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マリンバのことならおまかせ!

株式会社斉藤楽器製作所

10数名の精鋭たちによって造られ、日本をはじめヨーロッパやアジア、オセアニアなどでも展開しているサイトウマリンバ。現在アメリカを拠点に活動している世界的なソロ・マリンバ奏者の名倉誠人さんや、東京藝術大学で准教授を務める藤本隆文さんなどが愛用している楽器です。そんなサイトウマリンバを製作する株式会社斉藤楽器製作所の取締役営業部長である齋藤徹さんにマリンバのことを聞きました。

 

マリンバの造り方

木材を乾燥させたあと、音板、枠、共鳴管をそれぞれ並行して造り、音板の調律や塗装を行なったあと、組み立てていきます。

 

木材の乾燥

 

音板、枠、共鳴管の製作

 

調律、塗装
組み立て、マレット製作

 

 

マリンバQ&A

Q.マリンバとシロフォンの違いは?

齋藤 まずは音域です。マリンバは中低音域、シロフォンは高音域の担当になります。また、楽器として求められる用途も違います。高音のパリッとした歯切れの良い音を求める場合はシロフォン、低音の豊かでふくよかな音を求めるのであればマリンバを使います。両者の音板に使われるのが硬質なローズウッド材。現在では大変貴重な材料ですが、水に沈むくらいの比重と密度があります。ほかにシロフォンではカリンやパオローズなどが使われています。一方、マリンバでは柔らかく豊かな共鳴を得られるアフリカンパドックがありますが、柔らかい素材なのでシロフォンの音板を造ることはありません。逆にカリンなど硬い素材でマリンバ用はあまり造らないですね。
そして調律の仕方、さらには楽器の発祥も違って、シロフォンは東南アジア、マリンバはアフリカだと言われています。

 

Q.共鳴管の並び方は、階段状やアーチ型など様々ですね。

齋藤 基本的には形状の違いによって鳴りが変わることはありませんが、音色の傾向が変わります。実は、当社の5オクターブなどの大型機種では低音側の共鳴管の内部に移動式のフタが付いています。これを移動させることによって共鳴を調整するのです。 気温が上昇すると音板は音程が低くなり、共鳴管は管楽器と同じように高くなります。気温が下がるとその逆なのですが、気温が大きく上下するほど鳴りにくく共鳴が得られなくなります。特に長い共鳴管はその影響が受けやすくなるので、それを回避するために調整用のフタが付いているのです。夏場と冬場では10センチくらい動かします。
学校にあるマリンバでは共鳴管受けの差し込み口は2種類あり、通常は深いほうに設定されていますが、夏場など暑い時は浅いほうに差し込むとより共鳴が得られます。

 

Q.木製だけに湿気対策はどのようにしたらいいですか?

齋藤 高温多湿の場所には置かないことです。そして、直射日光は避けてください。よく学校では湿度の高い場所に置かれていることがありますが、そうするとどんなマリンバでも鳴らなくなってしまいます。湿度は大敵です。学校に置きっぱなしであってもカーテンで日光を遮ったり、ホコリよけのカバーをするなどの対策が必要です。

 

Q.普段のお手入れで気をつけるべき点を教えてください。

齋藤 水分も大敵なので、練習後はしっかりとカラ拭きをしてください。また、使用するマレットが硬すぎると音板の表面がどんどん削れていき音程が下がってしまいますし、木目が潰れて振動を妨げてしまいます。音板は消耗品的な部分もありますが、音量がほしいからと、あまり硬すぎるマレットは多用し過ぎないでください。また、移動後はネジの緩みなどもチェックしてください。

 

Q.普段のお手入れで気をつけるべき点を教えてください。

齋藤 水分も大敵なので、練習後はしっかりとカラ拭きをしてください。また、使用するマレットが硬すぎると音板の表面がどんどん削れていき音程が下がってしまいますし、木目が潰れて振動を妨げてしまいます。音板は消耗品的な部分もありますが、音量がほしいからと、あまり硬すぎるマレットは多用し過ぎないでください。また、移動後はネジの緩みなどもチェックしてください。

 

Q.マレットと音板の素材による相性は?

齋藤 マレットは中に芯が入っているのですが、基本的にゴム素材を使っています。そのゴムの硬さは様々です。ローズウッドは素材自体が硬いので、硬めのマレットが使えますが、パドックでは硬いマレットを使うとすぐに割れてしまうので注意してください。 初心者は、柄の部分が短いものがオススメです。弊社では37センチが基本なのですが、39センチだと4本で持つのに適しています。この39センチだと初心者には長すぎるので、37センチを使いましょう。

 

Q.吹奏楽部でマリンバを担当している中高生にメッセージをお願いします。

齋藤 私も吹奏楽部にいたので、その当時のことを思い出すとブラスだけが音楽と思っていた時期もありました。しかし、世の中にはいろんなジャンルの音楽があります。楽器を演奏することが一生の趣味、もしくは仕事になったら素敵だと思います。それを実現させるためにはブラスだけで打楽器を聞くのではなく、様々なジャンルで打楽器を聞いて、もっと音楽を好きになってもらいたいと思います。

 

 

サイトウマリンバ

株式会社 斉藤楽器製作所
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