でバイトをしながら、札幌に通ってジャズコンボで活動しました。そのバンドには、ゲストがいらっしゃることがあり、村田浩さん、小濱安浩(Sax)さんやタイガー大越さんなどに影響を受けました。小濱さんからは、トランペットを研究するんだったら、フレディ・ハバード、ウッディ・ショー、トム・ハレルの3人は必ず聴きなさいと言われました。僕が好きだったのは圧倒的にウッディ・ショーでした。
鈴木
私のきっかけはビル・チェイスに憧れたことでした。両親はプレイヤーではありませんが、それぞれ音楽を嗜む家庭環境だったので、日常から音楽をジャンルレスに聞いていました。地元の中学校は、トロンボーンのプロを志望していた方が教員をやられていて、吹奏楽部ながら完全にビッグバンド編成。小学6年の頃、⽗親がチェイスとかメイナード・ファーガソンとかエリック・ミヤシロさんとかよくかけており、トランペットを始めてからの中学校の3年間は、ハイノートヒッターになりたいと憧れ、目指していました。中学3年生の時、父親に「コンボジャズもちゃんとやったほうが良いんじゃないか」と言われたこと、チェット・ベイカーを聴かされたことがきっかけでセッションに通うようになりました。最初は嫌々でしたが、だんだんと音を出す楽しみ、重ねる楽しみを知るようになり、高校進学後もビッグバンドは続けながらも、並行してセッションへ足を運んでいました。両親からは、卒業後は⾳⼤に進学するようにも⾔われたのですが、一般の⼤学には学バンがあり、ジャズ研の活動はかなり盛んで毎日のようにセッションをしていますし、輩出しているプロの方もたくさんいらっしゃる。もし、そういう⽅向性になったとしても何かチャレンジができるのではないかと思い、⻘⼭学院大に進学しました。
 

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・トランペットらしい華やかな⾳とは違う晩年のチェットにも刺激を受けた
・中低音の成分が多い楽器やセッティングだとイマジネーションが湧き立つ
・⽯川さんとの出会いによって踏み込んで解釈をする視点をもつことができた

 

石川広行
1984年北海道室蘭市生まれ。高校時代にジャズと出会う。高校卒業後に札幌での演奏活動を行なった後、洗足学園音楽大学に入学。在学中にはバークリー音楽院にも留学した。洗足学園音楽大学を卒業後、都内各所で活動中。これまで原朋直氏、佛坂咲千生氏、タイガー大越氏、Hal Crook氏に師事する。これまでの主な参加バンドやプロジェクトは、象眠舎、 Millennium Parade、大橋トリオ&The Pretaporters、Blacksheep、Fluid Space、Octagon、宮木謙介Big Band、佐藤恭子リトルオーケストラ、狭間美帆 NEO-SYMPHONIC JAZZ、三木俊雄フロントページオーケストラ、廣瀬真理子とPurple Haze等。
[使用楽器]
Trumpet:Van Laar OIRAMⅡ ローブラス
Flugelhorn:Van Laar OIRAM/Ack ブラッシュパラジウム
Trumpet Mouthpieces:Lotus 2XL Bronze(第2世代)、Lotus 2XL2(第3世代)
Flugelhorn Mouthpiece:Greg Black Ingrid Jensen VL shank

 

鈴木雄太郎
1995年新潟県新潟市生まれ。中学校の吹奏楽部(ビッグバンド)でトランペットを始める。2013年、青山学院大学へ進学するのと同時期から慶應義塾大学Light Music Societyに所属し、YAMANO BIG BAND JAZZ CONTESTで2度の優勝を果たす。また、第39回浅草ジャズコンテストに出場し、銀賞受賞(Yusuke Fuji Trio)。これまで小林陽一&JJMや、元岡一英率いるMS2Bに参加。また、ネオソウルバンドCHAPMANの1st EP『ESCAPE』、数少ない若手サルサバンドBanda Coribantesの1st EP『Banda Coribantes』のレコーディングに参加するなど、幅広いプレイスタイルで東京都内を中心に活動中。
[使用楽器]
Trumpet:H.Selmer Chorus 80J
Flugelhorn:Inderbinen Wood
Trumpet Mouthpieces:Monette PRANA STC-1 B6、Lotus 3XL2(第3世代)
Flugelhorn Mouthpiece:AR Resonance MFLD42/FS42-10

 

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