新時代のピッコロトランペット誕生秘話
Best Brassのトランペットは、シリアルナンバーが「#002」から始まっているという。では「#001」とは一体何なのか。すべては1981年にベストブラス創業者、濱永晋二氏が学生時代に製作した1本のピッコロトランペットから始まった──。はじまりのピッコロトランペットから44年。ヤマハでの設計・開発の経験を経て、独立し、昨年11月に創業25周年を迎えたベストブラス。常に世界の先端を駆け抜けてきたベストブラスから、25周年を記念した渾身のピッコロが完成したという情報を聞きつけ、浜松にある工房に潜入した。その楽器はまさにベストブラスの新たな時代を感じさせるものだった……。
現社長 濱永康太氏(左)と創業者 濱永晋二氏(右)はじまりの1本
もともとモーリス・アンドレに憧れて、学生時代はピッコロに打ち込んだというベストブラス創業者・濱永晋二氏(以下、晋二)。
写真1:セルマーのピッコロトランペットそんな憧れから、1981年、大学生の晋二はなんと自身の手でピッコロトランペットを作り上げてしまう。


アイーダのような独創的なデザインもさることながら、大学生が楽器を作ってしまったこと自体が驚きだ。ケースの取っ手やバックルに至るまですべて自前で作ったというその器用さと、精巧さからしてすでにベストブラスの片鱗が垣間見える。今から44年前のこの楽器こそ、まさにベストブラスのルーツであり、“はじまりの1本”なのだ。
ピッコロの巨匠に認められた “アイオリア”
大学卒業後、晋二はヤマハに就職し、開発部門にて17年間にわたり楽器設計に従事。1999年に同社を退社後、同年11月にベストブラスの立ち上げに至るわけだが、最初に作ろうと考えたのもピッコロだったという。
そこから“HAMANAGA VALVE”という独自のバルブシステムを考案し、独創的なデザインのB♭管トランペットを開発していく。
ベストブラスの中でもヘビーウエイトのアイオリア(ピッコロTP)は、楽器のスタイルこそ当時の主流であったシルキースタイルを採り入れているが、HAMANAGA VALVEを搭載したレスポンスの良さや鳴りの良さ、細部まで作り込まれたデザインは唯一無二。
現社長である濱永康太氏(以下、康太)は、2010年当時、このアイオリアを持ってモーリス・アンドレの自宅まで会いに行ったエピソードがある。
康太 アンドレさんが亡くなられる数年前ですが、ある縁からお会いしてくれることになり、自宅に伺ったところ大歓迎を受けまして(笑)。日出る国からきたということで太陽のオブジェを作っていただきプレゼントしてもらいました(写真3)。
ピッコロトランペットの巨匠をして「素晴らしい楽器だ」と言わしめた。それはベストブラスにとって、大きな自信にも繋がったことだろう。
完全新作となるピッコロトランペット“アルテミス”
より良いピッコロをゼロから模索したのも、晋二氏のピッコロトランペットへの想い入れの強さと、ベストブラスの「比類なき楽器を作る」という信念によるものだろう。
こうして“はじまりの一本”から実に44年、ベストブラス創業から25年の技術とノウハウが結実したピッコロトランペットが“アルテミス”なのだ。
【問合せ】 株式会社ベストブラス
静岡県浜松市中央区西町314番地 TEL: 053-401-5256 Mail: info@bestbrass.jp www.bestbrass.jp

















