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部活準備計画

新入生を迎える準備をしよう

季節は春を迎え、学校では部活の勧誘期間も徐々にスタートしていることと思います。そこで今回は「新入生をたくさん入部させたい!」と思っている吹奏楽部が“どんな準備を行なっているのか”を調査してきました!
今回モデル校となってくれたのは…… 神奈川県川崎市立商業高等学校吹奏楽部のみなさんです!

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KAWASHO DATA
顧問:小野敦博 先生 ※小野先生はこの春離任しました。
活動日: 月~木、土
活動場所: 5F音楽室
活動内容:主に全日本吹奏楽コンクール、野球応援、文化祭、定期演奏会などのイベントに向けて日々練習をしています。

 

Check 1 部室を準備しよう

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吹奏楽の主役とも言える楽器たちを収納する部屋(楽器庫)には、楽器だけでなく練習で使う譜面台やメトロノーム、ミュートなどの小物品の整理もされています。このように整理整頓することによって、なにがどこにあるかすぐに分かって、効率の良い練習ができますよね。
人がたくさんいても楽器が整理されているので出入りもスムーズになります。「新入生がたくさん入りますように」と願いを込めて、普段から整理しています。
大きな棚は、「よく使うもの」と「あまり使わないもの」で入れる場所を工夫しています。なんと、右スペースには背面の窓の開け閉めができるように“ 人間が入れるスペース” を確保! これは湿度や気温に気を配らなければならない繊細な楽器たちにとって、最高の気配りですね。

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いろんな形があって収納しにくい打楽器も、鍵盤楽器を互い違いに入れたり小物系を奥に置いてティンパニを前に置くなど、工夫しています。このように楽器の居場所が一目瞭然だと、新入生が入ってきて人数が増えたとしても、パート内で指示が上手く伝わるなどのチームワーク強化につながりますね。
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Check 2 練習時のマストアイテムはすぐに取り出せるように♪

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楽器を演奏するにあたり、必要となってくるのがオイルなどの小物。それら小物品は楽器ケースに入れて持ち歩くこともあります。「キィオイル」「バルブオイル」「クロス」「スワブ」「スライドグリス」……と、楽器によって様々な種類を使いますが、ここでも吹奏楽部の特権(!?)、かわいいアイテムを発見しました。このように可愛いポーチやお気に入りの小物入れに楽器のメンテナンス必需品のオイルやグロスを入れて持ち歩けるなんて、これは練習も楽しくなりますね。

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木管楽器で使うリードなど、常時準備をして練習に挑むとのこと。お手入れの仕方は先生や講師、先輩に教わるほか「お手入れ説明書」という楽器屋さんにおいてあるパンフレットを読んだりと、工夫しながら習得しています。
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教本や楽譜などはいつでも取り出せるように種類別に整理整頓します。このように丁寧に扱うことで、楽譜が綺麗に保たれ長持ちしますし、買い直す必要もなくなります

Check 3 楽器の準備をしよう

使っていない楽器を発見し、オイルやクロスなどでお手入れをしています。長らく外の空気に触れていなかった楽器も登場し、一生懸命磨く生徒さん。「新入生は何人くらい入部させたいですか?」と聞いてみると……
「新入生にはたくさん入ってほしいです。そうなると使っていない楽器の準備をしなくては(笑)(楽器たちを見つめながら)。体験入部とかで演奏を聴かせたり実際に吹いてもらったりして……なにより楽器を好きになってもらえたら嬉しいですね。吹奏楽部に入るつもりではなかった人も別の部活と悩んでいる人も、私たちの演奏を聴いて入ってくれたらいいな……」
と、新入生を心待ちにしているようでした。
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動かなくなってから管を無理やり抜こうとすると、かえって楽器を傷つけてしまう恐れがあります。そうなる前に、このように日々グリスやオイルを塗っていつでも活躍できるようにしておきましょう。細部は綿棒などの細いもので汚れをとります。出番を待つ楽器たちの点検は欠かさず行ないましょう。楽器本来の音色が鳴るようになり、演奏することが今よりももっと楽しくなるはずです!
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Check 4 新入生のために練習中! 特別演奏♫

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こちらの学校では毎年、みんなの目を引く吹奏楽部オリジナルポスターを作り、校舎の目立つところに貼ってPR 活動をしています(ちなみにこれは去年のポスター。今年のポスターは制作中とのことですので、実際に貼られてからのお楽しみ♪)。
小野先生いわく、「このポスター、生徒たちが描くのですが、一夜で描き上げてしまう子もいるんですよ。せっかくなので明かりがつくところに目立つように貼ります。たくさんの一年生が目を通してくれると良いなという想いをこめて、場所は階段の踊り場など人がたくさん通るところに。剥がすのは徐々に部活が決まってくる4月下旬です」

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そして、このポスターを見て吹奏楽部に見学に来てくれた人たちには特別に演奏を披露しています。“ 百聞は一見に如かず” ! 実際に演奏を聴いてもらい、新入生に“吹いて叩いて、音楽を奏でる楽しさ”を伝えているそう。「私もこんなふうに演奏してみたい!」と思ってもらうことが大切なようですね。
吹奏楽部では演奏する楽しさはもちろん、季節ごとのイベントなど、パフォーマンス面でも楽しめることが盛りだくさんです。



実際に吹奏楽部に入って感じている楽しさや魅力について教えていただきました。

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吹奏楽の楽しさ、魅力は?
神馬さん
大きな本番があるとそれに向けての方向性やテーマを決めて、練習に取り組みます。年間行事はたくさんありますが、なかでも3月にある定期演奏会では卒業する3年生の先輩たちに色紙やプレゼントを渡して「お疲れ様でした」と感謝の気持ちを伝えます。毎年涙ありの感動イベントですが、部活を通してこうした感謝の気持ちを持てることや、信頼関係を築けるのは吹奏楽部に入ってよかったなと思います。
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新入生呼びかけに向けてひと言!
神馬さん
楽器経験者の方にはぜひとも入っていただきたいです。学校では吹奏楽部へ見学に来た人には演奏を披露しますが、その演奏を聴いて「入りたい!」と思ってもらえると良いですね。
安田さん
高校生になってから吹奏楽を始めるのは結構勇気がいるものかと思いますが、経験者ももちろん、そういった方々にも「楽器って楽しいんだよ」というのが伝えられると良いなと思います。

まとめ

吹奏楽部に入ったことで、人とのつながりができたり、たくさんの経験をする機会が生まれるようです。“ただ楽器を演奏するだけ” でなく何かに向けて段取りを決めてみんなで準備をしていくことを学べるのは、部活ならではですね。
その部活や団体の雰囲気は、サウンドに出るもの。川崎市立商業高等学校は先生と生徒の壁がなく、生徒たちが“ なんでも相談できる先生” と慕う姿が印象的でした。
吹奏楽部・吹奏楽団体に興味がある人たちは、まずは気になっている団体の見学へ行ってみてはいかがでしょうか?
kawasho-14.png 川崎市立商業高等学校のみなさま、ありがとうございました。

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